本来はAstell&Kern AKシリーズとの組み合わせを念頭に開発された、デジタル入力専用のポータブルヘッドフォンアンプです。
入力は光または同軸のデジタルのみ、出力はバランス・アンバランス各1系統のヘッドフォン出力のみという、ヘッドフォンで高音質環境を持ち歩くことだけを目的とした製品です。
これがせめてUSB入力を備えていたり、RCAピンでLINE出力を備えているのであれば活用範囲が大きく広がると思うのですが、そういったことは一切考えずAKシリーズとバンドでひとまとめにして持ち歩き使うという前提で高音質を追求するということのようです。
とはいえ、デジタル入力自体は汎用のS/P DIFですから、これに対応した機器からの入力にはもちろん対応します。
今まで色々と比較的安いヘッドフォンアンプを試してみても、emagic emi6|2mの内蔵ヘッドフォンアンプを超えるほどの音質を持ったものには出会えなかったため、これを使い続けてきました。そこで、今回はemi6|2mの同軸デジタル出力端子にREX-KEB02AKを接続して比較試聴してみました。ヘッドフォンはこちらの2つを使います。
REX-KEB02AKで一聴して目立つのは低域方向の力感と解像度の高さでしょうか。これに比べるとemi6|2mの方の低域はきちんと分解されていないようにすら感じます。高域方向は低域と比べれば明確な主張は感じられませんが、解像度・透明感共に十分なレベルは保っています。
ヴォーカルや弦楽器の質感も悪くはありませんが、この辺りはemi6|2mにも強みがある部分であり、せいぜい一長一短という程度で明確に上回るというほどのものではありません。もっとも、通電を始めてまだ2時間程度ですので、今後使い続けることで少し傾向が変わる可能性はありますが…。
本来はバランス出力で本領を発揮する製品のようですが、バランス出力に対応させるためには専用のケーブルが必要であり、対応ケーブルが用意されているヘッドフォン以外ではその恩恵にあずかることは出来ません。特にケーブルの着脱が不可能なATH-AD10ではどうしようもありません。
それでもDACにはESS SABRE のモバイル仕様となるESS9018K2Mを採用するなど、この実売価格からは想像出来ない充実した中身を持つ製品で、間違いなくお買い得といえます。アンバランスでも通常の1万円前後のヘッドフォンアンプとは格が違う音が出て来ますので。
2015/05/03追記
比較的安いケーブル2本を使って、REX-KEB02AK+SENNHEISER HD650のバランス接続を試してみました。そちらの結果は、この接続に必要となる変換プラグのレビューの方に記載しましたので、そちらをご覧下さい。
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購入金額
8,850円
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購入日
2014年09月05日
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購入場所
NTT-Xストア
harmankardonさん
2014/09/05
jive9821さん
2014/09/05
9,980円という値段は、NTT-Xの他フジヤAVICでも出ているようです。探せば他にも安い店があるかもしれません。1万円以下であれば文句なしにお買い得といえる音質です。
mkamaさん
2014/09/16
納期が10/4となっていてチャント届くか心配です。
jive9821さん
2014/09/16
この価格では他にまず無いだろうという程度の音質は持った製品ですので、無事に届いてくれると良いですね。