所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。どジャズではない、もっと軽い、あるいはもっとヘヴィないわゆるフュージョン畑を見渡すと、ヴォーカリストというのは多くありません。そんな中現在でも輝きを失わない女性ヴォーカリストをご紹介します。
かつて「フュージョンブーム」というムーブメントがあった1980年代。バンド形態、ソロ、デュオなど様々な形のフュージョンミュージシャンがいた。しかし、一部グループでヴォーカルをフィーチャーしていたバンドはあるにはあったが、意外に「フュージョンヴォーカリスト」というのは少なかった。
阿川泰子は媒体への露出は多かったがジャズシンガー、今はデザイナーの方に力を入れている笠井紀美子も少しフュージョンっぽさはあったがジャズ中心。そんな中、フュージョンの「ど真ん中」で歌っていた歌姫が、マリーン(Marlene)。フィリピン人のシンガーだ。
彼女が、フュージョンシーンで名を広く知られるようになったのは、1981年のTHE SQUARE(後のT-SQUARE)の5枚目のオリジナルアルバム、“マジック”の表題曲「IT'S MAGIC」のカバー(1983年)によるところが大きいだろう。当時THE SQUAREと同じSONYレコードの所属だったマリーンは、フュージョン系ジョイントライヴ等でも彼らと共演する事が多く、原曲で歌っていたキャサリーンより、むしろマリーン版の方がTHE SQUAREの「IT'S MAGIC」と強く結びついている気配すらあった。
そんな彼女が1988年に出したアルバムがコレ、“Affection”。さすがバブりぃな時代の制作?音がド派手!ゲートリヴァーブとリバースサンプリングなどを用いて、キレの鋭いダンサブルな仕上がり。音を聴いただけで「あの頃」が蘇る!
「Watch My Body」は、ハードでダンサブルなナンバー。ドラムスの江口信夫とベースの美久月千晴の堅いリズムに乗せて、伝説のバンド「マライア」の土方隆行のギターが炸裂する。随所に2/4を挟み込んだトリッキーなキメが繰り返されるスリリングな曲。
「Geme Of Fotune」はアルバム通して唯一、クリーンなギターと打ち込みでは「ない」パーカッションが聴ける(これでも)ヘヴィさが和らいだ曲。ここでペッカーのパーカションにのせてクリーンな音のギターカッティングを聴かせるのは鳥山雄司。
全曲通して参加する松本晃彦の、薄く入るシンセストリングスが曲にフィット。
「Can't Stop, Too Hot」は、パワーがあり切れの良いマリーンの歌が堪能できるチューン。ここでドラムを叩くのは、ヘヴィなリズム感で定評のある、やはり「マライヤ」出身の山木秀夫。喰っているのに重い、という独特のリズムを叩き出す山木のドラムに載せて、盟友土方のヘヴィでゴリッと歪んだギターが唸る。矢口博康のつぶれた様な音に加工された、ダーティなサックスソロの直前、ブリッジ部にはマリーンのエロい囁き(喘ぎ?)が!何せサビの歌詞が♪~Too hot/Oh what you do to me/Can't Stop/You're what I want~♪ですから..w(←意訳して妄想して!(^^ゞ)
彼女は一時期メジャーシーンから遠ざかっていたが、最近復活!本田雅人や熱帯JAZZ楽団などと積極的なセッション、作品発表を行っている。まだまだ衰えぬ美声と美貌がすばらしいね!
【収録曲】
1. Watch My Body
2. Affection
3. Love On The Flip Side
4. I Won't Last A Day Without You
5. Geme Of Fotune
6. Can't Stop, Too Hot
7. Touch Me
8. I Won't Give Up On You
9. Do What You Gotta Do
10. Blue Memories
Marlene公式ファンサイト
「Geme Of Fotune」
マリーンの歌声はノッている
ただ、時代柄、バックの加工がスゴすぎて、彼女の歌声をスポイルしている部分もある。
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購入金額
3,200円
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購入日
1988年頃
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購入場所
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