先日CD盤の「ラブライブ! μ's Best Album Best Live! collection 【Blu-ray Disc付 通常盤】 」をモチモノ登録しましたが、これはハイレゾ配信版と音質比較してみようという意図で用意したという意味合いもあります。
ラブライブ!の楽曲は元々ハイレゾ配信を早くから行っていたのですが、先日アニメ分野としては初の32bit(integer)/96KHzのWAV配信を開始したということで、その音源を聴いてみたいと思っていたのです。
とはいえ、私の再生環境はすべて24bit止まりで、32bitを直接完全に再生することは出来ないのですが…。
確かにハイレゾの良さはある。が…
まずはCD盤と32bit/96KHzの配信ファイルを比較してみます。今回は余計なソフトウェア処理が入らないよう、LUXMAN DA-100をUSB接続してLUXMAN Audio Playerから再生してみました。本当はCard Deluxeからのデジタル出力をDA-100に入れた方が音質は良くなるのですが…。
なお、試聴用のヘッドフォンはSENNHEISER HD650を利用しています。
まず最初の1音を聴いただけで、両者には明確な差があります。これは単にCD側の音が悪すぎるのです。特にアイドル系のJ-POPにありがちな、殆どの音が歪んでしまうぐらいの音量がたたき込まれているのですから当然ですが…。
楽器の音も一音毎にまるで質感が違いますし、CD盤では全く分解していないと書いたヴォーカルについても、同時に歌っている人数が把握できる程度には分解しています。これだけを見れば純粋に「ハイレゾ=高音質」の図式は成り立ちます。
しかし、CD盤の方のレビューでも書いた通り、これがハイレゾの恩恵なのかという点はかなり疑問が残ります。そこで今度は32bit/96KHzをコンバートした16bit/48KHzのファイルを再生してみます。ちなみに敢えてサンプリング周波数を44.1KHzにしなかったのは、倍数同士のサンプリング周波数変換では音色の変化は少ないのですが、これを無視して変換すると音色の傾向自体が変わってしまうこともあるためです。
その16bit/48KHzの音質ですが、結論から言ってしまえば明らかに32bit/96KHzの方に近い音になります。確かに僅かな空気感やヴォーカルの子音の質感など、所々32bit/96KHzよりは落ちるかなという部分もあるのですが、ハイレゾ音源の持っていた音質の95%はきちんと再現できているのではないでしょうか。少なくともCDとは比較にならないぐらいにまともな音です。16bit/44.1KHzと16bit/48KHzとではそれほど極端に情報量が変わるわけではないのですが…。
つまりCDとハイレゾ配信の音質の違いはファイルフォーマットの違いなどではなく、マスター音源の出来の違いということが、これで裏付けられていると考えられます。そもそも、ハイレゾの情報量を必要とするほどきちんと録音時の音質が確保されているとも思えませんし…。
ちなみに24bit/96KHzと32bit/96KHzの音質差ですが、元々32bitで再生できる機材ではありませんので、どのみち24bit相当で再生されているわけで、完全に同じとも言い切れないもののほぼ同次元の音質と評して差し支えないでしょう。むしろ先に24bit/96Khzに変換しておいたファイルを再生した方が、少し重心が下がって感じられるほどです。
というわけで、32bit(Integer)/96KHzというフォーマット自体の意義は、私の環境では見いだせませんでしたが、マスターの音質が改善されている分、この曲をより良い音質で聴きたいという人には意味のある存在ではないでしょうか。価格も24bit/96KHzのWAVやFLACと同じですし。4分19秒の楽曲で約189MBにも膨らむファイルサイズをどう考えるかは別として…。
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購入金額
432円
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購入日
2015年09月12日
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購入場所
e-onkyo
退会したユーザーさん
2015/09/13
色々と追いついていないと野村ケンジさんがこの前行った佐咲紗花さんの
ハイレゾ試聴会で仰ってましたね(笑)
現状のハイレゾでも自分には十分なんですけれどねぇ・・・・・・
jive9821さん
2015/09/13
一般的に普及しているハイレゾ対応DACなども、まだ殆どが24bit/192KHz辺りまでの対応ですからね。しかも24bit→32bitの拡張が劇的な音質の向上に繋がるわけではありませんし、なかなか対応環境は普及しにくいかも知れません。
もう一つの問題としては、規格上32bit/192KHzに対応していたとしても、アナログ側も含めてそれに見合うだけの音質面でのクオリティーを確保できるかという問題もあります。
SONYのWALKMAN NW-A10系などはハイレゾにこだわった結果として質的にも向上したという好例ですが、規格上対応していても出てくる音はそれに見合っていないという機器も少なからずありますし。
この曲なども、ハイレゾにしなくてもより良い音に出来る筈ですし、あとからリマスターを繰り返して音が良くなったというくらいなら最初からきちんとマスタリングしてくれ、というのが本音です…。