谷山浩子さんの曲に、初めて触れたのは、このアルバムには収録されていないのですが。

有名な「まっくら森の歌」です。

で、次にハマった曲が。

これまた、このアルバムには収録されていない「カントリーガール」なんですねｗ

じゃあ、なんで、このアルバムを谷山浩子さんの作品レビュー一個目に持ってきたのか？

それは、まあ、谷山浩子さんが自ら選んだベストアルバムである事と、谷山ワールド作品の中で、L2さんが三位以下の優劣を付けられない位に好きな曲たちが収録されているからです。

それは、どんな曲たちなのか、というと。

「あたしの恋人」の影法師のように、恋人に寄り添うような女性の、沈み込むような歌い方。

冒頭では、恋人は事故から帰還したと、歌っていますが、

段々と、それは本当なのかな？　無事だったのかな？

と、這い寄るような言葉の端々から、不安を感じるような。

或いは、実は、彼女の方が既に……。

とか、思ってしまうような、不思議な怖さがあって、好きです。

「真夜中の太陽」は、孤独という暗闇に対して、自分に言い聞かせる様に、奮い立たせる歌。

でも、元気づける長調ではなく、景気の良い言葉でも無く。

燃えろ、あたしの太陽。燃えろ、あたしの命。

自分自身を静かに、しかし、強く信じて、凍えてしまわぬように、と紡ぐ言葉で歌いあげています。

じわりと涙が滲んで来るような沁みる歌ですし、決して明るい曲では無く、耐え忍んでいる最中の独り言のような感もある、これを聴きながらは元気にはならないのですが、聴き終わると、「もう少し頑張ってみようかな」と思えます。

「あかり」は、作られた時期は随分と違いますが、「真夜中の太陽」に続くような歌です。

自分は空っぽだ、と落ち込んでいる人に、心を澄ましてみつめてごらん？

と語りかけるように始まり。

何もないと思っている、あなたの心の中には、あなたの思っているよりも大きく豊かな世界があるんだよ？

暗闇の中からでも、あなたは光の中に帰ってくる。

と、ぎゅっと手を引いてくれているような歌詞と、グッと盛り上がる曲調で、ホッとする所が好きですね。

「僕は帰る　きっと帰る」は、明るい曲調にテンポよく歌詞を乗せた軽快な曲です。

ふらふらと遊びまわっている内に、何だか遠いところに来ちゃったよ。

不思議な世界に迷い込んだかもしれない。

でも、君の所にきっと帰るからね。

という、歌です。

コミカルな歌かな、と思わせておいて、離れすぎて、自分が良く分からなくなっちゃった。

でも、魂だけになっても、時間を越えても、帰るからね。

と、不思議な展開に。

最後に、犬の鳴き声がして、これは、もしかしたら、

「愛犬が主人に、また、帰ってくるからね。永く遊びに出かけているだけだからね」

と最後の挨拶をしているのではないかな、とも思えました。

明るい曲なんですが、そういう解釈なんで、L2さんは、涙が出てきます。

でも、好き。

「しっぽのきもち」が、「僕は帰る　きっと帰る」に続いて収録されているから、上記の解釈になったのかなー、と思わなくもない。

そんな不思議な、曲です。

「なりたいものは、たくさんあるけれど。一番なりたいものは、あなたのしっぽ」

「好きという代わりに、しっぽがゆれるの」

大好きな人のしっぽになったら、一緒にどこへでも行けるのに。

という歌詞は、何となく、愛犬？愛猫？な目線かなと、思います。

微笑ましくて、ほっこりしますね。

以上が、二枚組アルバムである、「花とゆめ」一枚目で好きな曲たちです。

さよならのかわりに

約束

地上の星座

うさぎ

あたしの恋人

よその子

真夜中の太陽

すずかけ通り三丁目

NANUK

ピエレット

あかり

DESERT MOON

僕は帰る　きっと帰る

しっぽのきもち

おやすみ

テルーの唄

と、16曲入っていますので、好きな曲が結構な割合を占めますねｗ

で、二枚目の方にも、好きな曲がありまして。

もういいよと、言われそうですが、一曲だけですので、お付き合い下さいませｗ

「テングサの歌」

これは、

「紀勢本線各駅停車、南部の次の、岩代駅の、

人気（ひとけ）の無いホームの古いベンチの上に、

私は居るの～。

私テングサ、海から採れた、紫色よ、もじゃもじゃ髪よ」

と、コミカルな出だしで、歌の主人公もタイトル通りに「テングサ」なんですが。

続けて聴いていると、どうやら、人間がいなくなってしまったようで、電車も車も走っていないの。

と歌詞が続きます。

近い未来なのか、遠い未来なのか、駅が残っている程度の未来か、それとも、急に滅びたのか。

テングサ視点なので、説明なく、歌は進み。

「人間のいない、地球って、もぎたてトマトみたい」

で、締めくくられます。

不思議過ぎる曲ですが、何だか好きな曲です。

ちょっと、岩代と南部の駅を見に行きたくなりますｗ

二枚目の収録曲は

まもるくん

満月ポトフ―

冷たい水の中をきみと歩いていく

森へおいで

風のたてがみ

さよならDINO

第2の夢・骨の駅

鳥籠姫

電波塔の少年

終電座

テングサの歌

かおのえき

時の少女

カイの迷宮

催眠レインコート

素晴らしき紅マグロの世界

お昼寝宮・お散歩宮

の17曲。

「カイの迷宮」や、「終電座」も名曲ですし、好きなんですが、3位タイか？　と問われると、今回（次は何時だｗ）はランクインせず。

二枚目に入っている曲は、谷山浩子ワールド全開な感じなので、中々お勧めしにくいかもしれないですねー。

一曲目の「まもるくん」なんか、コミカルに歌ってますが、想像すると恐ろしいかも。

「第2の夢・骨の駅」は、歌詞からして、おどろおどろしい感じ。

と、異世界というか、妖異の世界かな。

ジャケットイラストは可愛いですが、良い意味で裏切ってくれているなあ、と私は思います。