現在ではパナソニックへと吸収された形となった三洋電機製のPCパーツという意味でも珍しい品ですが、それ以上に珍しいのは、この製品は正式にNEC PC-9821シリーズをサポートしているという点です。
実際にはWDM準拠のドライバーが用意されていて、PC-9821側のOSがWindows 98SEやWindows 2000であれば大部分のPCIスロット用サウンドカード・オーディオインターフェースは動作するのですが、それでも正式なサポートを謳っている製品は極めて稀です。
コントローラーにはOAK Technology製のOTI-640を搭載していて、これも他社製サウンドカードではあまり見かけませんが、一時期のNEC PC98-NX系では標準搭載されていたそうです。
商品名に「PowerCard 3Dsound」などと、3Dを強調するような名前がつけられているのですが、これはAurealのA3Dと呼ばれる技術をサポートしていることによるものです。このA3Dは当時比較的多くの製品で採用されていたAureal製のDSP、Vortexシリーズに採用されていたもので、擬似的な立体音響を可能とする技術でした。Aurealは最終的にSoundBlasterシリーズでお馴染みのCreative Technologyに買収され、A3Dの技術の一部は同社が現在のSoundBlasterシリーズで採用しているEAXに含まれているそうです。
最初に書いた通り未開封であるため、音質や使用感について語ることは出来ませんが、PC-9821を正式にサポートしていたと言うことは、当時としては珍しくPC-9821上できちんと動作検証を行っていたということであり、製品の出来は二の次としてその姿勢は高く評価していました。
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購入金額
500円
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購入日
不明
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購入場所
はにゃさん
2013/02/14
音質もそれほどではなく、SB16との互換性がなかったことで、
A3Dのデモを楽しんだぐらいで放出しちゃいました。
PC-PCI リンクというか、SB-LINKが登場する前でしたので、
ISAバス時代のSB16のエミュレーションはできなかったです。
なお、販売していた三洋テクノ・サウンド社はこのカードのみでPCパーツを出すことは無かったとおもいますが、いくつかのコンシューマ製品を出した後、平成18年1月1日をもって三洋電機に吸収合併されています。
jive9821さん
2013/02/14
音質については評判があまり良くないということは知っていたのですが、実際に使われた方のコメントですと説得力がありますね。
当時の環境を考えるとSoundBlaster16との互換性が欠けているというのも少々辛い部分でしたね。音質も大したものではなく、ゲーム用としても使いものにならないとなると、売れなかったのも当然でしょうか。
三洋のPC系部品というと、このようなコンシューマー向けパーツよりも、光学ドライブ用LSIの方が有名でしたね。今となっては三洋自体が無くなってしまったわけですが…。