所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽家には、自分の表現する詞や曲の世界を伝えることに重きをおくひと、より研ぎ澄まされ完璧な演奏を残すことに情熱を傾けるひと、一瞬を切り取る閃きや燦めきを仲間との交感を楽しむひとなど色々なタイプがいます。そんななか「職人」としての立場を貫く人がいます。そんな職人の作品をご紹介します。
山下達郎。デビュー直後からアメリカンポップスを消化した独自の感性で、日本のミュージックシーンに強い影響を残したが本作は彼の30年を超える活動の中では中期のアルバム。初期のころからミュージシャンにきちんとしたスコアを渡し自分の音世界を表現してきた彼だが、
その後どんどんすべての楽器を自分で手がけるようになる。
この作品は、ARTISAN=職人山下達郎がほとんど一人で作り上げたもの。バンド形式なのは一曲だけで、コーラスやブラスなど「集団」を必要とするパートで複数のミュージシャンを起用する以外は、基本1~2人のキーとなる楽器のミュージシャンのみをフィーチャーして作り上げた彼の音世界。
「アトムの子」。手塚治虫へ捧げられたこの曲は、プログラミングされたものとはとても思えない、パワフルなタム回しと、バックビートに入れられる浜口茂外也の澄んだタンバリンで、ダイナミックにリズミカルに始まる。所々に入れられる♪ワン、ツー♪というカウントが、とてもライヴ感に溢れている。
「さよなら夏の日」は、一転してリリカルなヤマタツの詞の世界。♪ごらん/最後の虹が出たよ/空を裸足のまま駆けて行く♪すぎる輝かしい日。それは夏の日なのか、還らぬ青春なのか...懐かしい、曲。
「Endless Game」。ドラマ(TBS「誘惑」)の主題歌として創られ、曲の方が席巻した。♪抱きしめて/もう一度/なんて狂おしい誘惑/悲しみをふり払い/夜の中に溶けていきたい♪このフレーズが街に溢れていた。ヤマタツの中に確かにある、アメリカンポップの対極に位置する日本的、叙情的なロマンティシズム。粉川忠範のトロンボーンソロが切ない。
90年代のヤマタツはこのアルバムで始まった。毎年のように、開いても2年でアルバムを出していた彼が、この作品の後寡作になり3年以上のスパンが開くようになる。
後年になるにつれてより「職人度」が増していく彼の作風において、この作品がターニングポイントだったのかも、しれません。
【収録曲】
1. アトムの子
2. さよなら夏の日
3. ターナーの汽罐車-Turner's Steamroller-
4. 片想い
5. Tokyo's A Lonely Town
6. 飛遊人-Human-
7. Splendor
8. Mighty Smile(魔法の微笑み)
9. "Queen of Hype" Blues
10. Endless Game
11. Groovin'
「Endless Game」
キャッチーさと「こだわり」の良いブレンド
最近、オリジナルアルバムではなく、リマスター盤ばかりリリースしているが、本作のみは関連レア音源を含んだ“ARTISAN -30th Anniversary Edition-”としてリイシュー。ヤマタツにとっても思い出深い作品のようだ....
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購入金額
2,900円
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購入日
1991年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2012/11/05
cybercatさん
2012/11/05
Takahiroさん
2016/09/04
cybercatさん
2016/09/04
ネーミングは紫電改とか飛燕とか面白そうですけどねー。
Takahiroさん
2016/09/04
そんなもん使わず、勧誘ハガキで代用です。
確かに製品ネームは面白いけど「ふーん・・・」で終わるんですよね。
ガチ職業ゲーマーじゃないし、トラックボーラーだから興味わかないのかもしれないけど
cybercatさん
2016/09/04
北のラブリエさん
2022/01/22
記念版出てたの気づいてなかった・・・
このアルバムは「Groovin'」で終わるのも好きです。
cybercatさん
2022/01/22
記念盤が30周年記念....というのが....