レビューメディア「ジグソー」

往年の名器の廉価版

私が本格的にパソコンに触れ始めたのは、高校を卒業した年、今から約15年程前の話である。
現在の業界の大学への進学を控え、普及し始めたパソコンに父親が興味を惹かれたということもあり、我が家で初めてのパソコン購入に至った。
それがこのバリュースターである。

当時パソコンが40万円近かった中、30万円を切った価格が注目を浴びた。
いや、我が家では少なくともそこが最大注目点だった。
パソコンのパの字も知らない状態で、使い方も知らない物に大金を出したくないというのが父親の本音だっただろう。
それでも購入に踏み切ったのは、息子にとつて必要になるだろうと考えたためだろうと思うと、感謝の気持ちが湧いてくる。
当時では破格値でも、今ならモンスターマシンが手に入ってしまう値段だ。

CPU が初代Pentiumの133MHz、メモリが32MB、ハードディスクが800MBという構成だ。
ビデオは最大でXGA8bitだったため、VRAMは1MB程度だったのではないだろうか?
現代のスペックと比較する事はできないが、当時としてもミドルとローエンドの中間ぐらいだったと思う。

一世を風靡したPC98シリーズであり、windows95が出始めの頃のマシンである。
PC98シリーズは、グラフィックが扱いやすかったことで、ゲームなどを含めた多数のソフトがリリースされ、盛り上がりを見せていた。
しかし、windowsOSの登場により、AT互換機でもリッチなグラフィックが扱えるようになり、その特徴が薄れていった。
逆に、PC98が特別なアーキテクチャであったため、次第にサードパーティーの対応が少なくなり、数年後には発売元のNECもAT互換機へのシフトを選択する事になった。

我が家で本機を購入し、私が大学へ行って半年後、本機は実家から私のアパートに持ち込まれた。
父は使いこなせないからといっていたが、私に気を使ってくれたのかもしれない。
ただ、半年後、実家に戻った時、新しいパソコンが設置されていたため、本当のところどうだったかはわからない。
今は実家の物置で眠っているが、果たして今も起動するのかどうか気になるところだ。
あの独特の起動音が懐かしい。

今や後継機すらないため、購入することはできない。
ただ、日本で開発された世界に誇れるシステムであり、この技術魂が今の日本開発陣にも受け継がれていることを願ってやまない。
  • 購入金額

    250,000円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • aimaruoさん

    2011/11/02

    当時V13は高くて買えず、V12であきらめた覚えがあります。
  • 蒼-aoi-さん

    2011/11/02

    私は親のスネをかじった形です。
    私の周辺にはV12,V13,v200をそれぞれ所有している人たちがいたのですが、不要になったということで引取りました。
    それらは使われることもなく、捨てるに捨てられず、物置の肥やしになっています。

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