所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ファンがアーティストに期待することはなんでしょうか。いつも新しい事への挑戦?より凝った造りの曲の発表?でもファンが期待するのは案外「変わらないこと」なのかも知れません。期待を裏切らない、そんな活動を長く続けたバンドをご紹介します。
The Radiators。アメリカンロックバンド。でも知る人ぞ知る。これ識っていたら結構ツウ。
彼らは基本ハウスバンドで、New Orleansのライヴハウス、“Tipitina's club”を根城にして毎夜陽気なサザンロックを奏でていた6人組のバンド。ツインギターとキーボード、ベースとドラムス、パーカッションという構成。
“野郎ども”というのがピッタリ??
「This Wagon's Gonna Roll」は王道のサザンロック。ピアノのコードカッティングから始まり、2本のギターのリフ(もう1本オーバーダブが聴こえるが)と4つ打ちに近いアクセントの8ビートリズム、サビのところのコーラスの入り方、ブレイクの部分のピッキングハーモニクス、すべてが定番だ。少しカントリーちっくなラインとブルーススケールのギターソロが時代を感じる。
「Doctor Doctor」。左右の2本のギターが少し違うラインを弾きながら全体としてひとつのリフパターンになっているのがおもしろい。ギターは役割分担明快で、ひとりはディストーションが良く効いた太い音でコードワークを、ひとりはスライド風の奏法をはさみながら装飾。ゴーカイにウエスタンにキメる。
「Sparkplug」..ラジエイターズだからスパークプラグ?wブギ風に始まるハッピーな曲。シャッフル気味に跳ねるビートと古典的リズムのギターソロが懐かしい。
Doobiesの前期とか、Eaglesの初期のようなカントリーロックの風合いがある。テクニックではなく、技術でもなく、まだ音楽が商業化される前の「音楽したいから演るんだ」という解りやすさ。
学生時代の初聴時はあまりの技巧のなさストレートさに軽く見てしまったけれど、音楽界というビジネスシーンにおいてメジャーアルバムも出しながら、このストレートさを保つのは相当なパワーが要る。
そんな「変わらない」彼ら、Epicから本作を含めて3枚のアルバムを出したあたりがチャート的頂点だったが、それでも結成当初からメンツを替えずに活動を続け(この作品のあとのあたりでパーカッショニストの退団のみ)、昨年(2011年)に活動停止するまで33年間オリジナルメンバーを保ったというのだからスゴイ。
移りゆく世の中に対して、変わらないこと。
年を経て、歳を重ねても、揺るぎないこと。
大人になってその大変さがわかった、そんな作品です。
【収録曲】
1. This Wagon's Gonna Roll
2. Like Dreamers Do
3. Doctor Doctor
4. Oh Beautiful Loser
5. Suck The Head
6. Mood To Move
7. Sparkplug
8. Holiday
9. Love Is A Tangle
10. Boomerang
11. Hard Time Train
12. Law Of The Fish...
「This Wagon's Gonna Roll」
こういったハウスバンドがいるということが、アメリカの「文化」
ずっとひとつの小屋のパーマネントバンドとしている存在。
会いに行けるロックバンド??
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購入金額
2,500円
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購入日
1990年頃
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購入場所
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