特にシリーズ第1弾となったYMF724は、アナログ2in/2out(デジタルは出力のみ)という最低限の仕様ではありましたが、実売価格3,000円以下の製品が多数あるという低価格ぶりや、YAMAHAがサポートしていたMIDI音源規格であるXGフォーマットを標準サポートし、最大同時発音数64という高品位な単品MIDI音源モジュール並みの性能を持つMIDI再生機能の充実ぶりにより、それまではISAスロットが標準だったサウンドカードを、PCIスロットに移行させた最大の立役者となりました。
YAMAHA自身もWaveForce 192XGという純正ボードをリリースしていて、YMF7x4搭載製品としては高品質なボードとして評価されていましたが、より多く出回ったのがこの製品をはじめとする比較的低価格製品を中心としたOEM製品群でした。なお、このSP401Fと、当時よく売れていたLabway XWave5000は、実際には同一のボードであったといわれています。
なお、殆どのYMF7x4搭載製品には、当時YAMAHAが力を入れていたソフトウェアMIDI音源「S-YXG50」がバンドルされていて、こちらはPCのCPU性能に大きく左右されるものの、最大同時発音数は64となっていて、YMF7x4自身のハードウェア部分と合わせて最大同時発音数128を可能としていました。
当時はオーディオ的な音質が比較されるような状況ではなく、音質も大したものではありませんでしたが、それでもPC-9800系のCバス用音源ボードのPCM部分よりはずっと音楽再生向きの音質ではありました。より高価なCreative SoundBlaster Live!なども人気を博していましたが、こちらも音質面では特に語るべきものではなく、音楽再生用としてみた場合のYMF7x4搭載製品のコストパフォーマンスの良さがより際立つ結果となったのです。
当時本体内蔵PCM音源のCPU占有率の高さに悩まされていたPC-9800系ユーザーは、PCIスロットに余裕があればYMF7x4搭載製品を使う例が多かったようです。私自身もこの製品ではありませんが、やはりYMF724搭載製品を、PC-9821Xt13で使っていました。YMF7x4も、実はSoundBlaster Live!と比較するとCPU占有率はかなり高かったのですが、それでも内蔵音源よりは数段快適だったのです。
さすがに今となっては使う場所も環境もありませんが、当時は複数枚揃えて色々なPCに使っていた思い出のある製品群です。
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購入金額
500円
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購入日
2000年02月頃
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購入場所
ふっけんさん
2014/02/10
YMF-719/724/744/754とも保存してあります。
内蔵のXGのMIDI音源は音質はそれなりですが結構好きでした。
Windows世代の私から見ると、当時のMIDIファイルをMediaPlayerで再生するとファミコンのような音になりましたからね(^^;
jive9821さん
2014/02/10
ただ、エフェクトの類がサポートされていなかったことや、音色そのものの質の違いもあり、単品モジュールと同列で論ずることの出来るものでもなく、結局私はハードウェアの音源モジュールに頼っていましたが…。
S-YXG50相当のソフトウェアMIDI音源は、Windows 2000/XPであればMicrosoftの「YAMAHA XG WDM SoftSynthesizer」として用意されているんですよね。最近のPCであればCPUに余裕があるので、意外と良い感じに鳴ってくれます。