A10-7870Kを使い始めた結果、判ったことがある。
それは、即ち「普段使いのPC、こいつで間に合うんじゃね?」という、プレミアムレビューで5960Xセット一式貰っておいて、お前なに言ってんだ的な事実である。
つーか、実際困らんというか・・・・貰っておいてなんだが、5960Xだとスペックが無駄に高いが故に、普段使いにするにはCPUパワーが明らかに持て余し気味なのだ。
しかも、録画データのエンコードする場合は5960Xが間違いなく最速なので、エンコードを始めてしまうとメインPCでゲームとか遊べなくなる。
ついでに言えば、私の遊んでいるゲームの大半は5960Xも290Xも基本的に必要ない。
やっていることの要求スペックを考慮すると、A10-7870KにR7-370あたりのビデオカードを追加すれば、十分に普段使うメインPC足り得るということである。
そういう訳で、自宅のPC環境を一部改変することとなった。
1.普段使いのメインPCを、A10-7970KにR7-370を搭載したPCに組みなおす。
セット購入したマザーはLANとかサウンドが貧弱なので、マザーを入れ替える。
2.現在のメインである5960X機は、エンコード専用構成に組みなおす。
ビデオカード、ストレージは必要最低限で良いので電力消費の低いものと交換。
3.セット購入したマザーに、A4-7300あたりの安価なCPUを搭載し、オカン用PC更新。
4.ウェブ閲覧用のAthlon5350機は別のケースに移し替え、知人へ売却。
この改変作業のうち、1.の目的の為に購入したのがこのマザーである。
MSI製のAMD-APU向けの最上位マザーボード、A88X-G45 GAMINGだ。
GAMINGの銘が示す通り、ゲームの中でも特にFPSゲーマー向けに設計された製品である。
ただ、最上位っつーてもAMDのミドルレンジCPU向けなので、Intel向けの上位製品のように満艦飾装備って訳ではなく、ゲームに必要な装備は付いてます、っていう感じ。
他のA88チップ搭載製品との差は、基本的にサウンドとネットワーク周りだけで、他は割とオーソドックスな構成となっている。
CPUのオーバークロックを前提としているため、VRM周りの熱対策は結構しっかり作られている。
ヒートシンクの固定は裏面からのネジ止め式で、ヒートパイプで連結されているため、熱の拡散性能は相応に高い。
ちなみに、A10-7870Kを4.4Gにオーバークロックして常用しているのだが、ファン冷却が殆ど期待出来ない簡易水冷採用環境でも、ちょいと温くなる程度の温度を維持している。
背面のI/O構成はこんな感じ。
流石はAPU向けと言うべきか、モニタの接続はDPを含む全コネクタに対応している。
DVIもDualChannel出力に対応しており、DP to DPによる出力を併用した場合であれば、排他でなくすべて一遍に使用可能。
一番左にあるP/S2コネクタとUSB2.0コネクタは、一般的なコネクタよりも端子メッキ厚を三倍増とした「ゲーミング・デバイス・ポート」となっており、高ポーリングレートのマウスやキーボードの接続に対し、高い順応性を誇る。
ただ、ASRockのゲーミングポートのように補正機能がある訳ではないので、ポーリングレートの低いマウスのレートを変更したりすることはできない。
あくまでも、高ポーリングレートの機器を接続した際、そのスペックを正しく引き出すことが出来るということらしい。
なお、LANポートやサウンドポートの端子もすべて金メッキされており、音質の維持や通信の安定性を阻害する要素を徹底的に排除する方向で設計されている。
オンボードサウンド周りは、ここ数年で一般化した「他の回路と信号線以外、全て遮断」した状態で基板を構成する技術が採用されているほか、チップへのノイズ混入を防止するノイズガードが装着されている。
このカバーのお陰かどうかは不明だが、実際にオンボード・サウンドとしては相当に優秀。
殆どノイズらしいノイズもなく、高中低すべての音域で結構いい音が鳴る。
ちなみに、採用チップはRealtek ALC1150であるが、Creativeの”SoundBlaster Cinema”の使用権が付属しているので、ソフトウェアによる補正機能が使用可能。
ただ、このSoundBlaster CinemaはWindows8.1までの対応であり、Windows10環境ではそのまま使おうとしても動作しない・・・・が、使えるようにする方法はある。
対策方法を海外サイトで見つけたので、以下にその方法を記載しておく。
1.SoundBlaster Cinema Windows8.1をMSIのサイトよりダウンロードし、インストールする。
2.再起動する。
3.起動直後、SoundBlaster Cinemaが常駐する。(ただし開けない。ここが問題)
4.タスクマネージャを開いて、SoundBlaster Cinemaのプロセスをすべて停止する。
5.C:\Program Files (x86)\Creative\Sound Blaster Cinema\Sound Blaster Cinema を開く。
6.開いた先のフォルダ内にある、SBCinema.exe.config を削除。
これらを実行後、再起動するとSoundBlaster Cinemaの常駐アイコンから、ツールが起動出来る。
この程度の問題くらい、対処してくれりゃいいのにと思うが、どうもこれが放置されているのはCreative側の問題らしい。
ちなみに、これ「Win8.1で使えていた、SoundBlaster CinemaをWin10で使う方法として、他のMSI製品でも有効な対処法」なので、MSIのノートPCなどで同ソフトが使えなくなった人なども、試してみると良いかもしれない。
割と、このマザーにおける最大の要点かもしれないのが、ネットワーク・ゲーム向けLANチップであるKiller E2200である。
単なるプラセボと言う意見も多いKillerであるが、現行のE2200は「少なくとも、RealtekのLANよりは断然マシ、ゲーム用途ではIntelチップ並みの安定性」なので、AMDマザーで安定したネットワーク環境を欲するなら、選んでおいて損は無い。
少なくとも、RealtekとIntelではゲーム時におけるLANの安定性がまるで違うのは事実なので、Killer-E2200がIntelと比較して差異がなかったとしても、他のAMDマザーで採用されているRealtekのLANを使う場合と比べれば、確実に安定性は増すと断言できる。
実際、RainbowSixSiegeのマルチプレイ対戦時、我が家に置いてKiller-E2200は一度も遅延を発生させていない。
この安定性だけのために、Killerを選ぶ理由は十分にある。
基本に忠実、かつ品質が高い。
正直言うと、この製品ゲーミング・マザーとしては搭載機能が地味というか、ゲーミング製品を名乗る上での最低限度の条件は満たしている、といった類の製品である。
しかし、その「最低限度これは必要」として乗せた機能の、基本性能が非常に高い。
サウンド周りの品質は、価格的に五倍近いASUS X99-deluxeのオンボードサウンドと比較して、それを明らかに凌駕する。
Killer-E2200によるネットワークの安定性も、IntelLANチップ搭載製品に十分肩を並べるレベルにあり、またKiller独自の「アプリごとにパケットの優先順位」をハードウェアレベルで制御する機能は、FPSでのネットワーク対戦において、非常に高い安定性を確保している。
基本性能を高め、品質を徹底的に引き上げてあるという作りは、付属機能があれこれ必要ない層にとっては十分かつ満足の行く出来であり、私のように満艦飾マザー大好きな人でも思わず唸る。
A10-7970Kを使ったときにも感じたことであるが、要はこういうことである。
「ほー、いいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので。」
By.井之頭五郎
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購入金額
14,000円
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購入日
2015年12月16日
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購入場所
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