彩色はなく経年による湿り気を感じる深い艶が美しい。
セヌフォとしたが確証があるわけでなく、コートジボワールのバウレ族やヤウレ族たちが彫る作風に通じるものを感じ、手持ちの資料集に掲載されているセヌフォのマスクに雰囲気が似ていたのでそうした。
面長の顔の両脇には絡みつく蛇が彫られている。
蛇は古くから信仰の対象だった神秘的な生き物。
脱皮を行うことから豊穣や多産、永遠の生命力の象徴であり、神の使いとしてアフリカ大陸においても崇められていたようである。
マスクの頭頂には男の子が両脇に寄り添う鳥を抱え込むようにのっている。
仙臺四郎に似た、ちょっと惚けた表情が愛嬌を感じさせる。
開花した極楽鳥花と。
彫りは深いがどちらかというと端正な顔である。
近代西洋的な感覚を持ってして見れば奇怪な面相にしか見えないのだが、西洋美術が到達することの出来なかった極めて純度の高い美しさを強く感じる。
森羅万象に精霊を見、その何人も超えることのできない自然から、生きることを与るかのように生活していた古代アフリカ人の生命力や息吹が、そこに無意識の美となって存在しているように感じる。
能面と同じく見る角度や光線の加減によって、静謐な表情から悲哀感、喜悦の表情と容相が変貌する。
3年ほど長らく気になり続けていたマスクであったが、お店の方のご厚意でずいぶんと安く手にすることが出来た。
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購入金額
10,000円
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購入日
2013年03月18日
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購入場所
北のラブリエさん
2013/03/23
直線で出来た街に住んでいるとなかなか巡り会わないような。
めぐりさん
2013/03/23
物撮り写真が随分グレードアップされていっておりますねぇ。。
退会したユーザーさん
2013/03/23
その面に投影されるのでせうかねぃ(・・
同じ趣旨の面を打っても
その時の感情で変わるのでせうか・・・
vingt-et-unさん
2013/03/24
>チカラ
そうですね。神秘的でありながら、力強く漲る生命感が同居しているように感じます。
呪術的であり超自然的であり。
土偶などにも共通する純朴な祈りのこころが、無意識の美になっているように感じられます。
vingt-et-unさん
2013/03/24
感無量です。
大切な品がまたひとつ増えました。
>物撮り写真が随分グレードアップ・・・
へへ・・・武器も手に入れましたから。。。
vingt-et-unさん
2013/03/24
やはり祈りのこころが表徴されたものが、この面のかたちなのだと思います。
様々な感情の波の痕跡がこころの襞となっていくように、面のひとつひとつに同じ物はないと思います。