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高性能マシンも狙える特殊配置コンパクトキューブケース【12cmクーラー搭載追記】

【14/11/11 XIGMATEKの12cmサイドフロークーラー搭載追記&写真追加】

国内では主に空冷CPUクーラーが販売されている「RAIJINTEK」の初となるITXPCケース。赤いファンと大型モデルでも手ごろな価格が特徴のCPUクーラー群のイメージからは予想外の、スッキリとしたアルミのキューブ。

昨今増えてきた「ATX電源及び2スロット分の拡張カードを搭載可能なITXケース」で、BitFenix ProdigyのようなMicroATXケース級の拡張性を持ったものからLianLiのPC-Q29といったギリギリまでサイズを削ったモデルまで個性的なものが多い。

 

このMETISもシンプルな外観はLianLiの各モデルを連想させるものの190x277x254mmというコンパクトサイズに押し込んだだけあって、内部は他に類を見ない特異な配置だ。このケースで一番気になるのはその内部構造だからまずはそこから。

 

これが左側面方向から見た内部。ひっくり返して写真を撮ったわけではない。

初っ端から一般的なPCケースとは逆、拡張スロット側が上に来る「倒立配置」で、内部を見渡せるアクリル窓もこちら側についている。

背面には12cm排気ファンが標準装備。ケース付属ファンはペリフェラル4pinのモノがつけられてたりするがこれはしっかり小3pinなのでマザー直結OK。ただし今回は光らせたかったので交換している。

※以下の内容は全てファン交換後の内容。最大1600rpmとケース付属のものより高回転のものを使っているので冷却力に差が出ている点はご了承を。

 

稼動状態まで組み込みするとこうなる。

 

 

同クラスのケースだとCPUの上にATX電源が配置され、背の高いCPUクーラーを使えないモデルがあるのだが、METISは特異配置のおかげでマザー上面側のスペースには余裕がある。

マザー側の干渉さえなければ12cmサイドフロークーラーでさえ収められるのが強み。公称は高さ160mmまでOK。

 

マザーフレームにはメンテナンスホールもあり裏側のサイドパネルを外せばそのままバックパネル付きCPUクーラーの装着も可能。

 

ただし今回使用したASRock Z68 ITXが拡張スロットギリギリにCPUソケットを持つ珍しいタイプなのでメンテナンスホールからは少し外れてしまっている。

ただバックパネルは裏からあてがって固定ネジはマザー表側から締めるタイプのクーラーだったらホールからバックパネルを押し込むことで着脱OK。

 

ただ結局ソケット配置の為12cmサイドフロークーラーが実質装着不能。ご覧の通りCPUソケットとPCIexが隣接しているマザーなので大型クーラーを搭載するとグラフィックボードが搭載できないのだ。

せっかくの大型クーラー搭載可能スペースもマザー側の干渉があってはしかたない。ひとまずリテールクーラーでくみ上げた。

 

とはいえリテールでも周囲にスペースの余裕があるというのは冷却面で有利で、Core i7 3770KのAllCore4GHz/TB4.2GHzOC状態を運用している。ゲーム(TERA)をぶん回してもリテールで70度に行かないのでクーラーを選べば更に余裕は持たせられるだろう。

 

12cm排気ファンを持つので簡易水冷も無理すればのせられないこともなさそうだが、12cmファンの周辺スペースに余裕がないのでラジエーターの干渉やホースの取り回しを考えると非現実的か。

 

先述の通り拡張スロット部は2スロット分。倒立なのでファンが上に来る。更に上に1スロット程度ケースの高さに余裕はあるので2スロットがっつり使うタイプのVGAでも吸気を塞ぐ事はない。その上には後述の3.5インチシャドーベイがあるが、使わないのなら外してしまえばVGAのスペースは広がる(実際外した訳ではないが見た感じネジを外せばベイ部分は外れそう)。ただケース上面には吸気口が無いので直接外気を取り込むことは不可能。

今回は短尺のGeForce750Tiを搭載。最近はこういったケースにターゲットを絞った小型VGAも増えているのでそれらにピッタリ。公称は長さ170mmまでOK。電源ユニット…というよりケーブルの取り回しにも気をつける必要があるので当然短いほうがいい。

 

そしてこのケース最大のトンデモ配置がその電源ユニット。

前方配置下排気レイアウト。一番の特徴であり購入前一番の不安点。

下部は1段引っ込んだマウンタになっており、専用のL字ケーブルで背面までケーブルを引き回す。引っ込んだマウンタは周囲が囲まれているので内部に排気が逆流する事はなく、筐体のゴム足も高くしっかりしたものなので排気を無視しているという訳ではないが、やはりチャレンジングな配置。

 

特異配置とはいえ一般的なATX電源なら搭載可能で、今回はAntecの530Wセミプラグイン電源を使用。ケーブルの曲がりはシビアになるがプラグインケーブルも使用可能。一応電源上部やサイドのスペースに余ったケーブルを収める事もできる。

 

CPUソケット位置同様、24pin類も主流からはズレた配置のマザーだったのでケーブルが中央突破する事になってしまったが、別の配置のものならもう少しケーブルはすっきりするだろう。

 

さすがにオープンベイは非搭載だが、シャドーベイは筐体天面に3.5インチ*1、筐体底面に2.5インチ*2or3.5インチ*1(排他)を装備し最大で3ドライブ構成や3.5インチ2台といった構成も可能。

天面側は通常通り側面からネジ止めするタイプで振動の大きいHDDを使った場合モロにケース側に振動がきてしまう。写真では2.5インチ変換トレーを使ってSSDを固定している。

 

一方底面側のベイは底面裏側からゴムを挟んで固定するので振動は大分抑えられる。空気も天面側より流れやすいので、底面側に3.5インチHDDを搭載した。

余談だが、ご覧の通り内側はヘアライン加工がされていない。

 

ご覧のとおり底面側に3.5インチを搭載した場合12cmファンの下に潜り込んで尚且つ電源マウンタとコネクタ位置がギリギリ。とはいえそのままケーブルを抜き差しするスペースはある。また3.5インチベイはマザーから離れた位置になるためマザー側のコネクタとの干渉は比較的抑えられる。今回はHDDの真横に24pinがあるがそれも回避。

 

 

冷却に関しては12cmケースファンが生命線。通常状態では排気、当然電源ユニットも排気。吸気口もLianLiのケース等と比べると少なく、らしいものは天面側3.5インチベイ脇の背面上部、マザー裏側になるサイドパネルくらい。あとは各所の隙間のみ。

負圧になるせいで意外とこのマザー裏側サイドパネルから吸気しているようで、2日使っただけで僅かにホコリの跡がついていた。このマザー裏から吸気された空気がぐるっと回って表側に流入し、背面側から吸気した空気と共にVGA辺りを通ってマザーボード周辺に到達、背面12cmファンや電源ユニットで排気されるというなかなか無理してそうな吸気。

 

VGAが省電力な750Tiとあって問題なく動作している。長時間の起動後にケース内部の各所を触っても電源ユニット含め他の一般的ケースと比べて極端に熱を持っている様子はない。

背面12cmファンは負荷時に1500rpmくらいに回るように設定しているので静音性でいったらさすがに不利だが、CPU周辺に余裕が無く薄型CPUクーラーしか使えない環境に比べたらスペースがある分余裕がある。

 

やはり気になるのは電源ユニットだ。私の環境では特に問題無さそうで熱も持っていないが、負圧なので電源ユニットのゆるゆる排気だと電源ユニット側にうまく風が流れているのか気になってしまう。

試しに背面ファンを吸気に変更したところCPU温度は僅かに低下、逆にGPUの温度は上昇してしまったので今回はGPU側を重視して排気に戻した。電源自体の排気能力(今回の電源は排気能力が低い)、グラフィックボードやCPUクーラーの形状次第で色々変化しそうだ。これはもう試行錯誤するしかないだろう。

 

 

【追記】12cmサイドフロー搭載してみた。

先述の通りCPUソケットとPCIexが隣接しているので通常の方向では搭載不能だったのだが、12cmサイドフローでもナロータイプといわれる薄型のものなら90度回転した向きで無理やり搭載できることが判明したので試してみた。

 

クーラー自体よりも元々中央突破していたケーブルの取り回しに苦労し、24pin・SATA電源は電源ユニットとサイドパネルの隙間、フロントUSBはメモリと電源の隙間、フロントスイッチLEDケーブルは長さがギリギリだったのでCPUクーラーの下を通りマザーを中央突破、残る4pinとSATAとフロントオーディオはグラフィックボードとマザーの隙間を通して背面側へ回した。少し無理はしているがこうすればマザー上面側はフルに冷却系に活用できる。

ご覧の通りグラボの真下にCPUファンが来るのでファンの吸気能力は低下するレイアウト。隙間もほとんどなく、XIGMATEKのマウンタの遊びで僅かに下へオフセットしてるもののギリギリ。しかしグラボ周りの熱やマザー裏面から吸った空気を手前に持ってこれるので案外悪くない?

CPUクーラーの排気は底面やHDDにあたって電源ユニットとケースファンで外に排出される。今までここのスペースが開いていたせいでケースファンと電源ユニットが空気を奪い合い回転数の高いケースファン側に空気が流れていたのだが、これだと奪い合いにならないのか電源ユニット側からの排気も増えた感じがする。

結果的にリテール時よりファン回転数は低下し、ゲームプレイでも65度で安定。これは65度を境界にファン2つの回転数が上がる設定になっている為。更にGPUの温度は10度以上低下し、元々熱に余裕のある750Tiだけにゲームプレイでも50度台に収まる。

今は寒い秋口だが夏場でも回転数設定次第でOC状態を維持できるだろう。

 

但し負荷ソフトをかけるとぶっちゃけうるさい。長時間の負荷テストやエンコードの場合OCは控えた方が安心か。

 【追記終了】

 

 

 

内部構造は以上の通りなかなか特異だが、外観はシンプルでかわいらしい。 

見事なキューブ型。幅・奥行こそそれなりにあるものの。特異配置のおかげで背が低く小さく見える。側面はほぼMicroATXマザーサイズで、大型クーラーとATX電源を搭載可能なケースとしては最小クラスだろう。

占有面積はB5+α程度(写真はB5のうすいほんをのせている)。A4くらいの面積があれば余裕を持って設置可能。天板がほぼ平面で、吸排気口もないので上にモノを乗せっぱなしでもOKだ。

 

ブルーのアルミが鮮やか。カラーバリエーションは6種と多彩で好みのものが選べる。購入時はレッドとずいぶん迷った。さすがに細部の質感はAbeeやLianLiといった老舗にかなわないものの、価格を考えれば十分。

 

背面や内部フレームはブラックのSECCで全体の剛性も確保。

ブラケット固定ネジを隠すカバー(これはプラ)もある。

 

サイドパネルが小皿ネジ4本固定なのが貧弱そうかつネジを紛失しそうで難点だが、ポイントがこのサイドアクリル窓。このクラスのコンパクトキューブとしては珍しい。

見えるのはちょうどITXマザーの範囲。このアクリル窓が競合品との個性になっているし、購入の決め手はコレだった。

12cmファンや光るCPUクーラー、光るメモリを組み込むと楽しいし、まるで水槽のようだ。

問題は内部スペースに余裕がないので見せるためにはケーブルの取り回しにセンスがいる事。サイドパネルと電源に隙間があるの長さに余裕のあるケーブルならそこを通せるが24pinなんかは太いので厚さがギリギリ。

ケーブルを迂回させて大型クーラーを搭載した後はクーラーの存在感抜群。

 

 

電源スイッチは電源LEDを内蔵しており白く光る。また内部にはHDDアクセスランプの赤LEDもあるがあまり目立たないので確認用か。上面にはUSB3.0とフロントオーディオ。上向きなのでホコリが気になる。

 

このUSB3.0はピンヘッダ式だが、折り返しでUSB2.0ピンヘッダもついている親切設計。今回はZ68なのでUSB2.0接続。それぞれのケーブル長も問題なし。

ちなみにケース本体以外の付属品はネジ(全てブラック)とBEEPスピーカー、図が中心の組み立てマニュアルのみと最小限だが、マニュアルは図が多くちゃんと判る。アクリルパネルには保護シールが貼られているし梱包も問題なし。

 

ミドルレンジVGAを利用したネットゲーミングマシン、もしくはCPUパワーを生かした作業マシンをコンパクトに組みたい人には面白いケース。最近のITXは性能的にはメインも十分狙える。

 

CPU回りの余裕はあるしATX電源を搭載できるのでファンをぶん回せばCore i7クラスも十分運用可能。VGAに関しては750Tiなら余裕があったがCPUほどの排熱能力はないのでこれ以上のクラスは未知数。吸気口が少なく、発熱が大きい構成にはケースファンの回転数を上げることで対処するしかないので静音性に関しては構成に大きく左右される。

ストレージの搭載量もサイズを考えれば悪くはないが冷却面で不安が残る位置なので、何日もぶっ通しで稼働するファイルサーバーには不向き。

 

スペースの余裕は少ないので組立はパズル状態で難易度は高め。エアフローも同様。私の環境では特に問題が無いものの電源特異配置に不安感を覚える人も多いはず。

個人的にはかなり気に入っているが、癖が強いケースなのは間違いない。ビジュアルやサイズが気に入ったのなら癖を乗り越える価値はある。出来上がった時の満足感はなかなかなので、試行錯誤を楽しめる人向けかと。

 

また同じ性格のアルミキューブケースとしては一般的な電源配置を持つJONSBO U2や、一回り大きくなるが2段構造のLianLi PC-Q33等がある。アルミ以外なら更に増える。特にJONSBO U2はMETISのような特異電源配置が無くスペック・サイズ・価格共に近いのでライバルになるだろう。扱いやすさを重視するなら他のケースを選んだほうがいい。

 

それらに対するアドバンテージはアクリル窓とカラーバリエーション、そしてそれらより更に小さい容積。アクリル窓は何だかんだいって楽しい。ノッポなU2に対して背が低いMETISはラック等に収めやすい。

 

しかしRAIJINTEK自体名前が出てきて間もないのにここまでチャレンジングなレイアウトのITXケースを出してきたということは驚き。奥まった位置のネジを締める箇所には切欠きがあったりとそれなりに考えて作られているし、もちろん細部の質感などそれなりの部分もあるが全体的には好印象。今後のモデルにも期待したい。

 

 

750Tiを使ってから一度やってみたかった「ITXで小さめなのにゲームバリバリ」なPCができたので満足満足。というか使ったパーツの関係で手持ちでも屈指のゲーム性能になっちまっている。3770K(OC)に750Ti、DDR3 1866にISRTキャッシュを使ったHDDでもう快適快適。

…今まで作ったでかいPCがなんだったんだってくらいに。

  • 購入金額

    7,862円

  • 購入日

    2014年11月05日

  • 購入場所

    TSUKUMO

コメント (4)

  • パッチコさん

    2014/11/07

    アクリル窓付きは、一度やりだすと、外せないポイントですね。
    天板が平らというのも大事で、スペース確保には大事なポイントだと思います。
    パッチコとしては向かって右側にアクリルが来るケースはポイント高いです。
  • cybercatさん

    2014/11/07

    うおー!これは攻めてる!!
    Mimi-ITX専用ケースって面白い配置の多いけれど↓

               電源宙吊りパターン↑

    まさかそう置くとわ..
    簡易水冷も底面を薄型の2.5インチドライブにすればシングルファンのH60アタリなら入りそう。

    でもせっかくの窓つきだから光るファンを備えたトップフローの空冷の方が楽しいかな?
  • 白輝望さん

    2014/11/07

    菊月ラッピング仕様ITXケースかと思ったらうすいほんだった!(アレ?
    むしろ色的にはななm(ry
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