jamiroquai。JAZZにFUNK、SOULといったクロっぽい味付けをしたジャンル=acid jazzというムーブメント終盤にまさにその名を冠した「Acid Jazz Records」よりデビューした彼ら。acid jazzジャンルの最大の成功者であり、そのジャンルを代表するような立ち位置だが、実は音楽性としてはacid jazzジャンルの中では最もJAZZから離れた方向にある。ジャズというよりファンク、前衛ファンクとでもいえるような味付けの曲が当初のカラーだった。
デビューシングル「When You Gonna Learn」にオーストラリアの民族楽器「Digeridoo」を使った前衛的な彼らも、3作目のこのアルバムではかなりポップになる(Digeridooを使った曲自体はまだ残るが)。とは言ってもバンドメンバーとしては、鮮烈なデビューの頃からjamiroのボトムを支えたStuart Zenderと曲づくりで多大な貢献をしたToby Smith(ともに現在は脱退)が健在の最後の作品で、かなり初期の薫りが残る。
「Virtual Insanity」。床の方が動く、という意外なPVでJ Kayのやっぱりヘンな踊りが楽しめる曲。一拍目の裏に入るというピアノの長音、所々に挟まれる7小節構成がこの曲の不安定さを強調している。これがJ Kayだ!そして初期サウンドの要、Stuartが特徴的な相変わらず音圧の高いベースを弾いている。これぞjamiroという感じの静かなグルーヴの曲。まさにAcid。
「Travelling Without Moving」。アルバムタイトルでもあるこの曲は、相変わらずベースパターンが印象的。フェラーリのエキゾーストノイズに続いて、細かく刻んだ16ビートのドラムで始まるが、Aメロに入るとスラップでは「ない」オクターヴ奏法とハイハットオープンを使った8ビートといった風情。それがサビではまた戻り、ブリッジはベースソロとでも言うべき造り。ベース大活躍。
「Spend A Lifetime」はピアノとストリングスを中心に、ベースとミュートされたエレギで静かに奏でられるバラード。後半にドラム入ってエレギがグィィーンと....なんてありきたりには行かずに、ストリングスが盛り上がるだけの静けさ。J Kayは相変わらずCOOLな歌い方で、熱を感じさせない。
前2枚よりよりCOOLになった曲調。J Kayの曲のアイデアも尽きることなく、このまま行くかと思われたが、Stuartが本作限りで、そのあと長く残ったTobyも6年後には脱退してしまい、現在オリジナルメンバーはJ Kayのみ。J Kayという稀代のボーカリストの比重と彼が中心になって書く曲の存在感が大きいので、その後の作品もまごう事なきjamiroなんだけれども、そのボトムの安定感やCOOLな音作りは、StuartやTobyの力も決して少なくなかったんだな、と後から俯瞰すると良く判る、ターニングポイントとなったアルバムです。
【収録曲】
1. Virtual Insanity
2. Cosmic Girl
3. Use The Force
4. Everyday
5. Alright
6. High Times
7. Drifting Along
8. Didjerama
9. Didjital Vibrations
10. Travelling Without Moving
11. You Are My Love
12. Spend A Lifetime
13. Do U Know Where You're Comming From (featuring m-BEAT)
「Virtual Insanity」
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購入金額
2,000円
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購入日
1996年頃
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購入場所
れいんさん
2013/01/11
スキスキスー
ほかのじゃ
やーよ
ナンチャンさん
2013/01/11
一発でわかりました(^o^)
cybercatさん
2013/01/11
れいんさん、やっばりカップヌードルは世界の味なんでしょうかっっ!www
cybercatさん
2013/01/11
takamizuさん
2013/01/11
当時の洋楽チャートでは怖いもの無しの人気でしたね。
このアルバムは個人的に大好きです。
cybercatさん
2013/01/12
>当時の洋楽チャートでは怖いもの無しの人気でしたね。
そうですね。膨大な数のmaxiが出て...←イヤほとんど持ってますがw
>このアルバムは個人的に大好きです。
アクの強さでは前2作にかないませんが、濃いところを残しながらも、COOLな温度感がある良盤だと思います。
きっちょむさん
2013/01/12
こいつのおかげで邦楽よりも洋楽が好きになっちゃったんですよねw
cybercatさん
2013/01/12
>こいつのおかげで邦楽よりも洋楽が好きになっちゃったんですよねw
それくらいのインパクトのある作品でしたね。