こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。チャリティオムニバス盤や雑誌付録などそのアーティストの完全網羅盤があったとしてもモレがちなレアな良品をご紹介します。
高中正義。先にご紹介したCASIOPEAやその対抗馬THE SQUARE(当時)がまだ出てくるチョイ前、「フュージョン」以前の「クロスオーバー」、あるいは単にインスト曲と呼ばれてたこのジャンルの草分けにこのギタリストはいた。
どちらかといえば、まだこういったジャンルは一般リスナーが楽しむというよりはギター小僧が「かっちょええ~~」と憧れ、コピる対象。
70年代終わりに出た「BLUE LAGOON」が、ラジオでヘヴィローテーションされ高中=夏=海!みたいな公式ができたし、その後CASIOPEAやTHE SQUAREの台頭によってフュージョンムーブメントができてからは活動しやすくなったのか、虹伝説/THE RAINBOW GOBLINSというような小説仕立ての名盤を残したり、武道館公演も行うようになった。
そんな高中の人気爆発前夜。
Wikipediaの高中正義の項、ディスコグラフィにもその名がない作品がある。
「on Guitar」。これはギター教則本「プロ・エフェクター・サウンド」の参考音源として企画されたもの。
エフェクター、つまりエレキギターの音を加工し様々な表情を付加するもの。楽器に詳しくない人でも判るリバーブ(お風呂でのあの響き)やディストーション(エレキギターもナマ音は音量の小さなフォークギターのような音ですが、ロックのギターソロでひずんだような音を出すのはコレです)。聴かないと音が実感できないコンプレッサーや、似たような感じの効果となるフェイザーとフランジャーの違い。
当時のエフェクターはアナログ処理で、当然1エフェクターで1系統の音しか出ない。それを複数組み合わせて多彩な音を作るのがプロの腕の見せ所。
その技法をわかりやすく接続図付きで解説したのが前述の教本で、本作品はその実際の音サンプル。本CDにも各曲ごとのセッティングの仕方や詳しいレコーディング時の解説がある。
でもこれが単なる教則CDでなく、リキの入ったソロアルバムであることは支えるメンツも豪華だし(ドラム:Robert Brill、高橋ユキヒロ/ベース:細野晴臣、高橋ゲタオ/パーカッション:ペッカー、浜口 茂外也/キーボード:石川清澄)、選曲もイイことで判る。
3曲目の「素顔のままで」は元曲はビリージョエルが歌うスローテンポな小品だが、少しアップテンポでミュート奏法やボリュームペダルのフェードインを使って小粋に作ってある。
出だしのジョージベンソンの曲は見事に夏っぽい高中節になっているし。
でも自分に衝撃を与えたのはラストのBoz Scaggsの名曲ウィー・アー・オール・アローン。複数の音色のギターで歌い上げるこの曲で自分的には「キターーーーーーー(゜∀゜)--------!!」
これにより少年(当時中学生)は転落の人せ(ry
別の見方としては自分にとっては初インストでちた。
なつかすい。
今ではデジタル技術の発達により「モデリング」と呼ばれるデジタルエフェクトで、複数のエフェクターをつないだような効果はもちろんアンプ(エレキギターの音を増幅するもの→オーディオよりさらに趣味性・嗜好性が強く各メーカーも積極的に元音に「味付け」をする)も含めたシミュレーションをするのが当たり前なので、あんまこの手の音資料は必要ないカモね。「時代が生んだ」アルバムです。
【収録曲】(邦題)/以降オリジナルアーティスト
1. BREEZIN'/ジョージ・ベンソン
2. BLUE CURACAO/オリジナル
3. JUST THE WAY YOU ARE(素顔のままで)/ビリー・ジョエル
4. MANBO JUMBO/ペレス・プラード
5. SAMBA PATI(君に捧げるサンバ)/サンタナ
6. RAINBOW/オリジナル
7. THAT'S THE WAY OF THE WORLD/アース・ウインド&ファイヤー
8. WE'RE ALL ALONE/ボズ・スキャッグス
TAKANAKA OFFICIAL WEB
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購入金額
1,800円
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購入日
1995年頃
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購入場所
N-DRさん
2011/03/30
でもこのCDはまだ持ってない・・買わねば。。
cybercatさん
2011/03/30
>でもこのCDはまだ持ってない・・買わねば。。
N-DRさんの物欲ボタンは確か右手首小指側のブリッジに置くあたり...ここらへんかな?
エイッ!ぼち。
N-DRさん
2011/03/30
cybercatさん
2011/03/30
ディレイですね、わかります。。。