所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。年月は人を変えます。熱いとんがった少年もスマートな青年に(そのあとは○○した中年に?ww)、欲望丸出しの若さから匂い立つセクシーさへ...叫ぶような独特な歌でデビューしたバンドがスマートなJ-POPバンドへと変遷する過程で昇った階段ともいうべき作品をご紹介します。
FLYING KIDS。オーディション番組「三宅裕司のいかすバンド天国」を勝ち抜いて、デビューしたバンド。最初は「怒れる青春」という感じの、熱くてドロくさく、エネルギーにたぎった歌を歌っていたが、徐々に洗練されたファンクポップとなっていく。その過程にある1992年に、「天国まであと3歩シリーズ」として出されたミニアルバム3部作の第2弾。前作“GOSPEL HOUR”
を受けて、ちょっとオールディーズな感じをまとった曲達を収める。
ただシンベや打ち込みのシーケンスパターンなども多く使われていて、ちょっとアタラシイ...「音造りが洗練されたFLYING KIDS」という感じ。歌の内容は、相変わらずドあつ(くるし)いものもあるけれどw
「YOUNG ANIMAL No.1」はそのアツクルシイ系の楽曲。ちょっと跳ねたダンサブルなリズムが、ゲートリバーヴで切られたドラムと、ごぅんごぅん唸るシンベで造られる。このあたりの音造りはそれまでにはなかったテイストである一方、キレのあるギターカッティングが彩る、熱いハマザキ(浜崎貴司)の叫びは今までの彼等。
「してきちゃいなよ」は、彼等らしいある意味ストレートな?曲。♪してきちゃいなよ/となりの部屋で♪と意味深に歌う。Bパートが、再結成後は参加していないじゅんちゃんこと浜谷淳子が通しで歌うのが当時の彼等らしい。じゅんちゃんのイロがこのバンドのアクセントだったのだなと、再結成後はヤローばかりになったこのバンドの現状と比較すると、分かる。決めゼリフ?は♪ヒーヒーハーハーウッフンアッフンブーブーバカイッテナイデ♪w
「TELEPHONE」は「YOUNG ANIMAL No.1」と逆で音造りは従前の彼等だが、メロディラインが明らかに違う。後期の彼等に直結するFunk系J-POPの萌芽が見える。ゲストの古村敏比古のサックスが、エコーを中心にバリバリに加工されており、まるでシンセかサンプラーのよう。(先日-2014年10月-惜しくも脱退してしまった)飯野竜彦の、オルガン系音色のバッキングが疾走感のある楽曲。
イカ天で、「学生バンド」のノリで出てきた彼らが、徐々に自分たちのカラーを変えながら音楽界での立ち位置を探っているかのような作品。前作“GOSPEL HOUR”のゴスペルごっこから、オールディーズ風ダンス系楽曲へ。でも端々にまだ若い彼らのアツいシャウトが、演奏が聴けて面白い。
1990年代からみたオールディーズは、今から見ると意外に新鮮?そんな印象を受ける作品です。
【収録曲】
1. YOUNG ANIMAL No.1
2. 結婚シタイんじゃない?
3. してきちゃいなよ
4. ワザワザイチャイチャ
5. TELEPHONE
6. 天使のプレゼント
「TELEPHONE」
以前からのFLYING KIDSと新しい彼らの交錯するところ
あきらかに新しい息吹はあるのだが、まだ初期のドロッとした熱さもある。この塩梅を気に入るかどうか。
熱いだけの「欲望のカタマリ」からの脱皮、第2段
初期3部作は若く、ツンツンとがった彼らの叫びが聞こえたが、ちょっと色気が出てきた感じ。動物的な情動からエロへの脱皮?←あんまり変わらん?w
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購入金額
2,000円
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購入日
1992年頃
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購入場所
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