レビューメディア「ジグソー」

現代的に進化した定番標準レンズ

Canon EOSシリーズ向けのEFレンズとしては最廉価だった純正レンズ、EF50mm F1.8 IIですが、フィルムカメラのEOS時代からあった超ロングセラーレンズでした。

 

 

 

レンズキットでEOSシリーズを初めて手にしたユーザーが、単焦点レンズに興味が出たときに最初に入手を薦められるレンズでもありました。実売価格1万円前後という安価さでありながら、単焦点の標準画角レンズとしての長所・短所を存分に味わえるところがその最大の魅力でしたからね。

 

もっとも、デジタルの光学センサーよりは随分精細さでは劣っていたフィルム時代のレンズであるだけに、最新のデジタルカメラで使うと解像度の甘さなど気になる部分も出始めていました。それが約25年も続いたこの製品が、今になってモデルチェンジされた最大の理由でしょう。

 

 

この名作EF50mm F1.8 IIを引き継いだ新製品が、今回取り上げるEF50mm F1.8 STMです。

 

 

 

地元の家電量販店の閉店セールで入手してきた品です。

 

 

今回は手持ちのEOSシリーズとしては最もセンサーが新しく高精細な、EOS M3にマウント変換アダプターEF-EOS Mを組み合わせて画質比較を行ってみました。

 

 

 

 

 

 

更新: 2016/05/22
画質

ずば抜けた部分は無いが進歩は見られる

それでは実際に両方のレンズで同じ被写体を撮影した結果を見てみましょう。

 

 

まずはプログラムAEで1/500 F7.1 ISO100という値が出ましたので、この条件で撮影したものです。

 

なお、各作例はEOS M3のJPEGで撮影したものを、1辺40%ずつにリサイズのみしたものです。

 

 

▲EF50mm F1.8 STM
▲EF50mm F1.8 STM

 

 

▲EF50mm F1.8 II
▲EF50mm F1.8 II

 

 

 

三脚などを立てていないので、画角が変わってしまっていますので参考程度にしかなりませんが…。EF50mm F1.8 IIの方は特に周辺部で背景のボケが結構流れてしまっているのがおわかりいただけるでしょうか。EF50mm F1.8 STMの方はこれといって特徴の無い描写です。素晴らしく綺麗という訳ではありませんが、画面の大体の部分で程々の描写をしています。

 

 

次に絞りを開いた状態です。今日の天気でNDフィルター無しでは絞りを完全に開放することが出来ませんでしたので、F2.8で揃えています。

 

 

 

▲EF50mm F1.8 STM
▲EF50mm F1.8 STM

 

 

 

▲EF50mm F1.8 II
▲EF50mm F1.8 II

 

 

 

枝の描写などを見比べると、EF50mm F1.8 IIの方はあまり解像感がありませんね。中央の花については結構良いのですが、その周辺部に甘さが出る辺りが古さを表してしまっています。

 

 

いずれの場合にも共通して言えるのは、EF50mm F1.8 STMの方が画面全域を平均的かつ無難に描写して見せているということでしょうか。もっとも、これは光学特性上は新型が素直に上回っているという結論で良いのでしょうが、EF50mm F1.8 IIの愛好家にはこのオールドレンズ的な描写が面白いという意見を持つ人も少なくはありません。そのような視点で見ればEF50mm F1.8 STMは面白みに欠けるという感想を持つ方もいらっしゃるかも知れません。

 

当然ながら、入門レンズとしてはより素直な描写となるEF50mm F1.8 STMの方が進化したと言えるでしょう。より万人向けとなったというべきでしょうか。

更新: 2016/05/22
総評

より万能型へと進化した

それでは画質以外の点についても少し比較しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、上から見るとデザイン面では随分変わったということが判ります。EF50mm F1.8 IIの方は外周部の色がフィルム時代のEOSに合わせたツヤありのブラックですが、EF50mm F1.8 STMはつや消しのダークグレーという印象です。これはどちらが良いという話ではありませんが、フィルム時代からのユーザーとしてはEF50mm F1.8 IIの方がしっくりきます。なお、フィルター径もEF50mm F1.8 IIの52mmからEF50mm F1.8 STMでは49mmに変更されています。

 

 

そして横から見るとかなり違いがあることが判ります。どちらも距離計などは持っていませんが、EF50mm F1.8 STMはマニュアルフォーカス時に使うフォーカスリングが他のレンズとほぼ同等の配置や太さとなったため、大幅に回しやすくなっています。さらに写真では前後共にキャップをしているため判りませんが、マウント部もEF50mm F1.8 IIではプラスチック製だったものが、EF50mm F1.8 STMでは金属製となりました。メーカー公式発表ではどちらでも耐久性に差は付かないと説明されていますが、強度などを考えても金属製の方が好ましいことは間違いありません。

 

 

この両機種は実売価格で2倍近い開きがありますが、それに見合う程度の物量は使われているという印象があり、特にコストパフォーマンスが悪くなったなどという感想は持ちませんでした。前作の弱点を解消する部分が多く完成度は高くなっていますが、先代のようなはっきりとしたキャラクターがある訳では無く、面白みがあまりないというのが唯一にして最大の欠点かも知れません。

 

  • 購入金額

    12,520円

  • 購入日

    2016年04月22日

  • 購入場所

    コジマ

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