パッチコです。今回はASUS ZenPad 8.0 S。世界で最もタブレットやAndroid端末を販売した会社が送り出す、120%本気のタブレットです。今まであったAndroid端末はどことなく不安定なイメージで、世界的なシェアを見ると総出荷台数ではトップであるものの、日本においてはAppleがほぼ独占的にシェアを押さえています。今回のZenPadはiPadの市場を強く意識し、日本でのマーケットの再転換、最終的には世界シェアを取り戻すべくAsusの「本気度」が見える製品に仕上がっています。
今回はAsusのZenpadの体験会に当選しましたので、夏の暑い夜に熱気ムンムンのZenpad先行体験会に行ってきました。
ZenFone/ASUS ZenPad 先行体験会
2015/08/6 19:00−20:00
ASUSでは度々このようなイベントが開催されるのですが、今まででも最大規模のWEBブロガー、SNSユーザの為のイベントとなりました。
総勢85名にZenfone2 Laser,Zenpad S 8.0,Zenpad 8.0を貸与し、規定の回数レビューを公開すればそのまま製品を貰えるという、かなり太っ腹なイベントです。
ZenPad共通の機能、特徴について
今回の新製品はMemopad8の後継製品にあたり、一つ上の「禅」の冠にふさわしくリッチなデザイン、高品質なサウンド、動画最適化されたグラフィック。且つ、ASUS製品の魅力である低価格。
・製品のコンセプトは4つの柱。
- ファッション性を重視したコンセプトデザイン
- リッチなグラフィック、動画描画能力
- 映画館のような空間演出を提供できるサウンド性能
- 用途別に選べる豊富なオプション
・ファッション性を重視したコンセプトデザイン
おしゃれなクラッチバックをイメージさせる美しいデザインです。特に通勤時など人目につく場所での利用が増えてきた現代ではファッション性も重要なファクターとなっています。
Zenpad8.0と8.0Sでは異なるデザインとなっております。
・リッチなグラフィック、動画描画能力
Asus VisualMasterテクノロジにより、静止画像だけではなく動画なども適切に最適化して、メリハリのある画質を再現できます。
ASUS Tru2Life Technology
アンチブレアやスムージングの機能により、なめらかな動画を再現
TruVivid Technology
カラー補正を行いビビッドなカラーに再調整。
ブルーライト軽減フィルター
ブルーライトを軽減する機能をハード的に再現。自分でフィルムを貼らなくても目に優しいモードを持っています。これは便利。
・映画館のような空間演出を提供できるサウンド性能
映画館でも採用されているDTSの機能を内蔵しているので、音声も迫力が違います。
・ZenUIを搭載
ZenUIはASUS独自のユーザインターフェース。
具体的なところは後述します。
・用途別に選べる豊富なオプション
Zenpadシリーズでは4つの製品グループがあり、サイズに応じて用途別のオプションが用意されました。
ZenPad S8.0 はZ Stylus とZenClutchがオプション
また、ZenPad8.0(Sを除く)にはスペシャルなオプションがあります。
残念ながら形状違いでZenpad S8.0には利用できません。ぜひ発売してほしかった。
- パワーケース(発売未定 6時間+)未発表
ハードケースにバッテリーを内蔵したもの。純正品でバッテリーをケースに内蔵したものは珍しいですね。しかもデザインが綺麗。
- Audio Cover
独立した複数のスピーカーをカバーに内蔵してしまったという、純正パーツとしては、これまた史上初かもしれません。スタンド機能もちゃんとあります。残念なことにバッテリー駆動時間は6時間程度まで落ちてしまうそうです。
日本発売はまだ未定。
ZenPad S 8.0 のレビュー
筆者はZenpad S 8.0の提供を受けましたので、それぞれの機能について紹介していきます。
今回提供を受けたZenPad S 8.0 のパッケージ。日本ではこのパッケージでは販売されない。
(Z Stylusが別売の為だそうです)ある意味プレミアム品
日本ではこのように発売されると思います。
Z Stylus
今までたくさんのスタイラス付き製品を使用してきましたが、従来のタブレットとは異次元の精度をもつスタイラスがオプションで購入できます。
Z Stylusは別売ですが、ほぼ必需品といってもいいと思います。
重量感がしっかりあるペンです。
ボタンは2ボタン。ボタンとボタンの間にランプが付いています。
これはいつ点くのかな?
単6電池というちょっとマイナーな電池を使います。
ZenClutch
ZenClutch はその名の通り、ZenPadをクラッチバックのようにしてしまうカバーです。
今回試用中の製品はホワイト。パッケージから何から何まで白。
内側も全て白。 白が好きなユーザはこれは外せないかも?
上品な仕上がりで、本当にクラッチバックのような美しさ。
ケースとしては左右開きというのが珍しい。
Z Stylusも装着できるようになっている。
今回提供を受けたのは白。今までになかったくらいまばゆい白で、質感、手触りもグッドです。
表面は皮のような加工がされており、材質はポリウレタン、ポリカーボネート製です。滑り止めの効果もありそうです。
左右開きになっていて、サスペンド機能も対応しています。右側の短いフリップにマグネットが入っていて、正確にサスペンドが行われるのは嬉しい。サードパーティのタイプはサスペンドが誤動作が多く、気がつくと電池がなくなっているということがたまに発生していたので、安心感があります。
ケースに入れてしまうと、ボタンが少々押しにくいですね。ダブルタップで起動など、操作系がZenUIにより改善しているので、気にならないことかもしれません。筆者はボタンによるハードコピーをよく使うので、何か別の方法を考えたほうがいいかも。
ただ、正直汚れやすい(もしくは塗装剥がれ)かもしれません。カバーはハードに使ってナンボなので、汚れが落ちやすい加工か、汚れの目立たないカラーのラインナップがあってもいいかも。個人的には赤い色やパステルカラーなどあってもいいかなあ。
また、ペンホルダーはZ Stylusをはめるには若干窮屈。バンドが伸びてくる可能性はありますが、サッと取り出して書くには止めにくい感じです。
今までにない美しいデザイン。純正オプションでのこのこだわりは良い。
USB-TypeCの採用
上からmicroUSB,USB-TypeC,Lightning
今までのmicroUSBは向きがあるので、差し込みがうまくいかないことが多かったですが、TypeCにすることでLightning同様に差し込みやすくなりました。また、Lightningよりも太くしっかりした作りなので、耐久性は上がっているかもしれません。業界的にも独自規格ではないので、将来的にはこれ一本となりそうな予感。
ただし、筆者の場合にはこれが初めてのTypeCになるため、自宅ではまだ電源Hubなどが揃っていないので面倒な感じになっています。実質的に3種類のケーブルを用意しておかないといけないので、早いところ統合されて欲しいかも。
Zen-UI
ZenシリーズにはオリジナルのUIを実装しています。そんなに極端な動作変更ではありませんが、シンプルかつポイントを押さえた機能が良いです。
Lilipopからスリープ画面をダブルタップでスリープ解除できるようになりましたが、
ZenMotionはさらに6つのジェスチャーでアプリを起動できるようになりました。
Google検索への切り替えはホームボタンを上にスワイプします。
設定画面が空白部分を長押し、もしくは通知バーを2回スワイプして設定。
また、スタイラスと連携したメニューが実装されています。
ペンから選択できるメニュー。ホバリング状態からペン先側のボタンをクリック。
慣れるまでは少しコツが必要かも。
InstantPageはより直感的にスタイラスをつかえます。
ペンのメニューから呼び出せるInstantPageを使うと画面に直接記入ができる。
メモを書いて保管したり、部分的に切り取ったり。簡単な画像編集などができるので、ブログ用の差し込みなど簡単に作れます。
Zen-UIに標準で付いてくるスケジューラ
スタイラスの用途でまず思い浮かべるのはメモ書きや絵を描くなど。筆者の場合は絵心が全くないので、メインの用途は手書きメモ。ペンの良し悪しで悪筆が出たりしますが、これは完成度が高いです。欲を書けば、お絵描き系のソフトをバンドルして欲しかったです。
画面メモは標準になってほしい機能の一つ。
付属ソフトの性能で全然変わってきますが、これはかなり良い出来。
提供を受けた製品と実際に発売されるモデルとの差異について
・4GBメモリ/64GBモデルは日本未発売
・Z Stylus は別売
メモリ4GBで64GBストレージモデルは日本では提供されないようです。モデル数を増やしすぎたくないとか、価格を抑えたいとか色々な思惑はありそうです。個人的には多少高くても加えて欲しいですね。私の用途(メインは動画)には最適ですもの。
ただ、microSDカードスロットも持っているので、SDXCと組み合わせればさらに64GBとか使えるので、32GBとかでも十分いけます。個人所有のNexus7,Nexus9はSDカードが挿せないので、ストレージ量は圧倒的にZenpadの勝ち。
また、Z StylusはないとS8.0の良さは全くなくなるので、ペンを使わない人はSでない8.0のほうが幸せです。正直セット売りでいいと思うんですけどね。
実際に使ってみた。
通勤等
8インチというサイズに4:3の画面構成。通勤では本体が軽いのがすごく助かる。
筆者は撮りためた録画や自炊のコミックなど通勤時間を使って消費しています。とくに重点的に使用しているアプリをいくつか紹介します。パッチコ的利用に最適なアプリはほぼ全て正常に動作しました。他社のAndroidタブレットにない性能を発揮し、これに慣れてしまうと他社にはいけないなあと痛感。中でも有用なものを紹介しておきます。
・MX Player PRO
動画は圧倒的にこれ。HW+のエンコーダも使えます。
動画にも効果がはっきりわかるVisualMaster
アニメーションのブラーを軽減するASUS Tru2Life Technologyやカラー補正を行うTruVivid Technologyで今までにないヌルサク感のある動画再生を楽しめます。mpeg等の再生をハードに頼っている部分に効果がありそうです。作品によっては演出が変わってしまうかも。
・Perfect Viewer
画面サイズが4:3なので、コミックはほぼいっぱいに開けます。
自炊系なので、カットの関係で若干端が切れてしまいますが。
・ES ファイルエクスプローラ
動画、音楽、コミックを転送するにはこれ。
キャプチャーデータをサーバに渡すのもこれ。
ESファイルエクスプローラはAndroid端末のデータ移動はもとより、Windowsの共有フォルダやFTPなど様々な方法でデータを移動できます。タブレットで取得したスクリーンショットをWindowsの共有フォルダに入れたり、逆にサーバにあるデータをタブレットに移したりできます。これは殿堂入りですね。
・Chrome リモートデスクトップ
もはや切っても切れないChromeRemoteDesktop。
MACもWindowsもGoogle認証ベースでリモートデスクトップできます。
・Antutu Benchmark
AntutuベンチはAndroid端末の標準的なベンチですね。
私所有のAndroidではトップの値。
相当に上位に割り込みました。Zenfone2の凄さが目に付きます。
Antutuベンチマークは、プリインストールでも入っているようで、バージョンによって結果やテスト内容が異なります。
あえてZenClutchではないケースを購入してみました。
パッチコなら赤よねってことで、白さを維持できないのも相まって購入。
思いの外左右開きよりもいいことがいっぱいです。
赤いケースを購入。三つ折りタイプです。
サードパーティ製ケースはまだまだバリエーションが少ないですが、三つ折りタイプ(風呂蓋型)はもう安定レベルで提供されるようになりました。塗膜面もしっかりしていて気楽に使えるのがいい。
片開きの恩恵は再度スイッチが押しやすいこと。ハードコピーなどでよく使う。タスク切り替えボタンはHoneyComb以降、ソフトウェアボタンになったため、画面上の長押しで取れるスクリーンショットにボタンが写り込んでしまうので、ハードウェアボタンは重要です。
細かい事ですが、最近電車等で画面ハードコピーを取っている人が大音量でシャッター音出してますよね。あれってどうなのでしょう?男の人がそんな事やったら、痴漢とか思われますよ。IPHONEはアプリ入れないとシャッター音は消せませんね。ZenPadは音量で下げられますよ。これだけでも私はアリかなあって思うんですよね。
片開きの恩恵はハードボタンが押しやすいこと。
これで風呂ぶた自身がマグネットになって取り外せれば申し分ないのですが、1000円前後の価格でそれは無理。またこのタイプではスタイラスホルダーもありません。加工すればできそうですね。
ただ実用重視で美しさが物足りない。希望の色があるのならやっぱりZenClutchをお勧めしたい。あなたならどれを選びますか?
改善要望:
・新ZenPad3機種は事実上別物
Zenpad8.0、ZenpadS8.0、Zenpad10のそれぞれのオプションが相互に利用できないので、ネーミングはもっと分けたほうがいいと思います。特に8.0とS8.0は紛らわしいので、思い切って、Zenpad PenTAB と Zenpad LTE, 等しっかり名前をつけておいたほうがオプションのミス発注など減りそうです。
・S8.0のバックカバーを共通パーツにして欲しい
うまくいけば、S8.0と8.0のバッテリーケースやサウンドカバーは共有できたのではないでしょうか。ZenClutchはこれはこれですごくいいのですが、8.0にもあってもいいかなあと思います。
・ZenClutchの表面加工をもっと高耐久にして欲しい。
仕方がない面もあるのですが、ラバー部分の塗装は耐久度が一段落ちます。当初汚れかと思っていた部分は白塗装の剥げっぽい。下地の色とは多少違うので、やや目立つのが気になってきます。
まとめ
今までたくさんのAndroid端末を利用してきましたが、キャリアを含めて全市場を制覇するだけのパフォーマンスを持っている製品となります。今まで使用した端末と比べても、相当に高い能力。合わせてZen-UIで拡張されたUIに高精度のスタイラス機能。
左からXperiaZL2, Nexus7, ZenPad S 8.0, VIVO Tab Note8, Nexus9
他にもたくさんありますが、最近のメインはこれらです。
では今回Zenpadシリーズの中ではどのモデルを選ぶかという事では、8.0サイズを考えると、LTEを取るかスタイラスを取るかという事になるでしょう。
従来ではLTEを含むいわゆるキャリア向け製品は非常に価格が高価でしたが、驚くことにVoLTE対応機器でも3万円を切ってくる価格帯になっています。ZenPad S 8.0はWi-Fi版のみとなっており、3G版やLTE版は用意されない。ここのところは欲張りな全部入りというモデルがないので、Sではない8.0の良さはLTEに対応していたり、サウンドカバーやバッテリーカバーなど攻めに攻めたオプションがあります。スタイラスがあることでS8.0はさらに進んだ画像編集などができますので、どちらを選ぶかは用途次第です。
個人的にはLTEはiPhoneが担ってくれているのもあり、Sが最善という事になります。CPUも好パフォーマンスですし、十分に使える端末だと思います。特に動画、漫画の再生にはベストです。
正直、今通勤で使っているタブレットはZenPadS8.0一本になってしまいました。Nexus7,VivoTabNote8、Nexus9はお役御免になってしまいそう。。
明日以降下期の始まりですが、通勤が楽しくなりそうなタブレットでした。
独自カスタマイズはプラス面を生み出した
今まではGoogleのリファレンスモデルを選ぶ傾向が多かったのですが、今回のZenUIやVisualMasterなど、ASUS独自のカスタマイズは非常に好評価。
別売なのが残念ですが、Z Stylusの精度も今までで最強。
至れり尽くせりのこの端末はタブレットサイズのAndroidでは最強と言っても過言ではないでしょう。
今後、Android M(マシュマロ)へのバージョンアップもあるでしょう。
0.1点の残念なところは、LTEモデルも出して欲しかったというところでしょうか。私の用途だったらSではない8.0もアリかもしれませんね。
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購入金額
0円
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購入日
2015年08月12日
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購入場所
ASUS
syabさん
2015/09/01
ありがとうございます。
1つ、質問があります。
ASUS VIVO TAB NOTE8のスタイラスはS8.0では使えるのでしょうか?
パッチコさん
2015/09/01
ありがとうございます。
VivoTab Note8のスタイラスは電池非搭載のタイプ(ワコム式)になるので、相互互換性はありません。
VivotabのスタイラスはGALAXYNOTE(初代)と同じタイプですね。
もしかするとENCHANTMOONのスタイラスと同じかもしれません。
精度はZ Stylusが圧倒的に高いですね。
syabさん
2015/09/01
実はvivo tabを持っていますので、とりあえずZstylusを買わなくてもペン操作ができないかと考えておりました。
これで、気持ちよくs8.0が買えます。Zstylusも一緒に。
パッチコさん
2015/09/02
VivoTabNote8は精度悪かったですね。あれもどうにも改善しないの言うのがあり、今回のを試したところ、あれはなんだったんだろうっと思ってます。
もちろん電池式なので、それはそれの弊害もあるんですけどねー。