Mini-ITXマザーボードでゲーミングPCを組もうとした時に悩んだのがサウンド機能の取り扱いであった。1本しかない拡張スロットにビデオカードを搭載すれば、サウンド機能はオンボードに頼らざるを得ない。これまではCreativeのサウンドカードを使ってきたので、いまさらカニチップ(Realtek)というのは相当な抵抗感があった。
そういうことで、オンボードであってもそれなりの音質を期待したいと思い、音質重視を謳うマザーボードを選んだのだが、当然ながらサウンドカードの性能には及ぶはずもなく・・・。
このZ97I GAMING ACというモデルには、USB端子へ供給する5V電源をUSBコントローラチップを通さずATX電源から直接生成することができる「USBオーディオ・パワー」という機能が搭載されている。USB DACなどの外部デバイスに安定した動作を提供する機能であり、USB DACの使用を前提とした設計がなされているのだ。
以前からUSB DACは気になっていたので、今回が良いきっかけになったものの、いざ選び始めると種類が豊富で何を基準にすれば良いものかと悩んでしまった。
USB DACというと、オーディオ機器をPC周辺機器寄りにしたものといえるのだろうが、ONKYOのようにオーディオ機器メーカー製のものもあれば、CreativeやASUSのようにPC機器メーカー製のものもある。ここは感覚的にオーディオ機器メーカー製のものを、その他に価格は1.5万円程度、小振りなサイズ、3.5mmステレオミニジャックに対応しているという条件で選択したのが、このAudinstの“HUD-mini”であった。
オーディオ機器メーカー製とPC機器メーカー製のものとの違いについてだが、PC機器メーカー製のものはゲームプレイ用、つまりはヘッドセット使用を前提に設計されているため、安価であってもマイク入力端子が用意されている製品が多い。
“HUD-mini”は、上位機種のHUD-mx1が性能はそれほど変わらずにコンパクトになったコストパフォーマンスが高いモデルといわれている。USBケーブルでPCと接続すればバスパワー駆動ですぐに使用できる手軽さが良い。最大の特徴は、オペアンプが交換可能で好みの音質にカスタマイズできる点だ。
付属品は、USBケーブル、RCAケーブル、マニュアル、本体固定用のゴム足。
サイズは、100(W) x 75(D) x 22(H) mmで手のひらに乗るほど大きさ。コンパクトなのでノートPCで使うのも良いかもしれない。金属素材でシンプルなデザインの外装は質感が良く好感が持てる。
フロントには、ステレオ標準・ステレオミニ出力、ヘッドフォン/ライン出力の切替スイッチ、ボリューム。ボリュームはヘッドフォン出力のみに対応している。
リアには、ライン出力、光デジタル出力、USBポート。
スピーカー接続用にaudio-technicaの“AT-DV64A/1.3”を合わせて購入しておいた。サウンドカードを使用していた頃にはヘッドフォンとスピーカーの切り替えが面倒であったので、フロント部の出力切替えスイッチは地味にありがたい。
さて、使用感だが、オンボードの音質とは明確に違いがある。オンボードであった音の篭りがなくなり、音に伸びと響きが出て、音場の広がりが感じられるようになった。たった1万円程度でこれだけの効果が得られるのであれば、効果十分といえる。そのうちにオペアンプの交換にもチャレンジしてみようと思う。
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購入金額
10,778円
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購入日
2014年11月22日
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購入場所
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