レビューメディア「ジグソー」

ヴァイオリンを歌わせる..

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。弓が踊る、弦が歌う。そんな表現力豊かで感情を伝える楽器ヴァイオリンの魔術師をご紹介します。

中西俊博。ヴァイオリニスト。フィールドはニューエイジ風楽曲~ポップス~フュージョン~ロックまで幅広い。特徴は非常に多彩な音と、叙情豊かな演奏。弓の使い方がダイナミックで、美しい流れる様な音から、ノイズまで表現に取り入れたクラシック畑ではあまりとられないようなアプローチまで駆使してヴァイオリンという楽器を歌わせる。

そんな彼の1993年の9枚目のアルバムがこの“フラッパーと哲学者”。ジャズエイジの小説家F. Scott Fitzgeraldの「Flappers and Philosophers」からタイトルをとったのであろうこのアルバムはとてもいろんな音色と曲調に彩られ、きらきらしている風合いだ。
意外に装丁は渋い感じ
意外に装丁は渋い感じ
出だしの「POKER FACE」は複数のヴァイオリンのオーバーダビングがベンドダウンする様な音で曲に突入し、ピチカートやギターのような弦のコード弾きなど様々な音を混ぜ込みながら、ダイナミックに曲は進む。バックで爆裂ドラムを叩くのはKENSO(当時)

の金髪村の石こと村石雅行!!道下和彦のフルアコっぽいJAZZYなギターソロが痺れる。
3曲目の「WHITE ON BLUE」は中西らしい伸びるヴァイオリンの音を前面に出したロマンチックな曲、途中の複数弦弾きが単なる「きれいな曲」では終えていない。曲の大部分で大石学のピアノとがっぷり組むが、バックが入った時はプリズムの木村万作がブラシを振り回してるし、キーボードはここらへんで

ドラマチックな楽曲を提供していた菅野よう子。
「HAT TRICK」はラテンリズムのハイスピードチューンだが、途中のヴァイオリンソロはもう指が弓がとまらないぜぇ~~という感じ。そう、イメージ的には
この残像が残った写真が彼の七色の音色を表してる??
この残像が残った写真が彼の七色の音色を表してる??
千手観音??ww
かと思えばつづく「IMPATIENCE」は道下和夫のポロポロつま弾くエレギと大石学の生ピのみの「ヴァイオリン+ギター+ピアノ」の珍しい組み合わせのトリオでどジャズ。

このアルバムではいろんな曲想に挑戦してて、万華鏡の様。初期の叙情豊かなものも、最近のしっとりしたのも良いですが、この頃のが一番脂のってて一番元気で楽しい!!ヴァイオリンの声が聴きたい時に!

【収録曲】
1. POKER FACE
2. おきろスネークマン
3. WHITE ON BLUE
4. FAKE GAME
5. HAT TRICK
6. IMPATIENCE
7. SOLID VISION
8. ART OF LIFE
9. フラッパーと哲学者
10. BOOKS TALK AT MIDNIGHT
11. LANDING GOOD

Leaping Bow t-nakanishi.net
  • 購入金額

    3,000円

  • 購入日

    1993年頃

  • 購入場所

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