レビューメディア「ジグソー」

Pentium 100MHzのPCで3Dゲームが動く

これはPC本体へのバンドルという形で入手したボードです。

以前、親戚にPCの調達を頼まれたときにNEC PC-9821Xa10/K8を買いに行ったのですが、たまたまそこで売られていたのがこのEDGE 3Dバンドル版でした。このボードやゲームは必要ないということで、引き取ってきて使ってみたものです。

付属していたのはこのEDGE 3D 2200XLとゲーム2本(確か「バーチャファイターPC」「パンツァードラグーン」だったと記憶しています)でした。とりあえず動作確認を兼ねて、PC-9821Xa10/K8にボードを装着し、バーチャファイターPCをインストールしてみました。

このEDGE 3Dは単なるビデオカードというわけではなく、ビデオカード+サウンドカード+ゲームポートインターフェースという複合機能ボードでした。ゲームポートがセガサターン互換だったという辺りがなかなか面白いところです。

当時はMatrox Millenniumが高速ビデオカードといわれていた時代であり、3D環境など一般ユーザーには縁のない時期でした。



しかし、このEDGE 3D 2200XLを使うと、粗いポリゴンでしかないものの3Dゲームが軽快に動くのです。これには当時大いに驚かされました。もっとも、このボードに対して好印象を持っている人は殆どいないと思いますが…。

以前少し触れましたが、EDGE 3DはNVIDIAのデビュー作nV1を搭載するビデオカードでしたが、私が入手したこのEDGE 3D 2200XLに搭載されているのはnV1の機能互換下位モデルとなるST Microelectronics製STG2000でした。nV1と比べると速度性能も画質も明らかに落ちるものでした。nV1でも特に画質が良いわけではないのですが、STG2000はもはや色が不正確という程の酷さでした。

また、私の場合はPCバンドル版ということもありスムーズに導入出来たのですが、そもそも正常に動かすだけで一苦労といわれるほどセットアップがしづらい製品でもありました。さらにバンドルゲームは専用APIを利用していたため快適に動作したのですが、DirectX性能は決して高いわけではなく、また互換性もあまり良いものではありませんでしたので、一般的な環境で使うメリットは乏しい製品でもあります。

出来ればnV1を搭載した上位モデルのPC-9800対応版を使ってみたかったところですが、もともと流通量も極めて少なく、現物を見たこと自体がほんの数回というレベルであり、残念ながら入手出来ませんでした。

もう少し完成度が高ければかなり面白い存在になっていたと思われるだけに、惜しい出来の製品だったといえるでしょう。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • Schrödingers Katzeさん

    2013/10/27

     製品では削除されていますが、I-O DATAの、GA-PVR3D4/PCにもサターンのインターフェイスは載せるつもりだった残骸があります。
     実際には多くのパーツが未実装になっているので使えませんし、IF-SEGAとも実装パーツは違いそうな雰囲気ですが。

     IF-SEGA2/PCIの方では今度はサンプルボードにはあったメモリが消えているので、PowerVRとしては死んでいるtというなんとも、色々あれだったりする感じです。

     このボード自体はわざわざ機種が設定してあるように、PC/ATの板を98x1に挿すと本体が壊れるという代物だったような記憶です。
     BIOS云々以外にも、ハードウェア的に少し異なってるらしいです。

     時期的にもVoodooがまだ生きてた時代ですし、実際のアプリケーションもDirewct3Dを使いたがらないところが多かったような時期ですしね。
     セガラリーとか、VirtureFighter2辺りもパッチが出るまではDirectDrawを使って自前でラスタライズして出力してましたし。
     ハードウェアに頼るほうがパフォーマンスは圧倒的なんですが、時期的にはそれ以前に期待するほど「同じ動作にならない」事が多かったようで。

     性能が高かろうと、表示が崩れたらこういうデバイスはあんまり意味がないんですよね…。
  • jive9821さん

    2013/10/27

    コメント有難うございます。

    IF-SEGAのPCI製品は、PCA-ISAのブリッジ機能を使うためだけにPowerVRを搭載していたという、ある意味贅沢なボードでしたね。よほど安く入手出来たのだと思いますが。

    この時期のDirectXはまだ実装も貧弱でしたし、結局各社の独自APIで何とかゲームを動かしている印象でした。結局短期的に見れば3DfxのGlideが競争に勝ったのでしょうが、3Dfxもあっという間にNVIDIAに吸収されてGlideも消えてしまいました。

    PCの場合はまずあらゆる環境で意図通りに表示させることが難関ですし、表示出来ると今度は速度性能を求められるわけで、当時の各ベンダーも苦労したのでしょうね。

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