発売から約4ヶ月。Windows 8の販売は苦戦しているようですが、Windows 8搭載マシンは続々と発売されているのも事実です。発売されているPCもローエンドのものからハイエンドなものまで様々ですが、私が注目したいのはゲームマシンとして発売されているWindows 8搭載PCです。新しいOSに載せ替えると今まで使っていたソフトに不具合が発生することも多々ありますので、ならばPCゲームならどうなのか？　本当にWindows 8搭載ゲームPCを購入してもいいのか？　そんな疑問が出てきてしまいます。

　そこで今回はPREMIUM PREVIEWの場をお借りして、Windows 8でPCゲームの動作を確認する

「ゲーム用PCにWindows 8を搭載しても大丈夫か！？」

というお題で、各種ゲームの起動を検証していきます。

## Windows 8にするPC環境 ##

CPU：Core i7-3770k
M/B：ASUS P8Z77-I DELUXE
メモリ：Patoriot PV38G213C1K 2133Mhz
PSU：SCYTHE 剛力短2 700w
VGA：GALAXY GF PGT660Ti-OC/3GD5 (Driver:Ver.310.90)
ケース：SilverStone SST-SG07B（ケースファン無）
SSD：PLEXTOR PX-256M5S

　マシン構成は以前に3770Kで組んだゲーム用PCそのままです。

　Windows 8だからというわけではありませんが、インストール用に新しいSSDを購入しました。PLEXTORのPX-256M5Sです。M5Pの廉価版という位置づけの製品ですが、私が一番長く使い続けていたCrucialのM4よりはずっと高速なSSDです。というか速いです。速さだけ見ると、「何が廉価版？」とか思ってしまいます。まぁNANDが違うんですけどね。

　とりあえずWindows 7をインストールしているSAMSUNG SSD 830 MZ-7PC256Bに比べると1段とはいわないでも、0.5段くらいはスペックダウンになりますが、全体の構成としてはゲームマシンと呼んでも差し支えないスペックだとは思います。

## Windows 8をインストール ##

　それではWindows 8をインストールします。と、いっても特になにか問題が起こるわけでもなく、1時間もかからずにインストールは完了します。

　Windows 8は本当にインストールが速いですね。これだけでもWindows 8にアップグレードしたくなる要因のひとつだと思います。ただ、クリーンインストールを繰り返すとMicrosoftに電話する頻度も高くなるので、ここはWindows 8の難点です。インストール直後のバックアップを取っておけば問題は減りますが、そんなのめんどくさいという自作erも多いでしょう。とりあえず私はそうです。このへんはもう少し緩くしておいてほしかった……。そんな風にも思います。

　インストールも、インストール後も問題が発生することはありませんでしたが、ちょっと感心したのが、周辺機器への対応です。

　このM/Bには802.11 a/b/g/n WiFiが搭載されていますが、Windows 8をインストールした直後から無線LANルーターを認識していました。そのまま接続も可能です。ホームネットワークの構築も簡単ですし、このへんはさすがWindows 8です。

　とはいえ、このままではモニターのスケーリングなどの設定はできません。VGAの最新ドライバーをDLしてインストールします。

　何やらWindows 8の素晴らしさを垣間見た気もしますので、今回のWindows 8のインストールで行ったことは次の3点だけに留めました。

・M/BのBIOSをアップデート

・Windows 8をインストール

・最新のVGAドライバーをインストール

　これだけです。これだけでゲームソフトの起動検証を行ないます。

## ゲームをインストール&遊んでみる ##

　さて、実際にゲームをインストールして起動して（遊んで）みましょう。

　今回、私が必須課題として選んだタイトルは「BATTLEFIELD3」 です。これをWindows 8上で起動してみます。

　何も問題はなかった……。

　本当に何も問題ありませんでした。インストールから起動までスムーズに行なえて、むしろ拍子抜けですね。

　まぁ、変なSSが1枚撮れましたが……。

「RPG！　RPG！」

　戦車を回頭！！

「あああああああああああああああああああああああああ」

　そんな感じのSSでしたw

　戦車はちゃんと回頭しているし、敵の迎撃もできているのですが、画面上に流れる「あああああ」がウザいことウザいことw

 　この時に使っていたデバイスがこちらのキーボードでして、Windows 8と相性が悪かったのでしょうか？　もしくは、机上にキーボードが3つもあったので知らないうちに変な操作を行なってしまったのか？　たぶん後者でしょう。このキーボードはセットアップ時にしか使わないし、セットアップ時に問題があったわけではないので、この件に関しては問題視せずに棚上げしました。ただ、もしかしたら相性があるかもしれないので、Windows 8とこのキーボードを組み合わせて使う人は少し気にしておくといいかもしれません。

　さて、OriginのゲームはBATTLEFIELD3しか持っていないので、Originはここまでです。

　次に他のゲームも試していきます。できるだけ多くのゲームを試すために256GBのSSDを購入したのですから、可能な限り詰め込んでいきます。まずはSteam系ですね。

　ＬＥＦＴ4DEAD 2

　ＳＫＹＲＩＭ

　ＳＬＥＥＰＩＮＧ ＤＯＧＳ

　ＳＮＩＰＥＲ ＧＨＯＳＴ ＷＡＲＲＩＯＲ

　ＤＥＡＤ ＩＳＬＡＮＤ

　以上5本のゲーム。すべて問題ありませんでした……。

　これもですか……。これも、すべて問題ありませんか……。

　ただ、Ｗｉｎｄｏｗｓ 8のせいというわけではないトラブルもありました。

　ＤＥＡＤ ＩＳＬＡＮＤを起動しようとしたら上のようなエラーが発生しました。これは、ユーザーフォルダが日本語になっていたためのトラブルです。

　Ｗｉｎｄｏｗｓ 8は新規でアカウントを作成するときに、住所から電話番号、姓名を記入します。日本語で姓名の記入を求められるので、つい日本語で記入してしまった人もいると思います。私がそうですから……。これによりユーザーフォルダが日本語になってしまい、ゲーム起動時に新しいプロフィールが作成できなくて起動できなくなるというトラブルが発生します。

　今回はＤＥＡＤ ＩＳＬＡＮＤとＳＮＩＰＥＲ ＧＨＯＳＴ ＷＡＲＲＩＯＲでこのようなトラブルが発生しています。

　Ｗｉｎｄｏｗｓ 8のせいではありませんが、Ｗｉｎｄｏｗｓ 8らしいトラブルといえるかもしれません。そのため、Ｗｉｎｄｏｗｓ 8をゲームマシンにインストールする場合は、あらかじめ英字でアカウントを作成しておくといいでしょう。すでに日本語でアカウントを作成してしまった場合は、改めて英字で新しいアカウントを作成し、そのアカウントでログインすればこの問題は回避できます。

　さて、ＯｒｉｇｉｎおよびＳｔｅａｍのゲームを検証してみて、まったく問題が発生しないというのは面白くありません。まぁ、ＯｒｉｇｉｎとＳｔｅａｍはオンライン上で接続するため、問題があってもすぐに対応できてしまうのでしょう。人気が高く、比較的新しいゲームということもあって、対応も速いのかもしれません。

　そこで今度はオンラインゲームを試してみます。私はＸＰ以降は動作保証の対象外と突っぱね続けているオンラインゲームを3年続けた経験があるので、割りとオンラインゲームの対応には懐疑的です。

　機動戦士ガンダムオンライン

　比較的重めのオンラインゲームで、それなりに人気も高いガンダムオンライン。zigsowにプレイヤーは多そうです。

　まぁ、これもまったくといっていいほど問題ありませんでした。問題があるとすれば私の腕だけですね。高機動型ドムを使っておきながら、敵に近づくこともできないとは……。

　ん～、スムーズです。ここまでスムーズ過ぎるほどスムーズに事が進んでいます。なんか問題の発生するゲームはないのでしょうか？

　そこで、今度は若干古めのゲームを試してみます。

　SUPER STREET FIGHTER Ⅳ AE

　GUILTY GEAR ISUKA

　ソニコミ

　ビキニカラテ2

　古過ぎず、新し過ぎないタイトルといったところでしょうか。もっとも、古いゲームは持ち合わせていないんですけどね。

 以上4本のゲーム。問題ありませんでした。またしても問題ありませんでした。ビキニカラテ2には期待したのですが、Windows 7で起動したように、問題なく遊べました。あ、それとソニコミだけはインストールしただけで、遊んでいません。アクティベーションに失敗したためですが、ここまでの経験でインストールにさえ問題なければ起動も問題無いだろうという判断です。

　しかし、ビキニカラテ……。お前くらいはなにか問題起こすんじゃないかと思っていたのに……。問題なのは存在だけでしたね。

　というわけで、以上10本のタイトルをインストール、起動してみました。

結論：

 「Windows 8で問題の発生するゲームはなかった！！」

　ビキニカラテも含めてもね。

　それにしても、驚くほど拍子抜けの結果です。個人的にはWindowsの下位互換性はあまり信用していなかったので、この結果には驚きです。Origin系とSteam系はともかく、それ以外はなんかしらのトラブルがついて回ると思っていたのですがね。 これはもうWindows 8を褒め称えるしかないのでしょうか？

　もしトラブルの発生するゲームが有るとしたら、それはWindows 8が問題なのではなく、そのゲームに問題があるということですね（それは当たり前か……）。

　そして、問題が発生したらSSを撮ろうと身構えていたので、なにも問題が起きなかったためSSがほぼない内容となってしまいました……。

## 周辺機器を試してみる ##

　さて、あんまりにもスンナリとゲームの起動ができてしまったので、次は周辺機器を試してみましょう。もちろん、PCゲームを検証したのですから、使うのはゲーミングデバイス（自称含む）です。 

　まずはゲームプレイに、PCの操作に必要なマウスとキーボード。

　A4TECHのG800Vキーボードと同じくF3-JPマウス。両方共X7シリーズのゲーミングデバイスとして発売されている私のマストアイテムです。

　X7シリーズの特徴はメモリを内蔵してボタン操作を変更したり、マクロを使用できます。G800Vは、PCに接続した瞬間から他のPCで設定したボタン機能が使えました。F3-JPもほぼ問題ないのですが、デフォルトでバースト射撃が可能なセンターボタンは機能していませんでした。ですが、デバイスの認識は問題なく、ゲームプレイも快適に行なえました。F3-JPはボタンひとつでマウスのdpiを変更できるので、FPSの移動と標準時でdpiを変更して確実な射撃をするのには適したマウスですね。

　基本的には標準的なUSBキーボードとマウスなため、デバイスの認識に問題がなければ普通に使えます。最低限それで問題ないのですが、このキーボードとマウスはマクロが設定出来ます。設定用のソフトはどうなのか？　それも気になります。

　いや～、これも問題ありませんね。このソフト、随分前から更新されていないのでどうなるかと思いましたが、Windows 8でも問題なく使えそうです。

　さらにゲーミングPCの必需品ともいえるデバイスとしてゲームパッドを試します。

　MicrosoftのXbox 360 Wireless Controller for Windowsです。

　これも問題ない。というより素晴らしいのひとことです。

　レシーバーをPCに接続したらドライバーが読み込まれて、そのまま使えます。わざわざ付属のソフトをインストールする必要もなく完璧に動作しますね。真ん中のXボタンを押せばSteamが起動して、そのままゲームが起動できます。さすがMicrosoft製、いうことなしです。おかげで他に調べることも書くこともありませんよ。

　以上3点。最低限必須と思われるゲーミングデバイスの検証は無問題。これで完璧に、快適にゲームが楽しめます。

## 最後に ##

　Windows 8は繰り返し起動の速さやシャットダウンの速さが取り沙汰されますが、実際にはもっと深い所で作業処理の最適化が行われており、ファイル転送やソフトの起動等などパフォーマンスアップが見込める部分もあります。

　そこで、端的にOSの違いによるパフォーマンスの変化はあるのか、3DMarkを使用して確認できないか試してみました。

　PC構成は次の通り、違いはSSDとOSだけです。

【Windows 8 Pro 64bit】

 CPU：Core i7-3770k
M/B：ASUS P8Z77-I DELUXE
メモリ：Patoriot PV38G213C1K 2133Mhz
PSU：SCYTHE 剛力短2 700w
VGA：GALAXY GF PGT660Ti-OC/3GD5 (Driver:Ver.310.90)
ケース：SilverStone SST-SG07B（ケースファン無）
SSD：PLEXTOR PX-256M5S

【Windows 7 Home 64bit】

CPU：Core i7-3770k
M/B：ASUS P8Z77-I DELUXE
メモリ：Patoriot PV38G213C1K 2133Mhz
PSU：SCYTHE 剛力短2 700w
VGA：GALAXY GF PGT660Ti-OC/3GD5
ケース：SilverStone SST-SG07B（ケースファン無）
SSD：SAMSUNG SSD 830 256GB MZ-7PC256B

　結果は誤差範囲ぽいけど若干スコアがアップしている部分があります。顕著なのはICE STORMですね。CLOUD GATEで若干下がり、FIRE STRIKEでちょっとだけ上がっています。軽い処理ならWindows 8に優位性があるのかもしれません。

　というわけで、ゲームを中心にWindows 8を検証してきましたが、結果は先に書いたとおり何の問題もありませんでした。

「ゲーム目的でもWindows 8は安心して使える」

　といえるでしょう。

　むしろ、ゲーム以外の部分でWindows 8は7よりも優れている部分が多いので、これからはWindows 8を選んだほうがいいかもしれません。とはいっても、UIの好みもありますので断言するのも難しいのですがね。個人的にはメインPCを7から8に変更したいと思っているくらいなので、やはり推していきたいOSですね。本当に、問題なのはUIだけなんですから。

 【余談】

　私がWindows 8一推しに考えを改めてしまった理由のひとつがこれです。

　このM/BとWindows 8の相性がかなりいいんですよね。

　こいつにはDL版のWindows 8をインストールしたのですが、C60なんて低スペックなAPUなのに、Windows 8はかなり快適に動きます。しかも、ASUSはこのM/BのWindows 8対応をしてくれないのでドライバー類の更新がない状態なのに、Windows 8を動作させるのに問題がありません。新しいVGAドライバーを入れてあげれば、普通に使えるといった状況でしょう。多少の問題はWindows 8が解決してくれるといえます。ネットワークの構築も簡単ですから、このままファイルサーバーとしても使えますね。

　Windows 8不振の理由は、こういう利便性が上手くアピールできていないことが原因なんですかねぇ。あとはDL版の特別価格が継続していれば、これからどんどん売れるOSな気もしますが……。まぁ、無理ですかね。どう考えてもMicrosoftは商売を見誤っているとしか思えませんよ。本当に。