2Lの排気量は既に決まっていた状況下、「250ps」というなんの根拠もない数字が
開発チームに命題として与えられた。
2Lで得られるトルクは限られている。馬力を稼ぐにはもう回転数を上げるしかない。
そしてEU,US仕様とは異なる高圧縮比を与えられ、9000rpmまで回すという、
量産エンジンとしては飛び抜けたエンジンが完成した。
だがそのつけは、単純なV-TEC機構しか持たなかったS2000にとって、
低回転カムの受け持つ低速時のトルクの薄さとして回ってしまった。。。
これに真っ向から立ち向かい、量産EXマニでは生産性から成し得なかった
ウルトラC的レイアウトで、Podioは勝負してきた。
「究極の4-1 Exマニ。
圧倒的な性能を与えるため、曲げパイプの製法を根本から再検討し、Podioが理想とする
最適集合部位置を完全等長で実現。集合部の形状を再設計し、理想的なものとした。
余裕でF20Cを9,000rpmのリミットまで、一気に引き上げます。
F20Cに於いてすら実現した低回転域からの鋭いトルクの立ち上がりは、F20C, F22Cに対して、
回転全域での素晴らしいトルク、鋭いピックアップ、V-TECゾーンでのワクワクするパワーの
湧き上がりをお約束します。 S2000の走りが変わります。」
というのがPodioの石黒氏の言葉だ。
プロトタイプから見ていた私は、そのトグロを巻いた得も言われぬグロさが醸し出す迫力に期待した。
前モデルのPodio EXマニは敢えて多少不等長だったものだったが、
今度は完全等長。 それも4-1で。
暫くして、商品化となったソレを速攻で購入した。
まず取り付けが普通じゃない。
量産品の様にラインでの生産性等一切考慮しておらず、あくまでも性能を極限まで追求した結果、
レイアウト上エンジンルーム内に溢れ返らんというある種メチャクチャな製品の為、
上からも入らず、下からも入らない。
ステアリングジョイントを一旦切れ、というのがPodioからのご指示である。
しかしステアリングジョイントを弄る事でガタが出る恐れがどうしても嫌で
(微小バックラッシュが出るのを嫌い既に相当詰めたセッティングをしていたので)
エンジンマウントを緩め、エンジン本体を20mm程持ち上げるという必殺技をくり出し、
奇跡的にスルっと上から落として、なんとか収めることができた。(感動)
それでも、ABSモジュレータをエキマニの熱から遮熱する遮熱板とクリアランス0の部分があり、
無理やり遮熱板の干渉部を叩き出し、なんとかクリアランスを5mm程稼いだ。
そしてキレイな焼き色を付ける為に慣らしをしつつのインプレッションが以下の通り。
1200rpmぐらいのトルク”感”はもしかしたら旧Podioの方があるかもしれない。
フィールは無限に近い。
その要因は以下のようなものと考える。
2500rpm~4000rpmあたりまでの吹け上がり(TH開度一定緩加速時)の感じでいうと
無限のときのエンジン回転数の上がりに似て、エンジン自体が軽く回ってる印象。
恐らくこれが発進時のねばり”感”の不足に感じるのではないか。
しかし実際には1~6速でクルーズ可能な最低回転数は落ちており、確実にトルクはUPしているのだ。
結果、低回転からのツキも良くなっていて、粘らずスッと回転が上がると共に予想外に速度が伸びる。
トルクUPがまるでフライホイールマスを軽くしたかの様な回転の軽さに繋がっている。
総じて言うと、
旧Podioに対し、500rpmほど下からトルクが出ている印象。
旧Podioが、「3400rpmからトルクが乗ってくる」というのに対し、
コレは、「2800rpmからトルクが乗ってくる」という感じ。
大雑把に言えば3000rpm以上が”使える”感じ。
これだけでも十分全体にトルクが上乗せされてるのは判るのだが、問題はこの後。
4000rpmから上に行くと一気に音色が変わり、一気呵成の吹け上がりが待っていた。。。
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購入金額
147,000円
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購入日
2007年04月頃
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購入場所
Podio
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