現在の夏仕様のMainPCはCore i3-530を定格電圧でBCLK160MHz化して3.52GHzで常用しているのですが、i7-980Xなどを弄ってしまうと流石にパワー不足を感じます。そこで、もう少しCPUパワーを稼ぐためにClarkdaleのMainPCを強化することに。
BCLKを上げてさらにOCすればCPU自体は4.2GHzまでは余裕で動作します。しかしなるべくPCの発熱と消費電力を抑えたいのとアイドル時にVcoreを落としたいのでBCLKをあまり上げたくないという理由からこれ以上Core i3-530をOCすることはできません。それとi3シリーズはDDR3-1333メモリまでの対応のため、BCLKを上げてOCでDDR3-1600メモリを活用したい(160MHz x 10)というのもあります。
CPUは低消費電力で低発熱なClarkdaleコアのままで行きたいのでコストパフォーマンスを重視すると選択肢としてi5-655k、i3-540、i3-550、i3-560の4種類でしょうか。
新品と中古の価格を調べてみたところ上位のi3-560の登場で価格改定が入ったのか販売終了のためでしょうか、Core i3-550が新品で10,800円で販売されていたのでコストパフォーマンスがかなり高いので決定しました。
MainPCに取り付ける前にCPUの耐性を探るため別に用意した環境にてテストしてみたので簡単に紹介したいと思います。
<テスト環境>
・CPU:Core i3-550
・クーラー:Thermaltake Silent1156
・マザー:GIGABYTE GA-H55M-UD2H (LGA1156,H55,BIOS F11)
・メモリ:Patriot PSD34G1600KH 2GBx2
・GPU:CPU内臓オンボード
・電源:ENERMAX MODU82+ EMD425AWT (425W)
・PCケース:Scythe SCY-0311BK
BCLKは160MHzでメモリはDDR3-1600動作、QPI link speedは5.76Hz(x34)に設定しています。
消費電力計測を行うため電源は80Plus認定のMODU82+ EMD425AWTに交換しました。
ケースのサイドパネルはクローズでパネルに設置してある12cmファンは停止させた状態です。
●OC&低電圧動作テスト
電圧はマニュアル値±0Vの設定でBCLK160MHzx24倍の3.84GHzで安定して動作しています。この設定で電圧をCPU-Zで確認してみると0.944~1.296Vでした。i3-530より0.020Vほど高く設定されているようです。
その後マニュアル設定でNormal-0.050V(CPU-Z読み0.896~1.248V)に設定し10分間の負荷テストをクリア。
更に電圧を下げてNormal-0.100V(CPU-Z読み0.848~1.200V)では負荷テストの途中でシャットダウン。
購入した個体は3.84GHz動作を安定させるには1.25V必要という結果になりました。
このときのCPUの発熱は室温30.9℃で61~64度でした。
●アイドル時の低電圧動作の安定性テスト
アイドル時のコア電圧低下時の安定性を探るため「倍率9倍、電圧を0.850V(CPU-Z読みで0.864V)」に固定してPrime95で負荷をかけての20分間の動作テストはクリアしました。
このときのCPUの発熱は室温30.9℃でも38~41度でした。クロックが1.44GHzと低いので当然とは思いますが非常に低発熱で優秀です。
●消費電力
ワットチェッカーを使用して消費電力を計測してみました。
数値は左から「アイドル時、Prime95」の動作時の最大消費電力となります。
<定格>
・i3-550@3.20GHz(auto):52~101W
・i3-530@2.94GHz(auto):52~ 95W
定格動作+コア電圧Auto設定の消費電力です。
i3-530との差は6W。予想より差があるという印象です。
それでも負荷時で101Wというのは凄いと思います。
<オーバークロック>
・i3-550@3.84GHz(Normal±0V) :62~115W
・i3-550@3.84GHz(Normal-0.05V):61~111W
・i3-530@3.52GHz(Normal-0.05V):61~104W
コア電圧を定格より0.05V下げると1~4Wほど消費電力を抑えることができました。
i3-530との同じコア電圧での比較では7Wほど増加してしまいました。予想より差があるという印象です。
(注意)オーバークロックはパーツが故障する危険性のある行為です。
試す場合は自己責任でお願いしますm(_ _)m
●オンボードGPUについて
オンボードGPUについては、まれにドライバーがフリーズしてしまうことがあり実用的とは言えない部分もありますが、外付けGPUをつけなくても十分な性能を有しているのでPCの消費電力を優先して妥協して利用しています。基本的にH55/57系マザーボードに搭載されているDVI-D端子はシングルリンクまでの製品がほとんどで、これはCPU側の仕様なのかマザーボード側の仕様なのかは不明ですが、高解像度モニターで利用したいという場合には注意が必要です。
ギガバイトのH55/57系マザーボード(一部除く)に搭載されているディスプレイポートを利用するとDVI-Dのシングルリンクの限界を突破可能ですので、DELL U2711などの高解像度液晶モニターでの運用も可能です。
●感想
3D系ベンチを回すほどの性能はないのと、それが目的での購入ではありませんので省略しました。予想より低い電圧で常用できそうなので満足です。
アイドル時の動作テストを兼ねて1.44GHz固定を試したときも、特に重いと感じることもなく快適でした。Atomシリーズでは処理能力に限界がありますのでCore i3シリーズのCPU倍率を低く抑えて1.6~2.0GHzあたりで常用するのもワットパフォーマンス的に良いと思います。
<2010/09/13>
・レビュー全体を手直ししてまとめなおしました。(レビューの内容は変更ありません)
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購入金額
10,800円
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購入日
2010年09月頃
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購入場所
ネイエフさん
2010/09/12
これは安くてうらやましいです
そしてやっぱり発熱低いのは魅力的ですね
Sheltieさん
2010/09/12
LGA1156向けに4コアの32nmCPUが販売されたら最高ですがSB待ちということで、残暑もしばらく続くということで各PCの強化用に選んでみました。余裕があればCPU倍率25倍のi3-560が欲しかったのですが、通販では12,800円くらいが相場でしたので、i3-550の最安値を探して購入してみました。i5-655kも魅力的ですが値段高めですので諦めた感じです。
低めのVcoreでも4GHz付近での安定性も抜群なのはさすが32nmといった感じですよね。OCしても発熱・消費電力共に低いのはすばらしいです。Clarkdaleは革命てきなCPUと思います。
guruさん
2010/09/12
OC耐性も高いようで私も買ってみようと思います。
Sheltieさん
2010/09/13
この値段ならお買い得ですよね。
OC耐性はi3-530と同じ傾向と思いますので、1.25Vで4.2GHzくらいは余裕で行けるかなと思っています。BCLKも24倍のおかげで200MHzより低く設定できますのでQPIリンク関連の発熱も抑えられますしお勧めです。
じゃんぱらで特価にて販売されているのでチェックしてみてください。
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