本作の内容について触れる前に、本作の成立事情から説明しておく必要があるでしょう。
まず、そもそもの大本となるのは、1998年発表の「Chicago XXV Christmas Album」です。これはブルース・スプリンススティーンのバンド、Eストリート・バンドのロイ・ビタンがプロデュースを担当し、全14曲でリリースされました。
しかし、どのような事情があったのかは定かではないのですが、5年後の2003年になり、「Chicago XXV Christmas Album」の収録曲に新たに6曲を追加し、曲順やアートワークも大きく変更したリイシュー盤「Chicago Christmas: What's It Gonna Be, Santa?」が発表されます。このときの追加分6曲については、昨年亡くなった名プロデューサー、フィル・ラモーンがプロデュースを担当していました。
実はこの作品は当初ファンの間でも扱いにおいて議論が起きていました。あくまで「Chicago XXV」のリイシュー盤であり、独立したアルバムではないという意見も少なからず存在していました。しかし、実質的リーダーであるロバート・ラムの発言から、本作を28作目としてカウントしないと辻褄が合わないということが判り、現在では別作品として扱われるようになっています。
シカゴは2011年に3作目となるクリスマスアルバム「O Christmas Three」も発表しています。
ところが何故か今年になり、「Chicago Christmas: What's It Gonna Be, Santa?」のLP盤が発売されました。元々CDでは全20曲というボリュームであるため、LP1枚ではまず収めきることが出来ません。販売店の方にも収録曲の情報がなく、どのように対処したのか気になりましたので、買って確かめてみた訳です。
CDより大幅に減っている収録曲
ここで、まずCDの収録曲を確認してみましょう。
1. Winter Wonderland
2. Let It Snow Let It Snow Let It Snow
3. Jolly Old St Nicholas
4. Littler Drummer Boy
5. This Christmas
6. Feliz Navidad
7. Bethlehem
8. The Christmas Song
9. O Come All Ye Faithful
10. Rudolph The Red Nodes Reindeer
11. Have Yourself A Merry Little Christmas
12. Sleigh Ride
13. Silent Night
14. What Child Is This
15. Christmas Time Is Here
16. God Rest Ye Merry Gentlemen
17. Santa Claus Is Coming To Town
18. Childs Prayer
19. One Little Candle
20. White Christmas
一方のLP盤の収録曲は次の通りとなります。
SIDE1
1.Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
2.Little Drummer Boy
3.Sleigh Ride
4.This Christmas
5.Jolly Old St. Nicholas
6.The Christmas Song
SIDE2
1.Rudolph, The Red-Nosed Reindeer
2.Christmas Time Is Here
3.Santa Claus Is Coimng To Town
4.Have Yourself Merry Little Christmas
5.White Christmas
6.Silent Night
個人的にはCD盤で気に入っていた「Winter Wonderland」「Bethlehem」「God Rest Ye Merry Gentlemen」辺りの曲が、LP盤ではカットされてしまったのが残念です。
収録内容は既にCDでお馴染みのものですし、音質も素晴らしいとはいえないものの比較的良好という水準ですのでレコードにこだわりのあるリスナーであれば持っておく価値は充分にあります。
しかし、そのような理由がなければシカゴ作品を全制覇するという意気込みのファン以外はあまり買う価値は見出せないというのが本音でしょう。
私自身はCD盤の本作を元々気に入っていましたし、レコードに対する思い入れもありますので十分に納得していますが…。
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購入金額
2,497円
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購入日
2014年11月21日
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購入場所
HMV ONLINE
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