一部のサイトではコントローラーとしてSandForce SF-2281搭載と紹介されていることがあるのですが、これも公式情報ではありませんし、USB 3.0接続でベンチマークを計測してみたところ、挙動がSandForceらしくないのです。
SandForce製コントローラー搭載であれば、USB接続であっても0FillとRandomとでは明らかに数字が変わるものが多いのですが、このKM120GSME35ではどうみても誤差程度の違いしかありません。
調べても詳細情報が出てこないということで、仕方なく実物で確認してみることにしました。要は分解して基板を見れば全てわかるということです。
以下のものが基板のコントローラー実装面の写真です。
まず、コントローラーはSiliconMotion製のSM2246ENが搭載されていました。SM2246EN自体は上限の性能を発揮すれば他社の高速製品と比較しても遜色ない性能を持ったコントローラーなのですが、NANDの量によって速度差がかなり大きく出る製品でもあります。SME35 Xvalueシリーズでも、480GBモデルであればRead 540MB/s、Write 400MB/sという公称速度となるのですが、120GBモデルではRead 540MB/s、Write 150MB/sとなってしまうのです。
そしてNANDについては、Micron製で「3HA12 NW385」というチップ上の印刷が確認出来ます。NW385というのはパッケージ名であり、これを手がかりに調べたところMT29F128G08CBCABH6-6という128Gbit MLC NANDフラッシュということになるようです。スペック的には333 MT/sとなっていますので、まずまずではないでしょうか。これも海外サイトではTLC NANDと紹介されていたりすることがあったのですが、実物はごく普通のMLC NANDでした。
キャッシュメモリはNANYAのロゴがはっきりと見えていますし、型番もNT5CB128M16HP-D1と読み取れます。これは2Gbit (256MB) DDR3 SDRAMで、メーカーのデータシートによるとDDR3(L)-1600-CL11のチップとなるようです。
Kingmax自身での格付けがお買い得モデルということで、正直言って全く期待はしていなかったのですが、SiliconMotion製のコントローラーというなかなか珍しい製品が入手出来たわけで、個人的には満足出来ました。実際にどう使うかは全く考えていませんが…。
読出は優秀、書込は相応
SATA接続でのベンチマークを掲載していなかったことに気付きましたので、他の製品の測定のついでにこの製品の測定も行ってみました。
▲Crystal Disk Mark Nano Pico Edition
どちらでも同じような傾向にまとまりますね。
読出の速度に関しては、ローエンドモデルらしからぬ優秀な値が並びます。シーケンシャルでは550MB/sを記録していて、公称値すら若干上回っているほどです。ランダムでも優秀な部類であり、クラスの割に良質なNANDを搭載していることが効いているのでしょうか。
一方、書込に関してはほぼ公称値(最大150MB/s)通りといえます。特にCrystal Disk Mark 5.1.1では測ったように149MB/s台の数字が並んでいますからね。
コントローラーのSM2246ENの特性上、120GBモデルではどうしても書込スピードは伸びませんが、ランダムでも落ち込みが極めて少ない辺りから、体感速度での優秀さは感じ取れるのではないでしょうか。
このレビューを書いた時点ではマイナーな存在だったSM2246ENですが、その後CrucialやPlextor/LITEONなど比較的メジャーなブランドの製品にも採用されるようになり、広く知られる存在となりました。主に低価格モデルに搭載されましたが、割合良好な性能を発揮している製品が殆どですが、その素性の良さは初期のものとなるこの製品で既に発揮されていたということでしょう。
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購入金額
6,997円
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購入日
2014年02月15日
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購入場所
PC DEPOT
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