レビューメディア「ジグソー」

「ハイレゾ対応」の意味とは

気付いたらWalkmanシリーズを結構揃えていますが、また新たに買ってしまいました。

 

 

 

 

あくまで私個人の感覚ではあるのですが、この中でとりあえず音楽を楽しめる音質という水準に達しているのはNW-A865とNW-X1060かな、と思っています。

 

特にNW-A865はそれなりに満足して使っていたのですが、背広の内ポケットに入れて使っているとタッチパネルの誤動作が多く、使い勝手には若干の不満が残っていました。かつてのCLIEのAudioPlayerのように、本体HOLD・リモコンのみ操作可能というのが理想なのですが、そもそもWalkmanにリモコンが用意されていません。

 

そこで今回発売されたNW-A10系はタッチパネルが廃止されたという点に、実は最も魅力を感じていました。それで音質も良ければ文句なしという訳です。

 

普段は地味な色の本体を買うことが多いのですが、今回は敢えて派手な青にしてみました。

デザインは好き嫌いがあるかと思いますが、個人的にはアルミの質感を押し出したこのデザインは悪くはないと思っています。

 

更新: 2014/12/19
音質

基本的な実力の向上

普段ポータブルオーディオの音質評価は、実際に組み合わせることが多いインナーイヤーフォンで行うのですが、今回は敢えてaudio-technica ATH-AD10を組み合わせ、比較用の本体も何とかATH-AD10を鳴らせる実力を持つNW-A865だけに絞ってみました。

 

 

 

ソースは主に180g盤LPから起こした、44.1KHz/16bitのWAVファイルです。

 

 

 

NW-A865もポータブル機器としてはかなり健闘していると思うのですが、NW-A16の音質は完全にそれを凌いでいます。

 

NW-A865は比較的低域側にエネルギーが集まる傾向の音質であり、低域方向の厚みだけでいえばNW-A16以上なのですが、NW-A16の方がより低い方までしっかりと鳴らしきっていますし、解像度や制動力などは明らかにNW-A16が上回っています。もっとも、低域方向はWalkmanシリーズでは全体的にもう一歩と感じさせる部分であり、もう少しきっちりと締まってくれても良いような気もしますが。これは最上位のNW-ZX1ですら感じられた要素ですから仕方ないと思いますが…。

 

高域方向はより顕著であり、ハイハットの音だけに着目して聴いてしまうととても同じWAVファイルを再生しているとは思えないぐらいの差が付きます。NW-A865ではとりあえずハイハットが鳴っていうだけという水準だったものが、NW-A16ではタッチの細かな違いや質感までも再生してみせます。

 

アコースティックギターやヴォーカルなど、一つ一つの音の質感も素晴らしいものがあり、思わず驚くようななまめかしさを感じさせることすらありました。今までのウォークマンでは得られなかった感触です。個人的には悪い意味でソニーの高級オーディオ的な音を感じさせるNW-ZX1よりも好みに近い傾向と感じます。

 

個人的には「ハイレゾ対応」という言葉自体に大きな意味はないと思っているのですが、ハイレゾに真剣に取り組んだ結果としてこの再生音が得られていると考えれば歓迎すべきことでしょう。NW-A865が「ポータブルオーディオとして」良く出来ているという水準であったとすれば、NW-A16はまさに「ハイレゾオーディオの入り口」という域に達しています。

 

欲を言えばロック系の楽曲でもう少しパワー感が欲しいと思う部分もありますが、価格を考えればこの音質には驚き以外ありません。

更新: 2014/12/19
コストパフォーマンス

本格オーディオへの入り口にもなり得る価格と実力

とにかく2万円台のオーディオ機器として、これ以上多くを望むのは酷といっても良い水準に達した音質です。この製品のレビューでよく「低音が薄い」と書いている人がいるのですが、個人的にはどの程度の低音が適量と考えているのか理解しかねる部分があります。手持ちのあらゆるオーディオ機器と比べても、特に薄いと感じることはありません。むしろ締まりの無い低音を量だけたっぷりと出されてもあまり嬉しくありませんからね。

 

ただ注意すべきなのは、私が褒めちぎっているのはあくまで「2万円台のポータブルオーディオ機器」としての評価であり、遙かに上の価格帯のオーディオ機器と肩を並べるという訳ではないという点です。当然ながら、NW-A16と私が普段ヘッドフォン用に使っているLUXMAN DA-100とを直接比較すれば、DA-100の方が総じて高音質であることは間違いありません。

 

 

 

 

タッチパネルが廃止されたことには賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこれまでのタッチパネルに手を焼いていたのでありがたい方向の変化と捉えています。

 

この製品の特徴である、microSDカードスロットについては、もちろんあるに越したことはないのですが、無くてもそれほど大きな影響はないというのが本音です。ハイレゾオーディオファイルばかり持ち歩くのなら確かに大容量のメモリーが必要となりますが、今までのWalkman向けに用意したファイル(主に44.1KHz/16bitのWAVか192KbpsのMP3)をそのまま持ち歩く分には32GBでも十分な量ですからね。

 

ちなみに本機にもカナル型のインナーイヤーフォンは付属していますが、これを敢えて使うつもりはありませんので、音質評価も特にしていません。個人的には本体のクオリティーと釣り合わない付属イヤフォンに意味があるとは思えないので、思い切って外してしまっても良いのではないかと思います。

 

上位のNW-F880やNW-ZX1はOSにAndroidを採用して、多機能かつ機能の拡張性を売りにしていますが、多くのユーザーがスマートフォンを既に持っている状況でWalkmanがAndroidである意味があるのか疑問を感じていましたので、その意味でも専用OSを採用したWalkman Aシリーズが復活してくれたことは非常に喜ばしいと思っています。

 

音質にも操作性にも好き嫌いが出るタイプの製品ではありますが、Walkmanの音質を今までよりも一つ高い次元へと引き上げたといっても過言ではないでしょう。

  • 購入金額

    22,000円

  • 購入日

    2014年12月19日

  • 購入場所

    ケーズデンキ

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