レビューメディア「ジグソー」

軽量・コンパクト・高感度最強のデジタル一眼

前々から噂はあったが、8/24にSONYから発表された"TranslucentMirrorTechnology(トランスルーセントミラー・テクノロジー aka 半透明ミラー, 以下TMT)"一眼。
通常の一眼レフとは異なり、ミラー部分が稼働するのではなく完全な固定状態になっている。
ではなぜAFが使えるのか。それは、レンズから入ってきた光の30%程度をAFセンサーに回して常にフォーカスを合わせられるようにしているからだ。これにより、動画を撮影しているときでも位相差AFを使うことが可能になった。
と、能書きはそこそこにして使ってみた感想を。
使って良かったところ
・10枚連写
 α55最大の魅力はこれだろう。1秒に10枚、つまり0.1秒単位で時間軸を切り取って撮影することが出来る。これは初心者には大変有用な機能で、とりあえず数を撮影すれば当たるという仕組み。ただし、29コマ前後でカメラのバッファーが一杯になるため、それ以降の撮影のレスポンスはあまり期待できない。3秒を重点的きに狙って、その後も…という人は高速なSDかメモステ(メモステの方が同じ書き込み速度でも速い)を使いましょう。

・ライブビュー中に画像が途切れず位相差AFが使える
 今まではライブビュー中にフォーカスをいじるとコントラストAFになるか、ミラーアップして位相差AFを行うかくらいしかなくて、SONYのモデルでも画素数の少ないライブビューと位相差AFを使用するくらいしかできなかった。ところが、今回からはTMTにより、常にメインのCMOSセンサーでプレビューを行いながら位相差AFを使用することが可能になった。これによりどんなアングルからでも快適な撮影が可能になった。

・高感度の撮影時に発生するノイズが割と少ない(マルチショットノイズリダクション(以下マルチショットNR)使用時)
 α55ではISO25,600という非常に頭のおかしい感度を設定することが出来るが、通常のISO感度設定ではこの値を設定することはできない。ではどうするかというと、マルチショットNRでこのISO感度を設定するのだ。マルチショットNRは1度のシャッターで6枚の画像を取り出し、重ね合わせてノイズの軽減を図る物だが、さすがにISO256,00になるとノイズは消しきれない。しかし、非常用途には十分便利な物と思われる。

・HDR
 NEXと同様に最大+-6EVのHDR画像を1ショットで撮影することが出来る。暗いところと明るいところが混在しているところで使用すると効果が大きい。

・なんだかんだで手持ち夜景は便利
 SONYのCyberShotシリーズやNEXにはついてきていた手持ち夜景がαにも実装された。この機能は夜景の画像を複数重ね合わせることでノイズの低減や感度の向上をはかるものだが、これが意外といける。変にISO感度を上げずに撮影してくれるので、手持ちでも割と楽に撮影が可能である。

・スイングパノラマも良い
 これもCyberShotやNEXで搭載されていた機能。まあ、普通に使えるよね…

使って気になったところ
・バッテリーの持ちがあまりよろしくない
 バッテリーがNEXと同じになったせいで撮影可能枚数が激減。後述するEVFのせいで電源を入れて、ファインダー部のセンサーが反応すると常にCMOSセンサーが動くのでバッテリはあまり持たないかも(まだそこまでショットを撮ってないので何とも言えないが)。私はアクセサリーキットをセットで買って(SonyStyleではアウトドアキットとして売っていた)、バッテリーを2本で運用しているが、動画を撮影する人は3本とか、それくらい用意すると心の安心感が保てるのではないでしょうか?

・バッテリーの充電器が残念
 一応買ったときについてくるけどあくまで普通の充電器なので1本240分かかります。バッテリーを2個パックで売るのはいいんですが、それなら急速充電器を早く発売してください。発売したらきっとNEXユーザも飛びつきますよ?

・発熱が気になる
 某口コミ掲示板なんかでは(様々な意味で)今一番アツいトピック。実は動画撮影時に手ぶれ補正をONにしておくと熱の都合で9分しか撮影が出来なかったり、猛暑下で撮影してたら止まったり警告が出たよという人がちらほら。エントリーモデルなので放熱がかなりだらしないご様子。本気で動画を長く撮るなら保冷剤とか持ってきた方がいいかもしれません。

・表示の問題
 ISO感度が表示されなかったり水平器と設定が同時に表示できなかったり、撮影した画像だけを液晶に表示するといったことが出来ない。FWによる改善を望みたいところではあるが期待しない。

・ジョグダイアルの位置
 電源スイッチと結構近いのでうっかりミスで電源切ってしまうケースもあります。

・RAWモードの制約
 HDRやらマルチショットNR、手持ち夜景、スイングパノラマなど複数枚の画像を重ねるような物はRAWやらRAW+JPEGで使用できません。おとなしくJPEGを使用しましょう

人によって異なるところ
・EVF
 このカメラ、TMTのおかげで絶大なアドバンテージがあるのだがそのアドバンテージを全部削るような存在。それがEVF。ある人はEVFと言っただけで「うわあ…」みたいな感じになるので実際に触って確認してみましょう。そのとき、ボケてたりしたらちゃんとファインダー右脇にあるダイアルでピント調整をしましょう。ただ、それでも「暗いところでビデオ見てるみたい」という人がいたり、極端な暗所ではEVFさんがどうしようもないみたいで見えない(目では見えてるのでOVFだと見えたのかな?)というところに留意が必要。

・GPS
 大変便利です、が…常にONにしておくと微弱な消費電力はともかく、おうちの場所がExifに乗ってそのままアップロードすると恐ろしいことになることがあります。(GPS搭載機種すべてに言えること)
私はExif除去が面倒なので普段はExif消しておいて出かけたらONにするようにしてますが、CX520Vのようにハード的なスイッチがないので忘れないようにするのは大変そうです。

・シャッター音
 NEXと似たような音でミラーアップの音がしません。違和感を感じる人がいます。
特にシャッター音フェチの人は買う前に確認しましょう。

とまあ、届いて三日目まではこんな感じ。実はセールの時にRAW現像用のLightroomは買ったのでそれを待ちつつ、レンズを交換できるのが一眼の魅力なので次は単焦点レンズでも買ってみようかなと思います。
  • 購入金額

    112,835円

  • 購入日

    2010年09月23日

  • 購入場所

    SonyStyle

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