レビューメディア「ジグソー」

最もレコードの音が似合うアルバムだが…

「Night And Day ~ Big Band」は、元々1995年にリリースされた作品で、シカゴのメンバーたちの音楽的ルーツともいえるスタンダード・ナンバーをビッグバンド形式で演奏した作品となっています。以前CDについては掲載していますね。

 

 

 

 

 

 

この作品は楽曲こそシカゴのオリジナルではないものの、近年にないほど彼ららしいアレンジや演奏が堪能できるということで、熱心なファンの間で特に高評価を受けている作品です。

 

その人気作が、リリース25周年を記念して初アナログ化されました。もっとも、180g重量盤ではあるもののカラーヴァイナルのみが用意されているということで、音質重視なのかどうかは難しいところではあります。

 

発売予告があった時点で、生産枚数などがはっきりしないということもあり、念のために発売元のFriday Musicの直販で予約しておいたものがようやく到着しました。結果的に日本の輸入盤を扱う大手レコード店でも販売されているようですので、そちらで買った方が早かったような気もします…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャケット表面はCDと同じデザインですが、裏面は全く別物となっています。メンバー集合写真はかなり古いもので、クレジットに記載されているメンバーの内、ブルース・ガイチ(ギター)を除く面々が写っています。ブルース・ガイチは本作レコーディングの直前に解雇されたドゥエイン・ベイリーの代理で急遽参加したようで、名誉メンバー的な扱いで記載されているだけでシカゴに実際加入したわけではないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盤面はターコイズブルーという、何故選ばれたのかよく判らないカラーリングとなっています。実はもう一種類半透明のオレンジも用意されていて、そちらもオーダーしたはずなのですが、このターコイズブルーが2枚届いてしまったのです。まあ、半透明盤よりはただのカラー盤の方が音質面では有利だと思いますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

初回500枚以内の生産分には、現在のメンバーのカラー写真入り宣伝チラシが入っているとのことでしたが、送られてきた2枚にはきちんと入っていました。こうしてみると、馴染みの浅いメンバーが増えたなぁ、と感じます。

更新: 2020/12/17
総評

何故か溝の幅が妙に狭いのがマイナス

それでは内容の方に移りましょう。

 

まず、収録曲はCD盤で最後に収録されていた「String of Pearls」(真珠の首飾り)が削られて全12曲となります。

 

 

Side A

 

01.Chicago
02.Caravan
03.Sophisticated Lady
04.Goody Goody
05.Moonlight Serenade
06.Night & Day

 

 

Side B

 

01.Blues In The Night - Chicago featuring Joe Perry
02.Sing, Sing, Sing - Chicago featuring The Gipsy Kings
03.Dream A Little Dream Of Me - Chicago featuring Jade
04.In The Mood
05.Don't Get Around Much Anymore
06.Take The "A" Train

 

 

何故か曲順にも若干の変更が入っています。具体的には「Sophisticated Lady」と「Dream A Little Dream Of Me」の位置がCDとは入れ替わっているのです。外部アーティストとの共演作を連続で並べたかっただけなのか、面を分けたことで流れを考えたのかは判りませんが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、マスタリングの違いはあるものの演奏自体はCDと同じものですので、音楽的な内容については前述のCD盤の方のレビューをご覧ください。なお、YouTubeにオフィシャルの収録曲全曲のプレイリストもありますので、そちらもご覧いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内容から考えて、シカゴの作品群の中でも最もレコードの音が似合うのではないかと思っていたのが本作でしたので、発売予告と同時に予約して購入したわけですが、実際に聴いてみるとCDよりも随分エネルギー感の強い音だと感じました。

 

本作のCDは割合ソフトな音作りだったのですが、このLPで聴くとバスドラムの重量感やブラスの質感が随分変わっています。どちらが良いというよりは好みの問題ではないかと思いますが、個人的にはホーン部隊の音に生々しさを感じるLP盤の音は好ましい方向性だと思っています。

 

ただ、このレコードの仕上がりについては少々不満もあります。このレコードは両面共に無音部分が結構広く取られているのですが、楽曲部分の溝幅がその分細くなっていて、かなりカッティングレベルが低いのです。上の写真で私にしては珍しくaudio-technica AT-OC9/IIIではなくADC MC1.5で再生している状態となっているのですが、これは出力が結構大きめであるMC1.5を使わないと音量感が十分とはいえなかったためです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音量不足によるS/N比の悪さを除けば、音質的にはそこそこのレベルでまとめられています。

 

ただ、楽曲の内容とカッティングレベルの低さを加味して考えると、意外とMMカートリッジでゆったりと鳴らす方が合っている作品なのかも知れません。そのうちSHURE V15typeIII+JICO KUROGAKI辺りの組み合わせでも聴いてみようと思います。

 

  • 購入金額

    4,507円

  • 購入日

    2020年12月15日

  • 購入場所

    Friday Music Online Store

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