レビューメディア「ジグソー」

5インチベイ用I/Oボックスが特徴的

店頭に並んでいた頃はオーディオカードとして紹介されていることが多かった製品ですが、実際のところはハイクラスサウンドカードと捉えるのが正解といえるでしょう。

オーディオコントローラーにはICEnsemble製ICE1712(ENVY24)を搭載。24bit/96kHz対応のD/Aコンバーターとなっていますが、これは実際のところCodecと呼ばれるものであるAKM AK4524を採用しています。単体型D/Aコンバーターと比べれば分解能などにおいてやや不利にはなりますが、サウンドカード用としては十分でしょう。

音質は数千円クラスのサウンドカードよりは良く、5万円クラスのオーディオインターフェースよりは落ちるという、ある意味価格相応というべき水準のものです。周波数的なバランスはなかなか整っていますが、やはりより高価なオーディオインターフェースと比較してしまうと根本的な分解能に大きく差が付きます。ただ、ENVY24HTを搭載しているProdigy 192辺りと比べればバランスよく整った音というべきでしょう。

音質面ではそれほど目立ったものはないのですが、DMX 6 Fire 24/96に添付されている5インチベイ用のI/Oボックスはなかなか個性的です。

まず入力端子はLine In、Phono、Digital(Coax/Opt)、MIDIとなっていて、出力端子はLine Out、HeadPhone、Digital(Coax/Opt)、MIDIが備わっています。MIDIインターフェース機能を持つサウンドカードやオーディオインターフェースは少なくはありませんが、Phone(MMのみ)がある製品はそれほど多くありませんからね。もっとも、私自身はレコードの音を取り込む際にも、この製品のPhonoを使ったことはありませんが。

また、外観上判らないのですが、このボックスの蓋を開けると基板上にはWaveBlaster互換のMIDIドーターボード対応コネクタが有り、MIDIインターフェース機能と排他にはなりますが、ハードウェアMIDIに対応させることが出来ます。私も数種類MIDIドーターを揃えていますので、ここに何枚か装着していました。現在は使い勝手の良いNEC PC-9821C3-B02(YAMAHA DB60XG互換)を装着しています。

また、当然公式のものではありませんが、NEC PC-9800シリーズ上でも問題なく動作してくれますので、現在も私の机の上に残っているPC-9821Rv20/N20で利用中です。

少々古い製品で有り、音質も取り立てて優れているというほどではありませんが、この特徴的なI/Oボックスだけで十分に個性的な製品であり、機能などを総合的に判断すればこの1枚を挿しておけば大きな不満は無さそうな製品といえます。
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    不明

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