レビューメディア「ジグソー」

サテン織物の如く、繊細で輝く高音

レコード再生用フォノカートリッジ 次々出てきます....

1970年代に発売されたフォノカートリッジです 今回のはM-117E ですが M-117の楕円針バージョンです 音質的には高音に輝きが有り繊細な音質です 低音は上級機に比べると ソリッド感がやや少ない感じですね 

M-18Eなどと比較してスピーカーで聴くとボーカルのハッキリ感が少ない感じはします 高音はベリリウム銅の音質とも云える?のかその様な金属様な音はしますが、この繊細な音質には感嘆します Eが有る無しの音質は真剣に比較して聴いたわけでも無いのですが差が無いような感じはします (針はどちらも117の丸針) 

 

 

 

        左からM-117(所持1号) , M-117E , M-117 , 今回のM-117E(4号?)                  左2個はアーマチュアが壊れました 手持ちではあと数個あります 

 

                     

                                                               

 

            付いている針はM-117 用で、前部の針ホルダーが破損しています(というか壊した)    

 

下画はネット画像の正規の針ホルダー M-117用です 117Eは針色がグレーです 針ホルダーはカートリッジボディに、(本体側の磁石にホルダー鉄片が密着しますので)一体化していて、手のふらつきで針を押して沈み込み過ぎからアーマチュアが必要以上に押し込まれない構造です 薄いベリリウム銅箔製アーマチュアの押し込み過ぎの変形を防ぎます。  

 ボディはメラミン樹脂で硬いですが年数経つと脆くなるようです 力が加わるとパリッと割れます

 

 

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     117と117Eの差異 画像拡大できます (太田様のブログから引用しました)

 

●M―117, M―117E, M―117Xは、0.5ミル円針、0.2×0.8ミル楕円針、0.1×2.5ミルコニック針(シバタ針)と針先が異なるだけではありません。ボディーの発電部などもそれぞれ異なり、交換針はそれぞれ互換性がありますが、それぞれの組合わせが最良の結果が得られるような組合わせとして作られ、発売されています。交換針についても針先が異なるだけでなく、カンチレバーの形などもそれぞれ異なっています。  
●M―117 Xも4ch専用ではなくて、2chでもM―117 シリーズ中最良の結果が得られるものですから、御予算のゆるすかぎり高価機種をおすすめします。しかし最も低価格のM―117 でも、このカタログに述べられている総べての音質や品質を完全にそなえていますから、最もコストパーフォーマンスの高いものです。

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発電部の差異というのはコイルの巻き数に違いがあるのかも知れませんね 

 

 

徹底比較はしてないですが117,117Eと比較しても音質の違いは判りません(>_<)....違いはあるのでしょうが...針は同じですから..

                                           

 

 

レコード針が付いているカンチレバーcの根元の後ろ側から見た構造です bはテンションワイヤー(ベリリウム銅で針ホルダーのベリリウム銅箔と一体 、 aは支持体 、 p点でカンチレバーと支持体とテンションワイヤーが溶接されています(接着ではない) カンチレバーはこの支持体の前部にあるアーマチュアの山型で固定されます(圧着で完全固定ではないです) 支持体は支持片が出ていますのでその支持片とカンチレバーが溶接されています(画像では見えない 画像では下側)

 

サテンのカタログでは、従来のMMカートリッジのカンチレバーはゴムダンパーで支えているだけで、支持点が明確じゃないと書かれていました ですが、実際にサテンカートリッジのカンチレバーを見ると支持体aだけでは、カンチレバーを支持しきれないのです

それでテンションワイヤーで後ろに引っ張っていたというのが正解なんじゃないかと思います 

私も自作の交換針を数点作ってみましたが、支持体はゴムダンパーでも音質はそれほど変わりませんでした 変わったのはカンチレバーを太くしたものですね 低音が強く出ます

 bのテンションワイヤーとは実際はワイヤーではなくベリリウム銅箔をフォトエッチグした一体型の細長い金属版です カンチレバーは針ホルダーに収納されていて押せないようになっています 寸法的にかなりギリギリの設計ですね

                       

                                         

下画は針折れ品のカバーを剥がした状態です カンチレバーから工型のパターンに細い銅線様なものが繋がっていますが、これがテンションワイヤーです 

カンチレバー支持体 a , カンチレバー c とテンションワイヤー b は根元pで溶接されています p点の裏側(外側)にカンチレバーを支える突き出しがありカンチレバーと溶接されています カンチレバー支持体 a はハ字型で土台もベリリウム銅で一体成型されています 信じられない構造ですが支持体 a だけでカンチレバーを支持するのには強度に無理があり、テンションワイヤーで補強している様に思えます この支持体は指で触るとグラグラしますが、硬くてもダメ柔らかくてもダメで絶妙な動きを要求されますね カンチレバーを押すとテンションワイヤーが弛んで元に戻りません これの防止策で針ホルダーにカンチレバーを納めて針に触れないような構造になっています。

                  

         

 

   

 

 

針の茶色いのは針交換時のツマミです...針ホルダーは発電部のマグネットを利用してホルダーの鉄板を密着させています

                                                                       

                                

  レコード針(カートリッジ?)は盤面に対して23度が一番高調波歪が少ないとのことです

                                                                                        

 

 

 

 

 

 2016-3-30 追記 カンチレバー支持体の強度を増すためにテンションワイヤーを追加したのでは?

         カタログではそうは言ってないけど。   

更新: 2016/03/29
使用感

Eが付くと針だけでなく本体側も変更しているなんて芸が細かい

当時大手オーディオメーカー品などでは外装をちょっと変えて新型なんてやってましたが

サテンは内部まで手を入れてましたね 内部のコイル数を少なくしたんだと思います 軽量化で高音まで追従できますから。 なおアーマチュアやムービングアルミコイルはフォトエッチングを使って微細製造品を作ったようです。

 

顕微鏡観ながら1個1個手作りだったのでしょうね こういうの見るともうこういう製品は日本では製造できないでしょうね 神技の領域の製品ですね 

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

25人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • 退会したユーザーさん

    2018/05/09

    M117Eの針がオ-クションで手に入りました、117-NZです、輸出用の針です、
    40年ぶりに稼動・・・・・あれ!左側の高音が出ていません、本体をしばらくドライヤ-で温めました・・・・・む””””?
    40年間眠っていたんですね!目が覚めたようです、”良い音です”
    高音の伸びの良さが気持ちよいですね・・当時M117購入時に販売店よりおまけで頂いたエンパイヤの4000Ⅲも同時視聴・・これもすすばらしい音で鳴り出しました・・CD音に近い・・
    MC20・DL103などに魅了されていた頃の自分が懐かしく思います、
    ”サテン”こそアナログ音源を奏でる日本の技術だった、、かと・絶句!
  • タコシーさん

    2018/05/09

    関崎  榮さん 
    書き込みありがとう御座います
    SATINのカートリッジはダンパーレスと宣伝されていましたが発電コイルはどうしても
    ダンパーが必要なわけです ダンパーの代わりに白い軟らかいグリスが磁石の隙間に塗布されていましたね
    新しい時点では良かったのですが40年近く経過するとグリスが固まりコイルが稼動しなくなります 私もアルコールや除光液に浸しましたが復活しませんでした M-117やM-18BXなどはゴミに為っています 現時点で針無しのM-117Sを所持していますが針を交換しても高音が出ません コイルのグリスが硬くなっているんでしょう 後日ドライヤーで暖めてみます
    有益な情報ありがとう御座います。 

    若いときM-117で聴いた、あべ静江のレコードは最高でしたね 
    最近は耳も劣化しているのか当時の清澄感が感じられません 
    その点残念です... 
    でもSATINは精密過ぎる当時手作りで凄いものを作ったんだと思いますね

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