AMDが、K8こと『Opteron(Athlon64)』の発売から8年半。
久々の新アーキテクチャである『 Bulldozer 』コアを採用した最初の製品です。
初回出荷から数ヶ月、余りの入手困難と期待外れの性能から「幻のCPU」などと揶揄され、
正規代理店からは、「暫くFX8150のことは忘れましょう」などと言われる始末。
リリースは一年も後なのに、ほぼ同価格帯のi7-2600Kに性能面・消費電力の双方で大きく水を開けられている事から、既に購入自体がネタ扱い。
まあ、既に色々なサイトでベンチマークされ、その劣悪なコスパが散々に酷評されている本製品。
『信者ですら購入を躊躇する』
とまで言われた、AMDが久々に放つ渾身のギャg・・・じゃない、FXに明日はあるんでしょうか?
しかし、我ながら良くもまあここまで酷いこと書けるなぁ・・・。
ただ、使ってみると「言うほど悪くない」というのが、個人的な感想です。
PhenomIIx6-1055Tとの比較で言えば、レスポンスは明らかに良くなっています。
i7-2600Kを使っていた時と、基本的な体感速度に差を感じることはありません。
酷い酷いと酷評されてはいるものの、使ってみたら悪くありませんでした。
むしろ、サブモニタ側でマルチタスク処理させたまま別の作業する、という使い方が基本となっている私には、2600Kで起きたCPUリソースの占領(アプリによっては、3コア6スレッド持って行かれる事がある)が起こりにくいため、使い勝手はこちらのほうが良いくらいです。
ただ、やはり一般的な使い方だと厳しいです。
シングルスレッドでの動作は、i5どころか同クロックのPhenomIIにすらIPC値では劣っており、L3キャッシュの高速化による体感速度の向上こそあれ、シングルでの演算スピードは殆ど速くなっていません。
また、消費電力と発熱は明らかに劣悪と評して良いレベルにあります。
マザーとCPU以外、殆ど全て同じ構成で利用しているにも関わらず、ワットチェッカーの数字は50W近く上回ることがしばしば。
CPU温度についても、2600Kではアイドル状態で30℃を超える事など一度もありませんでしたが、FX8150では常時32℃前後をウロウロしており、最大で45℃近くまで上がります。
これが、純正クーラーでの運用だったらと考えると、正直ぞっとします。
純正運用だと、軽く70℃近く行っている人も珍しくないそうですし。
定格で40℃を超えることが無かった2600Kより、明らかに消費電力・発熱の両面で劣っており、いくらアーキテクチャ的にWindows7では実力発揮出来ないとはいえ、同価格帯のIntel製品と比較して不利な側面は否めないでしょう。
ぶっちゃけますと、PhenomIIx6-1100Tを買う方が、ゲームなどのシングルスレッドの速度が効くアプリでは良好なパフォーマンスを得られる可能性が高いです。
・・・しかし、ポジティブな点を書き辛い製品ですね(苦笑)
文章を書いてて、これほど困る製品もありません。
遅くないし、動作も素直で安定しています。決して悪いCPUじゃないんです。
ただ、比較対象となる相手が悪過ぎるだけ(笑)
では、以下にポチポチとベンチマーク掲載。
厳密に環境整えて取っていないので、あくまで参照程度にして下さい。
・・・まあ、全般的にi5の数字にすら達してませんね(笑)
シングルでの処理能力が低いことによる影響が、ベンチではモロに出ています。
AMD自身、FXのアーキテクチャはOSレベルでの最適化が必要であることを認めており、現状のOSや使い方では、コア数増加の恩恵が得られていないというのが実情と言えます。
今後のトレンドが、AMDの思惑通りに進むかどうかは別ですが。
OSベンダであるMSが積極的というのが唯一の好材料という感じで、Windows8においてどの程度の改善が見られるか、ここにFXのキモがあると言えるでしょう。
ただ、AMDは3DNow!のように、悪くないアーキテクチャなのに「開発環境が足りずに殆ど顧みられなかった」という事例が多いので、そこをどうにかしないと厳しいままだと思います。
最も、設計手法という観点から見ると、FXはこの時点で「もうだめぽ」と言うわけではありません。
コア数増加という観点では、FXは明らかにi7よか向いている設計(クロスバーバスの堅持、コア数に対するダイ面積の縮小設計等)で、かつ高クロック志向のため、プロセスルール更新に伴う性能向上に大幅な再設計を必要としません。
製造部門を切り離したAMDとしては、プロセスルール更新にアーキテクチャが振り回される事態が予想されるため、こうした「長く使え」て「いつ更新があっても、比較的素早く対応出来る」設計は、必須だったと言えます。
アーキテクチャ開発・更新環境がIntelより大きく劣る以上、こうした製品思想は、AMDにとっての「少ない選択肢」におけるベストなのでしょう。
無論、それが市場に受け入れられるか否かは、今後の製品の出来で大きく変わってくるでしょうけども。
とりあえず、AシリーズへのBulldozer採用が、FXシリーズの正否を決める境目な気がします。
ほら、Pentium4だって、出始めは酷評されたでしょ?
・・・まぁ、最後まで、評判良かったとも言いがたいけど(汗)
ま、信者としてはそんなのどーでもいいのです。
Intelがどれだけ速いと言われても、自分の使い方で使いやすければ、それでOKなのですよ!
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購入金額
24,600円
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購入日
2012年01月03日
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購入場所
daiyanさん
2012/01/18
缶ケース欲しいなぁw
Vossさん
2012/01/19
ふっけんさん
2012/01/19
私も発売してすぐに購入したFX-4100が死蔵されているので、
A8と勝負させてみたいですね(^^; 既に4gamerでレビューされていますが・・・・
Vossさん
2012/01/19
そういや、リリースと同時に購入されてましたな。
死蔵させておくには『ネタ的に』勿体ないので、是非とも!