展示処分で安くなっていたのを見て、思わず衝動買いしてしまったD/Aコンバーターです。
入力ソースはデジタル(光/同軸)の他にUSBがあり、このUSBがXMOSチップによるAsynchronous転送をサポートしていて、24bit/192KHzまでをサポートします。
▲USB端子の上に「Asynchronous XMOS」とラベルが貼付されている
ちなみにこのモデルの先代はUSB-DAC 24/192という型番であり、このUSBコントローラーの部分だけが違っているらしいです。マイナーチェンジでXMOSコントローラーとなったことでUSB-DAC 24/192「X」という名称が付けられたようです。
この製品はオーディオ向けのD/Aコンバーターですが、特にPCからのUSB入力の性能に主眼が置かれているとのことです。最近のD/AコンバーターではUSB入力に対応するものも増えていますが、他のデジタル入力時と比べると音質が劣っているものが多く、この製品のようにUSBの方に主眼を置いた設計は割合珍しいといえます。
解像度が高いのにソフトな不思議な音
夜間の試聴ということで、実際の用途と思われるCDプレイヤーと接続してスピーカーでの試聴はできませんでしたので、PCからのUSB入力で何曲かを聴いてみました。
私の所有するUSB-DAC機能を備えた機器としては、LUXMAN DA-100やRATOC RAL-DSDHA2などがありますが、これらはある程度の品質を持ったヘッドフォンアンプを内蔵しているのに対して、LINDEMANN USB-DAC 24/192Xは出力がアナログライン出力の1系統のみであり、単品の高音質ヘッドフォンアンプを所有していない私の環境では直接的な比較が出来ません。
そこで仕方なく、以前Digital Audio Labs Card Deluxeからのアナログ出力をヘッドフォンで鳴らす場合に使っていたemagic emi 6|2mに一度入力して、ここからヘッドフォンで聴くという形にしました。
まず一聴して気付くのは、同じUSB接続でもDA-100のような分解能の低さは全く感じられず、極めて繊細な部分までをきちんと再生しているということです。
CardDeluxeはどちらかというとモニターライクで、硬質にまとまった印象があるのですが、USB-DAC 24/192Xはかなり微細な部分まできちんと表現していながらも、タッチはソフトなのです。解像度や質感を保ちつつもソフトな感触というのは、これまでなかなか体験したことの無い音です。
いつもの試聴ソースをいくつか試してみましたが、まず「Get Lucky / Daft Punk feat. Pharrell Williams」はキレのあるハイハットが、少し角が取れた丸みのある感じにはなるのですが、だからといって甘い音ではなく透明感も素晴らしいものがあります。
そして「Vivaldi Vs. Vertigo / David Garrett」ではヴァイオリンの音は刺さってくるような鋭さは無く、響きの美しさが目立ちますが、それでいて低域方向のはきちんと引き締まっています。
さらに「Now / Chicago」ではハイハットの細かさはとにかく見事という感じですが、それでいて刺激的な感触は全く受けずあくまでソフトタッチです。
総じていえるのは、決してフォーカスがぼけたような甘い音ではないのですが、一つ一つの音のタッチがソフトというかなり独特なサウンドということです。ただ、USB接続でこれ程微細な表現が出来るUSB DACはなかなか多くはありません。少なくともUSB接続で使う限りはDA-100よりは断然こちらが高音質です。
今回はファーストインプレッションということであまり多くの条件では試していませんが、購入価格からすれば極めて高い水準の音質を持った製品ということができます。通常価格であれば敢えて購入する製品ではないかもしれませんが、今回の価格であれば文句なしの出来です。
なお、今回入手したUSB-DAC 24/192Xは前期モデルで、ファームウェアの都合上Windows8には非対応とのことです。処分されていたのはこの辺りに原因があるのでしょう。
-
購入金額
29,800円
-
購入日
2015年09月25日
-
購入場所
ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。