光害地に住んでいると暗い夜空を求めて遠征することになるのですが、仕事のある平日はなかなかそうはいきません。
でも週末が晴れるとは限らないし、月齢も気になります。そうなると夜空が明るくても晴れた夜は自宅で星空の撮影をしたくなるというのが人情というものです。
そこでこのフィルターを購入してみました。
このフィルターは水銀やナトリウムの輝線スペクトルの部分をカットして、OIII、Hβ、Hαといった天体が多く出す光のスペクトルを透過する特性を持っています。すなわち地上の人工光をカットして天体が出す光を多く通すことで無駄に明るい夜空でも天体をよりよく見せてくれるわけです。
どの程度の効果があるのか分からなかったのですが、到着した晩が晴れていたので試写してみました。春霞とPMなんたらと近所の街灯の影響で自宅の玄関前では3等星が見えない空でした。でも雲もなく晴れていることは晴れています。
このフィルターをデジタル一眼レフカメラの内部に装着してレンズを装着します。フィルターをカメラ内部に装着できる機種はCANONの一部の一眼レフカメラです。世界的に天体写真の分野ではCANONが優勢なのでCANON用以外はなかなかこの手のフィルターが販売されていません。Nikonを使用することが多い私も最近は天体写真に関してはCANONのボディを使用しています。
このフィルターを装着したカメラにはEF-Sレンズ、いわゆるフルサイズ用ではなくAPS-C用のレンズが使用できません。EF-Sレンズを使用したい場合はレンズ後端を削る必要があります。
私はマウントアダプターを介してOlympusのOM用ZUIKOレンズを付けて試写してみました。
何ということでしょう(←Before After風に読んでください^^;)
こんな(無駄に)明るい空では写ったことのないNGC7000がくっきりと写るではありませんか。NGC7000はその形から「北アメリカ星雲」と呼ばれているハクチョウ座にある星雲です。主にHαという水素の輝線スペクトルを放っている星雲なのでこのフィルターで撮影するにはピッタリの対象です。
自宅前の(無駄に)明るい空でも天体写真を楽しめる。このフィルターを装着すると平日でも眠れない日々が続きそうです(笑)
ちなみに作例の撮影データは以下です。
EOS KissX4(改) + Astronomic CLS(CCD)Filter
OM ZUIKO 90mm F2/2.8
ISO6400 30sec ×9枚
スカイメモにて追尾
IS7にてコンポジット後レタッチ
トリミングなし
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購入金額
20,500円
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購入日
2013年05月09日
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購入場所
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