※3/30 レビューの視点「問題点」の内容を変更しました。
大き目なのでケースはちょっと選ぶが、よく冷えて音も静か。
世間の評判も上々で、価格.comでは売れ筋1位のド定番CPUクーラーだ。
■公式サイト 商品詳細
http://www.scythe.co.jp/cooler/kotetsu.html
ここ数年、また自作するようになって、初めてこいつを導入した時、性能だけでなく
組み込みのしやすさがとても素晴らしく、とても気に入っている。
あまりに気に入ってしまったので、新たに組むパソコンにはほとんどこれを選んでいる。
もう、自分・他人・会社のパソコン含めて10台近くは使ったと思う。
いつもは近所のパソコンショップで買うのだが、忙しかったのでAmazonで入手した。
すっかり見慣れたパッケージだが、ちゃんと「LGA1151対応」とシールが貼ってある。
また、シールだけでなく「LGA115x」と印刷されている。
(LGA1155もOKってことだろうけども)
今回、新たに組むパソコンのCPUは、Max TDPが95Wな「Core i7-6700K」だ。
リテールファンが付属しないため、自分で用意しなくてはならない。
こいつにでもいけたんだから大丈夫だろうと、今回も虎徹を選ぶつもりでいた。
それでも一応公式サイトで対応状況の確認をしてみた。
■サイズ CPUクーラー Skylake対応表
http://www.scythe.co.jp/etc/skylake.html
サイズでは「Core i7-6700K」で性能の検証を行っていて、ちゃんと対応となっている。
(バラック状態での検証というのが、性能的な点で若干気にはなるが…)
箱の中身を取り出してみた。
いつもの構成だなと思いきや、見慣れないパーツが1つ混ざっていた。
LGA1151専用のアルミワッシャーだ。これは前に組んだ時には入ってなかったな。
どうやらこれを使って、取付高さを調節しないといけないようだ。
ねじ止めをする際、このワッシャーがちょこまかと動くので少し手間が掛かった。
わざわざアルミにしてる理由があるんだろうか。私にはどうしてなのかはわからない。
(もしかして、後述のCPUが曲がる問題と関係あるのかもしれない)
ともあれ、きちんとパッケージや内容がこのように更新されているということは、
この製品はとても売れている証拠でもある。頼もしい限りだ。
実際にパソコンを組み込んだ時の様子はこんな感じ。
microATXのケースなので詰まった感じになるが、まだこのヒートシンクは薄いほうだと思う。
ファンが付いている方のメモリも干渉していないし、それでいて後ろにも出っ張っていないから
ケースファンに近づきすぎず、適度な空間を保ってくれている。
今回の構成はSSDと静音電源でGPUなしという構成なのだが、
その状態で普段使いだと全然動いてる感じがしないくらい静かだ。
そのくせちゃんと冷やしているのが、虎徹の頼もしいところだ。
なのでメッシュタイプのケースを選んだとしても、普段使いでCPUクーラーのファン音が
気に障るようなことはほとんどないだろう。虎徹は実に優等生タイプのCPUクーラーだ。
唯一の弱点といえば、飾りっ気のなさかな。ヒートシンクの形状も大胆さはなく、
天板は黒一色にサイズのロゴが入ったものだけでシンプルである。
ちょっと足掻いてみようかと、組込むマザーボード「MAXIMUS VIII Gene」に付いてきた、
ファンの軸部分に貼り付けるデコレーションシールを付けてオリファンっぽくしてみた。
この価格帯の製品ではよく冷えている。満足!
i7-6700kを定格運用(4.0GHz TB4.2GHz)にて室温18~20度程度の状態で、
アイネックスのシルバーグリス(熱伝導率: 9.0W/m・K)を使用したときの温度は、
※測定ツール変えて測りなおしたので修正(3/11)
アイドリング時:21~23度
FF14ベンチマーク時:57~61度
エンコード(高負荷)時:68~72度
短時間での検証ではあるが、長時間のエンコードの時はOCしすぎると注意だろう。
ゲームはシーンによってCPU処理速度にムラがあるので、まだ大丈夫もしれない。
OCをガンガンやる人はもっと上の冷却システムで満足いくまで突き詰めて
いけばよいのだから。普段使いのパソコン用としてはこいつで問題なし!
取付寸法だけ問題なければ、性能や静音としては理想的
取付についてだが、ケースに干渉しないよう気を付ければよい。
基本的には5インチベイがあって、さらに横幅に余裕があるケースなら大丈夫だ。
あとは、PCIeスロットがCPU側にかなり寄っているマザーボードだと、GPUとのクリアランスが
ほとんどないので、大型のGPUを買う時や、既に組み込んでる人が導入する場合は、
マザーボードやGPUの寸法をちゃんと調べておこう。
参考までに別PCで虎徹を使っている様子を載せておく。
上の写真のように、大きいサイズのGPUだと虎徹との隙間が少なく詰まった形になる。
エアフローに拘る人は特に注意が必要だ。(私はGPUの横にファンを1つ追加していた)
これら設置基準を満たしておけば、ファンの音も静かで近くに置いていても
ストレスにならない動作状態でしっかりCPUを冷やしてくれる。
説明書もしっかりしていてわかりやすく、取付けで困ってしまうことはないだろう。
初心者から上級者まで、私としては超オススメの一品である。
重みでCPU基板が曲がる事はないよう対策はしっかりしている
※前置き※
(3/30追記・修正)
他レビュアーさんによる検証の結果、通常使用・環境下において1kgクラスのクーラーを
付けた状態でCPU基板が曲がる事は無かった。
殻割りしたCPUに重量級のクーラーを付けた状態で落下させたり・放り投げたりといった
特殊な状況下で超乱暴な扱いでもしなければ起こらないことが判明した。
これは厳密に言うと虎徹の問題点ではないのだが、SkylakeのCPUと重量級CPUクーラーを
組み合わせた場合に起こりうる問題として注意が必要だと感じた。
虎徹であっても激しい振動を与えると危険かもしれないために注意喚起として書いている。
Zigsowをご覧になっている自作スキーな方々は、パソコンを手荒に扱う事はないと信じて。
あくまでこれはこういう問題が一部の環境下で起こっているという紹介である。
今回、Skylake(LGA1151)のCPUに虎徹を取付けるのは初めてのため、
気になってWebで情報を集めていたら、ふとこんな記事を目にした。
■Intel SkylakeのCPUの一部はCPUクーラーの重みで曲がることが判明! http://voya.hatenablog.com/entry/2015/12/04/101250
Skylakeでは以前のものよりCPU基板の厚みが減った事によって、
CPUクーラー重みに耐えきれずCPU基板が曲がってしまう現象が出ているようなのだ。
掘り下げて調べていくと、クーラーのヒートシンク部とCPUのヒートスプレッダ部が
グリスでひっついた状態でガチっと固定されているため、クーラーに重みが掛かると
テコの原理でCPU基板の曲げに弱い箇所が曲がってしまう。
※リンク先には、痛々しく曲がってしまったCPUの写真が掲載されている
メーカーのサイズ(欧州)では、荷物の運搬を手荒に扱われてしまったことで
上記の被害が出ている事に対し、一部のクーラー使用者には対策用のパーツを支給したり、
運搬の際にはヒートシンクは外してほしいと注意喚起をしているようだ。
ちなみにサイズ(日本)では「MUGEN4」にだけ、この現象について対策や注意喚起をしている。
どうも、ねじでしっかり固定するタイプの重量級クーラーで起こりやすいようで、
緩衝用のバネを使った固定方法であったり、プッシュピンタイプだと問題になっていないようだ。
虎徹でもスペーサーを追加することで密着度を下げてCPUに力が掛かりすぎないよう
対策をしているため、万が一にも曲がる恐れはなさそうだ。
しいて言うなら、古いマザーの虎徹を流用してLGA1151マザーに付ける場合だと、
アルミワッシャーが付いていないので、念のため自前で調達した方が良いだろう。
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購入金額
3,403円
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購入日
2016年02月28日
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購入場所
Amazon.co.jp
退会したユーザーさん
2016/03/07
CPUの曲がる件
自分も調べてたら、どうやら大型クーラーをつけての無理な運搬や揺さぶりが原因らしいと、後サイズが海外で早く対策部品をだしてるときいてたので、対策部品が見れて納得しました。(無理なテンションかかり過ぎないようにしてるぽいですね)
ブリッジ式のやつがとくにテンションが一か所に集中しやすいときいたので
今度もしかしたら6700についてるV8GTSを外すかもしれないので
曲がっているかみるのと(ほとんど動かしていない)エナーマックスのホワイトクーラーにつける時、ブリッジ式なので、薄いスペーサーかませておこうと思います。
参考になりました(*´ω`*)
ポン酢レッサさん
2016/03/07
たぶん、相当荒っぽい扱いしない限り、あんな曲がり方はしないでしょうね。
iPhoneをズボンのポケットに入れたら曲がった件と同次元の話だと思ってます。
なので、ほとんどのCPUファンではそんなことは無いだろうと思うのですが、
誰かが負荷テストなり検証したわけではないので推測の域を出ないですね。
それにしても、虎徹はまだ軽いほうなんですね。V8 GTSは854gもあるとは。
一度外してみてどうだったか、よかったら教えてください。
araragiさん
2016/03/31
V8 GTSもなかなかの重さですが、同じCooler MasterのV10は1200gありますよ
でも上には上がいて昔有った•TRUE Copper
なんてヒートシンクだけで1800g有りましたからね。それにこんなファン
なんてつけたならば2Kgオーバーも夢ではありません。CPUどころかマザーボードすら破壊できるモンスターCPUクーラーですね。
ポン酢レッサさん
2016/03/31
やはり、V8ときたらV10もあるんですね。マザーボードたわみそうだ!
昔CPUが爆熱だった頃もありましたもんねぇ、今のがおとなしいというか。
ケースも腰の高さくらいまであるフルタワーも普通だったので
このころのケースは運ぶのにも一苦労だった記憶があります。
araragiさん
2016/04/02
その方もいろんな方法で検証されているので、見て見ると面白いかもしれませんよ。
ポン酢レッサさん
2016/04/02
ここまでやって再現しないのはなんだか気味が悪いですね。
ご本人も腑に落ちない感じのまま検証されてた感じですし、
結局真相は闇の中?!みたいなオチになっています。
自分も取り外す機会があれば見てみたいとは思います。
といえども既にSkylakeが陳腐化してからかもしれませんが。