ここ最近、SSDの価格は一気に下がりましたが、TLC NANDを採用したものが主流となりつつあります。TLCであっても通常用途であれば寿命などを気にするものではないとは思うのですが、同一プロセス且つ同一世代であると仮定すればMLC NANDの方が理屈の上では長寿命であることも事実です。
私の場合PCの使い方が極端で、使うPCは1年中殆ど電源を入れたままというものもあれば、使用頻度が低いものは月に1回使うかどうかであり、しかもこの使用頻度はPCの性能に比例するものでもなく、使い始めてみないと判らないものです。
というわけで、どのような使い方でもこなせるよう、性能はともかくMLCで使いつぶせるSSDを少し買っておこうと思っていました。しかも今まで使ったことが無い構成のものが理想ということで目を付けたのが、最近実売価格が並のTLCよりも下がっていた、SanDisk Z400sです。
このZ400sはコントローラーにSiliconMotion SM2246XTを採用しています。SiliconMotionコントローラーといえば、私が意外と気に入っているCrucial BX100などに搭載されているSM2246EMが広く使われていますが、SM2246XTはキャッシュ用のDRAMを必要としないという大きな違いがあります。つまり低価格化に貢献するわけです。ただ、一般的にコストを下げることと性能を犠牲にすることは等価であり、この構成でどこまで性能が保てるのかが注目点となります。
なお、SM2246XTは同じSanDisk製のSSD PLUSシリーズにも採用されています。構成としては似通っているのですが、SSD PLUSシリーズは同じNAND搭載量でも使用可能容量が少し減り、速度が少し向上しています。以前取り上げたExtreme PROとX300sの関係に近いのかもしれません。
想像よりは良い結果に
実は最近DRAMレスのMLC NAND搭載SSDを買って、悲惨なものを掴んでしまったことがあります。
これは書き込み時(特にランダム4K)の性能がかつてのプチフリ世代の製品と大差ないほどであり、とてもPCの中に内蔵させる気にならず、外付けケースに入れてUSBメモリー代わりにせざるを得ないと思うほどでした。
Transcend SSD 360Sは自社製コントローラーでしたが、Z400sは低価格帯のSSDコントローラーで実績のあるSiliconMotion製を載せている分、マシだろうとは思いますが…。
早速いつも通りベンチマークの結果です。ASUS P9X79の6Gbps対応ポートに接続した際の結果となります。
▲Crystal Disk Mark Nano Pico Edition
ランダム時がCrucial BX100と比較してやや弱いのですが、数字としてはさほど悪いものではありません。同系統のコントローラーだけあり、シーケンシャルリードの数字はほぼ互角ですね。
一線級の性能とはいえませんが、一昔前のMLC搭載モデルと比べて速度面で特に劣っているようには思えませんし、DRAMレスでここまでの速度を出せていれば十分高性能でしょう。
SiliconMotionコントローラーらしく、NANDの搭載量による速度の変化が激しい傾向は見られるようですが、少なくとも256GBモデルにおいては通常の使い方で速度に不満を感じることはなさそうです。購入価格とのバランスを考えれば十分お買い得と評して差し支えないでしょう。
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購入金額
6,980円
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購入日
2016年04月23日
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購入場所
NTT-Xストア
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