所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。自分と同年代のアーティストの久しぶりの新譜は嬉しいものです。とくにそのアーティストと近いフィールドで活動していたとあっては。そんなグループの新譜をご紹介します。
おひさ!
cybercatが音楽ど真ん中だった時代、(要するにほぼ20年前(^^ゞ)かれらはヒーローだった。演っていた曲調がファンキーな歌ものJ-POP、アマチュア出身で音楽オーディション番組で見いだされ、メジャーデビュー。その後も超ビッグヒットこそなかったが、着実に活動を続けていたバンド、FLYING KIDS。
ヴォーカリスト浜崎貴司の存在感、どちらもブルージィなニュアンスをもちながら方向性がうまい具合に90度ほど違う二人のギタリスト(丸山史朗と加藤英彦)、ファンキーで埋める時と抜くときの加減を心得ているキーボディスト飯野竜彦、体同様?ふくよかなベースの伏島和雄、ストイックまでに道具を削り、音数でなく間を切り取るドラマー中園浩之、そして浜崎の男っぽい声の曲に華を添える、コーラスのじゅんちゃんこと浜谷淳子。
でも時は流れ彼らもそのうち解散し、浜崎のように新譜を引き続き出して表舞台にいた者もいれば、ライヴを中心に活動していたもの、あるいはサラリーマンしてたのもいたみたい。そんな彼らが寿退職?wのじゅんちゃんを除いて再結集したのが2007年。2009年アルバム“エヴォリューション”
でアツ(クルし)い演奏で健在ぶりを見せてくれたが、それは同窓会的一発では終わらなかった。
これは彼らの復帰第2作。じゅんちゃんがいなくなって漢臭くなったけれど、そしてみんな齢を重ねて凶暴に尖がったところは少なくなったけど、でもまだ老成はしていない。まだまだやんちゃ。まだまだ俺たちイケンじゃね?って言ってる。
「JOY!」。おっさんパワー炸裂!丸山のブルージィかつファンキィなサイドギターがいいなぁ。2コーラス目の頭、歌が始まっているのにリズム隊(ベースとドラム)だけになるところは浜崎の存在感が光っている。
「SQUALL」は、スチャダラパーのBoseによるラップのイントロに続いて、ラップ調の浜崎のAメロが来る。シンセのオブリガードがちょっと懐かしい感じ。エンディングラップに絡むワウギターが人間的だなぁ。
「ちぎれぬ時間」は、ピアノと生ギ2本を中心にアコースティックに進むフォーキーなJ-POP。こういうスロー目で間がある曲だと浜崎のうまさが出るな。声量がものすごいわけでも、音域がびっくりするほど広いわけでも、透き通るような美声でもない。どちらかというとだみ声。でも歌詞に表情をつけるのは、感情を込めるのはとても上手い。
待たされたけれど、いい感じに仕上がってきた。彼らの歌を聴いてると、オッサン元気が出てきたよ。
【収録曲】
1. JOY!
2. SQUALL feat.Bose(from スチャダラパー)
3. 愛しさの中で feat.山田将司(from THE BACK HORN)
4. カクレンボ
5. ハナレバナレ
6. バカボンパパ
7. HESOの下☆WORLD
8. 9月
9. レクイエム
10. ちぎれぬ時間
11. LIFE WORKS JOURNEY
12. エピローグ
「ちぎれぬ時間」
懐かしさだけではない味わい深さ
ファンキィなものはより弾け、リリカルなものはより情緒深く...
時の流れが歌に深みを与えている。
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購入金額
2,500円
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購入日
2012年06月10日
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購入場所
HMV
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