新興メーカーではあったものの、SiSのグラフィック部門にTrident Graphicsを吸収して出来たメーカーであるだけに、比較的豊富なノウハウを備えていたといえます。
もっとも、母体となった2つのメーカーが得意だったのは、主にマザーボード上のオンボード実装に使われるローエンド系の製品であり、実際にVolariシリーズも最上位のV8 Ultraですらミドルレンジがやっとという程度の性能しか持ち合わせていませんでした。
そこでXGIが採用した手法は、ミドルレンジクラスのチップであるVolari V8 Ultraを2つ並べればハイエンドクラスの性能に匹敵するようになるのではないかというものでした。かつて3dfxがVSA-100チップを複数並べて性能を稼ごうとしていたのと同じような発想です。
投入された物量は当時のNVIDIAのハイエンドであった、GeForce FX 5950 Ultraを搭載したボードと比べてもひけは取りません。当時使っていたASUS V9950 Ultraよりも存在感はありました。
ただ、それに見合った性能を発揮していたかというと、残念ながら「否」です。確かに一部ベンチマークなどではハイエンドクラスに割って入る程度の性能を発揮することもありましたが、多くの場合は当時のミドルレンジであったGeForce FX 5700らRADEON 9600 XT辺りと同等という程度でした。
私もしばらく使っていたのですが、ベンチマークなどで描画が化けることがあまりに多く、念のため代理店に返送したところボード不良により交換となり、そのときに外した後は交換品到着後に動作確認を取った程度で、それ以降使っていません。交換後の個体は、確かに描画化けは大幅に減っていたのですが、代わりに使っていたGeForce FX 5800の方が満足度が高かったためです。
確かにXGIの意気込みは強く感じる製品なのですが、もう1ランク性能を上げられるのでなければ、消費電力や騒音で不利なこの製品が選ばれる理由も特になかったということです。もう少し早く登場しているか、もう少し性能が良ければ結果は大きく変わっていたのかもしれません。
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