人間が自らが生み出した機械を制御できなくなる、近未来のテクノロジー社会への警鐘。
昭和47年~49年初版刊行。
少年誌連載時から数えると30年以上経っているのですね。
幼少期の私はTV放映の特撮実写番組を夢中で見ていた記憶があります。
左右非対称で半分スケルトンのヒーロー。
黄色いサイドマシーン。
ギルの吹く笛の音。
なんともカッコ良すぎる悪役ハカイダー。
仮面ライダー同様(以上だったかも)に、強いインパクトがあったヒーロー番組です。
崖の上に主役のイチローがギターを弾きながら登場し、キカイダーに変(チェンジ)身するお約束のシーンに心躍らせていると、父親がきまって
「変身する前にやっつけてしまえ~」などとチャチャを入れ、幼少時ながらも不愉快に思った記憶があります(笑)
ピノキオを導入に始まる、寓話とも読める物語。
「人間のもっている”良心”こそあてにならないくせにして・・・・・!!」
はっとする言葉や表現がいたるところに見受けられ、子供のものという感じがしません。
テレビ番組ではあまり感じる事が出来なかった(観ていた年齢も年齢ですので当然かも・・・)、主人公ジロー(キカイダー)の、「良心回路 ジェミニィ」を埋め込まれたゆえの悲哀や苦しみ、人間の女性に仄かに抱く成就することのない恋心、そして悪の側の人造人間の複雑な感情までをも丁寧に描写しております。
やがて近未来のピノキオが迎える凄絶なクライマックス・・・・・・。
これから幾たびも手に取る本だと思います。
息子にも是非読ませたいです。
画が石ノ森先生のものでない事が少し残念。
文庫版と迷ったのですが、表紙に惹かれて昔ながらのコミック版(子供の頃に売っていた体裁のままでとても感動!)を購入。
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購入金額
2,640円
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購入日
2011年頃
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購入場所
お富さん
2011/04/12
嬉しいです(笑)
vingt-et-unさん
2011/04/12
大好きでしたかー!!いやー私もとっても嬉しいですね(笑)
次は昔読んでいた、これまた大好きな「サイボーグ009」をちびちびと買って読もうと思っております。
yookano794さん
2011/04/12
途中の展開には、イロイロつっ込みどころがあるのですが、あのラストシーンで全て飛びました(w
マンガのイチローが好きだったので、なおさらインパクトのかと。
是非、日本漫画史に残って欲しい作品です。
vingt-et-unさん
2011/04/12
これは名作として刻まれる作品だと思います。
・・・と言っても、漫画をそこまで究めていなかったりもするのですが・・・。
正直なところ私は、「変身忍者」や「009」などの石ノ森漫画以外では手塚治虫くらいしか経験がなかったりします。
手塚作品では、「バンパイア」と「アラバスター」はまた手元に欲しいなぁなんて思っております。
yookano794さん
2011/04/13
個人的には、手塚治虫の経験があれば、基本十分かと思います。
なんといっても、日本漫画の神様ですから。
vingt-et-unさん
2011/04/16
手塚治虫には、ぞっこん夢中になった時期がありました。
「時計仕掛けのオレンジ」だとか「最上殿始末」(・・・タイトルがいまいちはっきりしませんが)などのシリアスな小編も印象に残っております。
ファンレターを出したら、ユニコーンのイラストが描かれた返事(もちろんコピー)のハガキが届いて、それはもう舞い上がって~(笑)
そのハガキが何処に仕舞いこんだものやら。
あれば得意になって登録したいのですが・・・。
ささきいさおのベスト盤も、冬木透の世界もいまだに見当たりません(涙)