所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。何者にも似ていない個性。彼のフォロワーはあまたいるが彼の前には道がなかった...そんなジャンルを拓いた人の作品をご紹介します。
山下達郎。音の職人。そして、日本でアメリカンポップな楽曲を歌った開祖でもある。彼が活動を本格化した1970年代中盤はまだ世は「フォーク全盛」の時代。フォークギター、もしくはフォークギター+エレキギターの構成が多く「22才の別れ」や「「いちご白書」をもう一度」などが流行っていた頃。
そこへ彼が持ち込んだ風はかなり肌触りが異なった。アメリカンな爽やかな風。特に1950~1960年代のオールディーズと呼ばれる雰囲気の「懐かしいアメリカ」が多い。もちろん日本人ならでは?の叙情的作品も結構あって、それはそれで彼の一つのカラーなのだが、彼が拓いたのはやはりこの分野。
彼のそんな「アメリカ」が聴ける作品。
表題曲の「君の声に恋してる」は伊藤広規+故青山純という盤石リズムコンビが喰い、とか、シカケとかを廃して4分音符で支え続ける、強くビートを感じる仕上がり。ヤマタツの声は独特の「粘り」があるのだけれど、コードの使い方が上手くてすごく爽やか。サビ中盤の♪君の声に恋してる/幾千のささやきで/夜をにじませて♪の部分で前半同様G7⇒C⇒D7⇒Bm7⇒Em7と来てC#m7-5⇒Cm6と来るところはサスガのセンス。
アカペラアルバム第二弾“ON THE STREET CORNER 2”に収められた曲のヴォーカル録り直しは「SO MUCH IN LOVE (New Vocal Remix)」。フィンガースナップが「なつかしいあの頃」といった感じのアカペラ曲。どうも一人多重録音のようだ。曲は邦題で「なぎさの誓い」とも呼ばれる1963年のThe Tymesの曲。Art GarfunkelやTimothy B. Schmit(Eagles)もカバーしたという名曲。こういう王道アカペラって上手いヒトがやらないとアラ目立つんだよね。
「君の声に恋してる (Original Karaoke)」は、単なるカラオケだけれど職人ヤマタツの凝り方が良く聴き取れる。特に生のブラス隊(総勢6人)の使い方が上手いな。バリトンサックス(高野正幹)の下を支えるラインが力強い。
当時人気が高かったイラストレーターわたせせいぞうの青空にモクモクと盛り上がった入道雲を前にビールを開ける人物のイラストとケースの半分が青い特装ケース(初回生産限定盤)で爽やかな風を感じる作品。
「懐かしいアメリカ」に会いたいときは...!
【収録曲】
1. 君の声に恋してる
2. SO MUCH IN LOVE (New Vocal Remix)
3. 君の声に恋してる (Original Karaoke)
4. SO MUCH IN LOVE (Original Karaoke 2001 Remix)
取り上げている事象には「時代」を感じるけれど....
歌そのものは損なわれない。
あと20年後の人がこの曲の歌詞を見て何を感じるかはわからないけれど。
...操作時透過ライトが点いたプッシュボタンを持ち、伸ばしたアンテナに電波受送信時には光るギミックを付けた「ケータイ」時代のお話です...
♪遠く離れていたって/淡い光のボタンで/いつも君を呼べるよ/緑色のアンテナは/どんな秘密の言葉も/そっと伝えてくれる♪
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購入金額
1,050円
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購入日
2001年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2014/11/06
私ももってます。
cybercatさん
2014/11/06
TVをほとんど見ないのであんまりその印象はないのですが。
北のラブリエさん
2014/11/06
cybercatさん
2014/11/06
モロ、そうですな。