CRYORIGと言えば「デカくて良く冷える」タイプのCPUクーラー作ってるメーカー・・・って印象が強い。
あと、PCパーツベンダに良くある「読み方が良くわからないメーカー」の一つでもある。
ちなみに、読み方はクライオリグだそうである。(調べて初めて知った模様)
そんなCRYORIG製品の中でも、最安値にしてサイドフロータイプでは最小なのが、こいつ。
パッケージの外観は、他のCRYORIG製品と同様に黒基調。
9㎝ファン採用ってのは、今時としちゃ割と珍しい。
製品の外観はこんな感じ。
構造自体は、一般的なサイドフロー・クーラーと何ら変わるところはない。
ただ、全体的に「ヒートシンクの歪みがほぼ皆無」であるとか、「ヒートパイプの端を隠すトップパネル」とかのお蔭で、パッと見の印象に高級感がある。
こちらは、同梱品一式。
左から、バックプレート、説明書・保障カード、予備ファンクリップ、Intel用リテンション金具・サーマルペースト・固定ネジ一式。
サーマルペーストは、CRYORIG製の中でも「塗りやすさ重視」とされる”CP15”が丸々一本付属と、割と太っ腹な仕様である。(単体購入価格が1500前後する)
ちなみに、M9iはIntel系専用なので、AMD用のリテンション金具は付属しない。
AMD用は「M9a」という型番なので、注意。
ファンを外した状態のヒートシンクは、こんな感じ。ファンから風を受ける部分のヒートシンクが、一段ごとに凸凹になっているのが、本製品最大の特徴。
吸入側のフィン密度を敢えて変えることで、わざと空気の密度を不揃いにし、フィンの間の空気流量を増やすよう設計されているらしいのだが、M9iでは入口部分以外のフィン密度に差が無いため、効果の程は疑問。
ちなみに、CRYORIGの他製品ではフィン密度やフィン形状からして前後で異なる設計とし、この効果を狙っている。
ヒートパイプの端を隠す、トップカバー。
エアフローの整流を目的としたスリットが開いているが、ここから漏れ出すエアは殆ど無いので飾り以上の意味は余り無さそう。
とはいえ、これが付いているだけで全体的に引き締まった印象を与えているのも確か。
付属ファンは最大2200rpmの9㎝-PWMファン。形状、性能共に一般的な9㎝ファンと何ら変わるところはない。
このように、CRYORIG製とはいえサイドフロー・クーラーとしては割と一般的な、ごく普通の製品というのが、M9iの印象である。
ただ、これが組み込む段になると少々閉口してしまうのだ。
マザーボードをケースから外した状態では特に問題にはならないのだが、問題なのは”ケースにマザーが付いた状態”で取付を行う場合である。
問題なのは、このバックプレートとボルトの固定。ボルトを止めているのが、取付穴にある小さなノッチだけなのだ。
これ、最初は「脱落防止」でしかないと思っていたのだが、実際には「組込時のリテンションプレート」の一時固定を兼ねている。
さきほどのバックプレートを挟んで、このようにリテンションプレートを固定(一般的にはこのプレートが左右に来るよう固定する。上方排気取付時のみ、この配置)するわけだが、このリテンションプレート、完全にさっきの「小さなノッチによる固定」だけで浮いてる状態。
無論あの程度の固定では、本体を取り付けたあとのネジ止め圧力なんかに耐えられる訳がなく、ケースにマザーが固定されている場合、本体固定のネジ止めをしようとすると「裏側にリテンションごと凹んでいく」のである。
ファンの真下にある、2㎝幅の金具部分にネジがあり、それをリテンションプレートにあるネジ穴へ挿し込んでネジを回す訳だが、このときにネジ穴合わせるだけで「リテンションプレートが下に下がる」くらい固定が弱い。
要するに、本体取付時にバックプレート側からボルトの頭を押さえていないと、ネジを回すことすら困難なのである。
よって、「クソ重いPC筐体を、クーラー本体が動かない程度の角度で固定しつつ、バックプレートを片手で押さえて片手で回す」という曲芸的な芸当をするか、ケースを横倒しする際にバックプレート窓に本でも当てがって「抜けを防止する」必要がある。
この部分、ボルト一本でなくスペーサーなどを使えばもっと簡単に出来た筈であり、コスト削減が完全に仇になっている恰好。
性能面では文句ない(TDP35WのCPUにてターボONし、OCCT15分で最大46℃)けども、この固定方式は正直頂けない。
この点を除けば満足度の高いクーラーなのだけど・・・・・
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購入金額
4,200円
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購入日
2015年12月05日
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購入場所
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