今回レビューさせていただくのは「インテル(R) SSD 540sシリーズ 480GB」になります。
Intel SSD初のTLCモデルです。
最近のSSDのモデルの大半がTLCになってますが、Intelからもついに出たという印象です。
SSDは1つのセルにデータを書き込む量をどうしているかでSLC、MLC、TLCと別れています。
SCL=1つのセルに1つ
MCL=1つのセルに2つ
TCL=1つのセルに3つ
となってます。TLCのTはTripleのTです。
3倍データを書ける技術なので容量当たりの単価が減ってます。
しかし、その分速度や信頼性が落ちるというデメリットもありコンシューマー向けに位置している機材です。
もっと専門的なところはwikiなどを参照して下さい。
「インテル(R) SSD 540sシリーズ 480GB」を少し古めのノートパソコンに換装してみて古いノートを復活させよう!というレビューになります。
私が今回レビュー用に使うノートパソコンは「DELL Vostro 3300 Windows 7 Professional搭載 パフォーマンスモデル」になります。
スペックは
CPU:Core i5 460M 2.53GHz 2コア
HDD:320GB → 500GBに換装
メモリ:4GB
OS:Windows 7 Professional
今回の機種からのデータ移行で一番気になるところはHDDは500GB。SSDは480GB。
SSDの方が容量少ないけどデータ移行は大丈夫か?
とりあえず、Intel Data Migration Softwareの性能を信じてデータ移行しましょう!
Intelだもん。信じてる!
では、早速レビューしていきたいと思います
535シリーズに比べて、薄く小さくなりました。
ちょうど過去に535シリーズのレビューもしておりますので、比較もかねて開封します。
まず、届いた箱を開けてみてびっくりしたいのがサイズ!
1/3程度に薄くなりました。
また、SSD5とデカデカとデザインしてあります。
今後の展開をわかりやすくしようかな?という意図が感じられました。
では、何が少なくなったのかという同梱物の比較です。
下記の写真の上段が535シリーズ。左から
・SSD本体(7mm厚)
・スペーサー(7mm厚の本体を9.5mmへ変換させる板)
・データ移行ソフトウェアの入った8cm CD-ROM ※「Intel Data Migration Software」
・SSDを止めるミリネジ 4本
・SATAケーブル
・マニュアル
それに対し、下段の540sシリーズはSSD本体とマニュアルのみ。この辺を簡素化して輸送コスト、製品コストを減らすのは個人的には歓迎です。
「どうしても9.5mm厚じゃないと困る」という方はスペーサーの別途用意を忘れないように注意して下さい。
ただ、一点。
マニュアルは535シリーズの絵を多用して書いてありますが、540sシリーズは文字ばかりです。
どちらかというと、535シリーズの方がわかりやすいかと感じました。
Intelの付属ソフトの最新版は何故かエラー。旧バージョンはOK
次にデータの複製を試してみます。
使用するソフトは「Intel Data Migration Software」です。
このソフトはインテルのサイトからダウンロードします。
なお、このソフトをインストールする時に、Intel製のSSDがPCに繋がっていないとインストールでエラーになりますので気をつけましょう。
まずはPCにUSB変換アダプタでIntel SSD 540sを接続します。
私の場合は手持ちにあった「USB3.0 SATA変換アダプタ」を使用しました。
このアダプタですと補助電源があるのでAC不要なので設置が楽です。
消費電力の少ないSSDなので、このようなアダプタでも十分に認識します。
①PCにSSDを接続します。
②特に何もすることなくWindows上で自動的に認識すると思います。
下の写真のようにディスク0が465GBがHDD。
ディスク2の447GBが、Intel SSD 540s 480GBになります。
③ダウンロードした「Intel Data Migration Software」をダブルクリックしてインストールします。
「インストール」をクリックして進みます。
④しばらく待つと完了します。
⑤ユーザー登録はしなくても大丈夫です
⑥ディスクのクローン作製を押します。
ところが、下記の謎のエラーでこれ以上進みませんでした。
⑦仕方ないので、旧バージョン(V2.0)をダウンロードしました。
「Intel Data Migration Software」のサイトの左下に「その他のバージョン」というのがありますので、こちらからバージョン2.0をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールします。
インストールボタンを押してインストールします。
⑧「Intel Data Migration Software」を起動させ、「開始」ボタンをクリックします。
⑨「今すぐクローンを作成」ボタンをクリックすることで自動的にパーテーションサイズを割り当ててクローンを作成してくれます。
※パーテーションサイズを手動で割り振りたい場合は「クローン作成ウィザードの実行」を選択
私の場合は、「今すぐクローンを作成」ボタンをクリックしました。
⑩Windowsが再起動し、「Intel Data Migration Software」が自動起動してきます。
そのまま何もしないで待つと、ドライブのコピーが始まります。
⑪完了画面が表示されますので「シャットダウン」ボタンをクリックしてPCの電源を落とします。
これで、HDDのデータがSSDに複製完了です。
クリックも数回だけで非常に簡単。
しかも15分程度でデータの複製がされてしまうなんて誰にでも出来て素晴らしいですね!
そして、このソフトの凄いことは、今回SSDの方がデータ量が少なかったのです!
HDD:500GB
SSD:480GB
なのに、自動的に少ない容量に対しても割り当ててくれる事です。
これは、この手のクローンソフトとしては中々珍しい機能で優秀ポイントの一つだと思いますね!
Vostro3300はネジを2本外すだけ。ただし変換コネクタが特殊
私が今回交換するノートパソコンは「DELL Vostro 3300」になります。
早速、分解してHDDを抜き取り、データ複製済みのSSDに換装しましょう!
①まず本体をひっくり返します。そして写真右上にあるバッテリーを外します。
バッテリーを外したら、赤丸のネジ2本を外します。
②カバーが外れますので、HDDと基板を止めている赤丸のネジ2本を外します。
その後、PULLと書かれたシートを持ち上げてHDDを外します。
③外れたHDDにくっついているケースとSATAコネクタを外します。
このSATA変換コネクタがあるのが、この機種の特徴(デメリット)だと思います。
私は他の機種で見かけた事はありません。
逆の手順でSSDを取り付けて、ネジなどを締めて交換は完了です。
これでPCの電源を入れてみるとBiosでも自動的にSSDを認識してWindows7が起動しました!
パソコンの機種によりますが、ドライブ交換が比較的容易な機種だと思います。
こういうメンテナンスの良いノートPCは大好きです!
速い!
まず、前提条件として、今回使用したDELL Vostro 3300ですが、リカバリメディアからクリーンインストールし、その後各種WindowsUpdateを一通り実施した状態で比較しています。
なおスペックは
CPU:Core i5
メモリ:4GB
となっております。
PCの電源を入れて「ようこそ後のデスクトップ表示まで」を計測しました。
5回平均でHDDは66秒。
それに対し、SSDは45秒!!!
十分体感できるほどに速くなってます。
これが接続コネクタがSATA2.0じゃなくてSATA3.0だったら、SSDの本領が発揮できてもっともっと速いんでしょうけどね!
定番ではありますが、HDD・SSD本体のベンチマークを取得してみました。
起動時間が4倍くらいになったので、だいたい4倍くらいになってるのかな?と思いましたが、思った通りでした。
①まずは、HDDでのベンチマーク
Seq Q32T1: マルチキュー&スレッド(Block Size=128KiB)
4K Q32T1: マルチキュー&スレッド(Block Size=4KiB)
Seq: シングルスレッド(Block Size=1MiB)
4K: シングルキュー&スレッド(Block Size=4KiB)
②次にIntel SSD 540s でのベンチマーク。
Vostro 3300のSATAの規格はSATA2.0です。
SATA2.0の規格上の実効転送速度は2.4Gb/s (300MB/s)。それに対し240MB/s出てますので、かなり上限値が出ているという感じです。SATA3.0接続ならもっと速いでしょうが十分です。
HDD換装時にDELLの謎の変換コネクタもありますし、そんなコネクタあっても速度が出てるので素晴らしい!
HDDに比べて、リード、ライトともに約2.2倍程度の成績。
特にBlock Size 4Kの細かいファイルに対してのアクセス速度は140倍もの大幅な向上が見られます。細かいファイルに強いことがわかります。
③Windows7標準の「Windowsエクスペリエンスインデックス」を実行してみました。
HDDでは、プライマリハードディスクの値が5.9でした。
④SSDでは、プライマリハードディスクの値が7.7に変わりました。
エクスペリエンスインデックスの値は1.0~7.9の評価なので限界値近くまで上がっていることがわかります
HDDにWindows7があるので、気にせずWindows10にアップ
HDDにWindows7環境があるので、SSDを気にせずWindows10にアップデートしてみました。
方法はいつものようにMediaCreationTool.exeを実行してアップデートです。
①マイクロソフトのWebサイトからメディア作成ツール(MediaCreationTool)をダウンロードします。
http://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
②ダウンロードしたMediaCreationTool.exeを実行します。
③「このPCを今すぐアップグレード」か「他のPC用にインストールメディアを作る」と選択肢が出ますので、「このPCを今すぐアップグレード」を選択して「次へ」
アップデートはファイルのダウンロード込みで1時間ちょいでした。
何の問題も無く、Windows10の起動完了時に全てのデバイスが認識してました。
Windows10になったらベンチマークは変わるか?と思ったけどベンチマークについては変わりありませんでした。
やはりSATA2というハードウェアの上限なので仕方ないですね。
HDDよりも省電力
簡易なチェック方法ですが、ワットチェッカーを使用して消費電力を調べてみました。
PCを起動して操作してない時のHDDの消費電力が、約20w。SSDは約15wと5wの差。
そしてベンチマーク中を取得してみたら、HDDが28w。SSDが25wと約3wの差でした。
見た目上は、大きな差は無いですが、やはり省電力です。
しかし、HDDに比べてアクセス速度が速いのでアクセスする時間も短い!
なので、結構な差が出ると思います。
特にノートPCはバッテリーの持ち時間に影響するので助かるポイントです!
発熱も少なく、古いPCをお持ちの方は是非!
「インテル(R) SSD 540sシリーズ 480GB」速いです!
TLCですが、一般的な使い方をすれば、理論値ではデータ量の書き換え回数を一日20GB程度とみても10年程度持つという計算ができますので、それほど気にしなくてもいいのかなと思います。
多分、その前にパソコンが壊れているが時代について行けなくなってるでしょうから(笑)
規格の上限付近まで速度が出ているので、この使いにくいDELL端末があっという間に限界までパワーアップしてしまいました。
しかもコピーソフトの「Intel Data Migration Software」が優秀です。
何故か当方の環境では最新版のバージョン3.1は動きませんでしたが、バージョン2.0で問題なく動作するのでOKです。
こんなに簡単にできてしまったのが、ちょっと予想外でした。
HDDよりもSSDの容量が少ないので、ここで手こずるだろうなぁと想像していただけに、いい意味での拍子抜け感があります。
こんな簡単に交換出来てしまうので、初心者さんでもSSD換装出来ちゃいますね!
むしろ気をつけるべきは使用しているノートPCのHDD取り外しの手間の方です。
私が使用した「DELL Vostro 3300」はネジ2本外すだけでしたので特に簡単でしたが難しい機種もあります。
HDD換装方法については事前にネットで調べれば見つかることが多いです。
なので、一度調べてみて簡単で自分でもできるなと思われた方、是非実施してみて下さい。
生まれ変わったPC生活を体感出来ると思います。
Intel様、ZIOSOW様、素敵なプレゼントを体験させていただきありがとうございました!
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