前回掲載したAKG K702ですが、商品情報でケーブルが欠品していると記載されていましたので、何かケーブルを手配しなければと思っていました。
AKGの純正3mケーブルは3千円程度で入手出来るようなのですが、元々あまり評判の良いケーブルというわけではありませんので、もう少し金額を足せば他社製の気の利いたケーブルを買うことが出来るということを考えると、積極的に入手したいというものではありません。
結果論としては欠品の筈のケーブルはきちんと付属していましたので、この時点で純正ケーブルを手配しなかったのは大正解だった訳ですが…。
サードパーティー製の比較的安価なケーブルを探したところ、まず目にとまるのはBispa製とオヤイデ製です。ただ、今回は出来ればあまり金をかけたくなかったので、ポイントが貯まっているヨドバシカメラで買うつもりでしたから、ヨドバシカメラの取扱品目を見てほぼ自動的にオヤイデ製の方に定まっていた訳です。SENNHEISER HD650で使ったiHP-35S-XLRと同じFURUTECH製という選択肢もあったのですが、内容と価格のバランスを考えればオヤイデで良いかということです。
というわけで、通販で購入したところ、K702本体と同時に届きました。
K702の持ち味をむしろ引き出す
今回はソースの送り出し側を替えてみました。
USB-DAC24/192Xのライン出力をa6|2mに接続して、a6|2mのヘッドフォンアンプで鳴らすという形です。
a6|2mのヘッドフォンアンプは決して大した構造ではないのですが、何故かK702やHD650など、アンプにそこそこの駆動力を要求するようなヘッドフォンでも、まずまずの音で鳴らしてくれます。Windows 2000/XP環境が無いと初期化が出来ず使えない製品なので中古価値はほぼゼロなのですが、ハードウェアとしては不思議と良く出来た製品です。
K702標準添付のケーブルとの比較では、HPSC-X35にすることでまず解像感が向上します。標準状態でも低域方向はそこそこ締まっているという印象だったのですが、ベースラインの明瞭度が大幅に変わりました。ベースの音が何となく動いているという感覚だったものが、ベースをきちんと弾いているという印象に変化します。
そしてもう一つの大きな変化は高域方向の質感が向上するということです。純正ケーブルでもかなり細かい音まできちんと出ていたと思っていたのですが、例えばハイハットの金属感などが大きく向上します。これと比べてしまうと、純正ケーブルでは高域方向全体に余計な付帯音があったような気がしてしまうほどです。
USB-DAC24/192Xは、高域方向までかなり微細な音をきちんと描き出しながらも全体がソフトタッチという特徴的な音を持つのですが、そのUSB-DAC24/192Xの持ち味はこれまでに無くよく出るようになった気がします。この状態であれば高域方向の再生能力はHD650(+純正ケーブル)以上と言われて素直に納得出来るようになりました。
もっとも、K702ではリケーブルをしてもバランス接続で使うことは出来ませんし、HD650+iHP-35S-XLRの時のような圧倒的な変化が見られる訳ではありません。あくまでも基本的な音はそのままに、部分ごとの質が向上するというイメージです。そう考えるとケーブルに払える金額としてはギリギリ許容範囲かというのが個人的な感想です。
2~3万円でヘッドフォンを買って、ケーブル代に3万円かけるというのは個人的にどうも納得しがたいものがありますからね。それなら最初からその分をヘッドフォン本体にかけるべきだと思ってしまいますので。
-
購入金額
5,700円
-
購入日
2016年05月26日
-
購入場所
ヨドバシ・ドットコム
harmankardonさん
2016/05/27
私はリケーブルには3000円台が限界です.1000円程度で自作するのが楽しいです.
jive9821さん
2016/05/27
本当はHD650のバランスケーブルもこのシリーズのケーブルが買えれば良かったんですけどね。
ちなみに金額については文中にある通り、実際にはヨドバシカメラのポイントを使って買っています。実質的にはK702+このケーブルで1万円少々の支払いなので、金が無い状況でも買ってしまったという面も…。