久しぶりに、光栄の歴史シミュレーションにハマった三國志14三昧の毎日。
流石に毎日プレイしている訳では無くなって、来た、かな。
というタイミングで、もう一つ欲しかったソフトを思い出してしまいました。
そう、それが『信長の野望 大志』、この製品です。
日本全国の戦国時代の地形を、可能な限りマップデータとして再現。
大雑把にではありますが、領国単位では無く、郡単位(豪族、非大名な武将達の支配地域)で区切られています。
プレイ動画をみて、結構な勢いで購入の方向に傾いていました。
三國志14の発売が無ければ、こちらを先に購入していたでしょう。
戦略の拠点である城郭については、ゲーム性の維持の為でしょうけれども、激戦区の中央などとは違い、四国、東北などでは大きな城が少なかったのか、江戸時代の一国一城と変わらない(と私には感じられる)数に抑えられている気がするのが残念かなあ。
などと、気になる部分はあるものの。
近年稀にみる勢いで、ハマっていますね。
パワーアップキットとセット版という事ですが、無印版とパワーアップキット適応版のどちらも起動出来る様になっています。
しかしながら、無印版は、時折、光るものがあるよね、というような感想です。
圧倒的に、パワーアップキット適応版が面白いです(私個人の感想ですが)
以降のレビューは、全てパワーアップキット適応版を対象にしております。
【志】による大名、武将の個性の表現と強化
信長の野望シリーズの最新タイトルだけあって、シナリオ(開始年度)の数は凄いですね。
実際には、パワーアップキットやDLCで増えているものもあるので、無印状態では半分位かな。
最近のシリーズは、所謂、三英傑メインのシナリオばかりではなく、北条家や毛利家などの飛躍の切っ掛けになった年が選ばれていたりするので、「信長どこ?」って言いたくなる位に、織田家が小さかったりして、凄く新鮮で楽しいです。
そうは言いつつ、信長の野望シリーズや、戦国時代の歴史に詳しく無い方に説明するのが楽なので、織田信長を選択する人。
まあ、私自身も、久しぶりに信長の野望シリーズに戻ってきた人ですけれども。
プレイ大名の選択画面で早速ワクワクする感じが嬉しいです。
プレイアブル大名が多かったり、顔グラフィックで雰囲気が結構伝わってくる感じであったり、そして、「志 うつけの天下」というフレーズの興味深さ。
大名(非大名武将も全員持っていますが、所謂一点物ではなかったり)の【志】にどんな種類があるのか、見るだけで小半時は経過していました。
ちなみに、織田信長公は、吉法師時代の渾名である「うつけ」を冠とした「うつけの天下」という【志】から、桶狭間、美濃攻略を経て、「天下布武」へと変化させるイベントがあったりして、タイトルにもなっている人物だけあって、優遇されておりますね。
通常の武将は上記画像のような量産型の【志】を所持しています。
それぞれにレア度はありますが、天下統一、家督継承、家名存続、所領拡大、領地保全、という五つが量産型です。
量産型の中でも、天下統一、家督継承は、
天下人を主と仰いだ武将が持っている事がある、天下統一。
有名大名の跡を継げなかった方の人が持っている事が多い、家督継承。
と、特定のシチュエーションの人物が所持している為、レアリティが高めな感じ。
大半は、家名存続、所領拡大、領地保全の三つの内の一つを持っている状態です。
有名武将は、信長公以外にも固有の【志】を持っています。
秀吉、家康はもちろん、この画像のように、割とマイナーメジャーな武将も、固有の【志】を所持しています。
【志】は、特定のシチュエーションや条件をクリアする事で発動する効果と【大命】というスキルの詰め合わせにつけられた名前でもあります。
【家名存続】の場合の図。
条件達成で発揮される効果が8種類、メリットだけではなく、デメリットもありますが。
【大命】とは後述する予定のゲーム中の【評定】で貯めるポイントを消費して発動するスキルのようなもの。
量産型の【志】でも結構な違いがあります。
こちらは【所領拡大】の図。
その他大勢の大名家の中でも、ランクがあるようで、【家名存続】の北畠さんと、こちらの六角さんでも一枚絵の扱いが違いますね。
というような事は置いておいて。
目標とするものの違いで、含まれている発動効果も違いますし、発動出来る【大命】も数や種類が違いがあります。
【うつけの天下】の中身。
【天下布武】の図。
一枚絵のクオリティが、量産型とは違い過ぎますが。
それを置いておいても、発動効果や、【大命】の数、種類がかなり強化されていますね。
信長公のような主人公クラスの武将には、緑色になっている特殊大命があります。
戸沢盛安さんの【夜叉九郎の武】の内容。
固有【志】ではあるものの、信長公のような緑色の【大命】はありませんね。
こういった、固有【志】は、初期設定では有名な武将に付与されているので、音声も固有です。
新規作成武将にも割り当てられるのですが、そういった事で、固有【志】を作成武将に設定すると、違和感を感じる事もあったり、なかったり。
こういう【志】を見ている内に、ゲーム開始から小半時掛かるのも、むべなるかな。
能力値だけではなく、こういった個性の付与により、武将のキャラが立って面白くなりました。
とはいえ、やはり、歴史上生き残った大名家、武将達が有利に動く事が多いのですけれども。
この時点で、ワクワク度が高くなってきましたが、さらに、L2さんの心を揺さぶる要素があります。
地形が3Dで構築!これだけでもご飯が美味しく頂ける。更に…
さてさて、今作、信長の野望 大志の購入を決断した理由の一つが、マップが3Dで描画されている事なんです!
もちろん、これまでの作品や、KOEI以外の歴史シミュレーションでも、地形の高低差などを表現するマップはありました。
信長の野望で言えば、革新という作品が、3Dマップ上で部隊を進軍させるシステムを実行していましたね。
日本の地形上を行軍、そしてそのままに戦闘できるのは素晴らしかったなあ。
今作では、マップ上をそのまま戦場にして戦うという事はなく、進軍経路の表示上では、それほどの地形感を感じられないのですけれども。
うつけと呼ばれていた時代の信長公で始めてみて、地形のあれこれを……。
と、思ったのですが、濃尾平野の南側ですので、平坦過ぎて見どころがなかったので、織田家の北の端に位置する犬山城周辺をスクショしました。
木曽川沿いに地形を活かして作られたお城。
渓谷から平野部に出て、少し開けて来た場所を抑える様に建てられているのが良く分かりますね。
曲輪の配置なども含めて、立体で見る事が出来るので、城を見て回るだけでも時間が過ぎていってしまいますw
このロケーションだけでも、価値があるかも。
細々とした植生やら、石垣や河原の再現までも求めると、本筋からは逸れてしまうので、突き詰めるのはなしにしましょう。
実際にプレイする場合には、ここまでの拡大は不便なのですけれども。
選択したシナリオでの、城の配置の様子。
尾張地方では織田家の本拠である清州を始めとして、犬山、那古野(現在の名古屋)、末森、鳴海、刈谷、沓掛などの7つの城があります。(シナリオ開始年代により、廃城になったり、築城されたりしているので、勢力が大きく統合されていく戦国末期には減っていきますけれども)
信長の野望シリーズ中盤位までは、国割りが、朝廷由来の郡県制をもとにしており、そこに存在する城の数は江戸時代の一国一城制を元にしているので、ここまでの数の城は無かったなあ。
今作では、郡という単位(上の画像3枚目の白っぽい線で囲まれた地域)まで、細分化されており、城が存在している郡を中心として、周辺の郡が所属する事で、大名家の領土を構築している形となっています。
その為、上述のように、これまでの作品では城郭が一つだけ所属していた尾張地方に七つもの城郭、砦(ゲーム中では城扱い)が配置された訳ですね。
戦国時代の城の数については、他社の戦国シミュレーションである『天下統一』シリーズなどでは、シリーズの開始初期から再現しようと試みていましたねぇ。
上述の七つの城は、『天下統一』シリーズでも、キチンと配置されていました。
あちらのシリーズでは、城同士が経路で繋がっていて、それ以外のルートを通る事が出来ないのですけれども。
今作、大志では、城と城の間に通行できない地形が無い限り、移動ルートの制限はありません。
実際には、直接に目的地を設定すると、移動に掛かる日数などのペナルティが一番少ないルートが自動判定で決定されるので、概ね、城と城の最短、或いは街道を使ったルートになります。
ただし、自領土内であれば集結地点を設定する事が可能ですし、進軍目標を城ではなく、周辺の地域にする事も可能なので、通常のルートとは違う方向から攻める事が出来るという自由度がありますね。
さて、実際に行軍している時には、移動に掛かる時間と後述する「戦場で展開する事が可能な兵士の上限」の二つくらいしか、地形の影響はないのですけれども。
その内の一つは、ゲームの肝、と言っても良い要素になります。
各郡には、幾つかの要素がありまして。
・上限と表示されている「戦場で展開出来る兵士数の上限」
・上記画像では『騎馬隊↑』と書かれている「戦場で修正を受ける部隊などの情報」
・その郡に設置されている施設(内政や戦場など様々な修正を与えるもの)とそのレベル。
この中で一番重要なものは、やっぱり、郡の情報として一番上に表示されている「戦場で展開出来る兵士数の上限(ゲームプレイ時は戦場上限と呼称)」でしょう。
兵士のアイコンの横に数字があり、その下に、家紋と数字が複数列(画像では織田家と今川家の二列)表記されています。
アイコンの横の数値は郡の地形などによって決まる戦場に展開出来る基本の数。
次に家紋の横に表示されているのが、家紋=大名毎に割り当てられた上限です。
これは、その郡或いは、隣接、特定範囲に設置されている施設に因る修正を受けて増減します。
修正を与える施設は、
『防塁(隣接郡の戦場上限を所属関係無く25%減少)』
『巡見所(設置された郡から特定範囲の郡に対して、施設レベル×1000人の所属勢力の戦場上限を追加)』
となります。
この二つは複数の郡で設置の場合、効果範囲が重複すれば、修正値が重複計算されます。
実際に、画像で黄色く選択されている郡である桶狭間は、那古屋城の北側に設置されている織田家側の『巡見所』三つの修正の合計が織田家側に加算されています。>織田家7000(基本値+5000)人、今川家2000(基本値)人。
例えば、この補正が掛かった状態では、桶狭間で織田軍6000人と今川軍20000人が戦闘を行うと。
戦場上限を適用された今川軍は率いている実際の兵数の10分の1の2000人、戦場上限に引っ掛からなかった織田軍は6000人で戦闘開始となります。
この時点で、史実に於ける桶狭間の戦いをゲームシステム上で再現出来ているという素晴らしさ。
ただし、戦闘開始から、時が経つにつれて最初の布陣状態で戦場外に取り残されていた兵力は合流を開始します。
戦闘について、特に終了日数などが決まっている訳では無く、一定の日時で区切られる事はありません(季節を跨ぐ場合を除く)ので、理論上は兵士数は上限を突破して動員されている兵力になります。
日数の経過に応じて、士気が低下していき、兵力に依存しない戦闘能力は失われてしまいますので、あくまでも理論上のお話ですけれども。
この辺りのシステムも、また、一気に決着をつけなければ、今川軍が大兵力を集結させて織田軍を撃退で来ていたかもしれない、という歴史の転換点の妙がありますね。
信長の野望の華!それは戦闘!
ストラテジーの中でも、信長の野望は戦闘が肝になるゲームです。
・桶狭間の戦いのような奇襲
・難攻不落の小田原城の攻城戦
・関ヶ原の戦いのような大規模戦闘
以前までのシリーズでは、いずれもがイベントなどの特殊条件を抜きにして、成立するシステムが難しかったりしていましたけれども。
大志では、戦闘システムだけではなく、前段にも上げた戦場の地形(郡の特性及び施設)効果を合わせて、上手く表現できているのではないかな、と思います。
戦闘前の編成画面です。
各部隊の兵士や、兵装などの選択や、主将、副将の選択をします。
部隊そのものの能力は主将に依存するのですけれども、副将の能力が高い場合は補正が働きます。
この画像では、大名である戸沢盛安さんは戦闘に関する能力が高く、副将につけた兄の戸沢盛重さんは能力の補正には寄与しません。
では、盛重さんを副将につけるのは無意味なのか、というと、そうではありません。
副将になった武将の青く表示されている能力が部隊に反映されます。
この青く表示されている能力は副将として配置されている時だけに発揮される能力の為、数字上は優れていない武将でも、この能力が有用であれば、副将として配備する意味が出てきます。
今回の編制でいえば、回避という能力は戦場に配置される罠を無効化する事が出来る為、主力で進軍する部隊にとっては死活問題になったりします。
また、親子、兄弟、親族のように相性が高い場合は能力の補正が大きくなったりして、単純に強い&強いで組み合わせるだけではない妙がございます。
部隊配置の図。
視界範囲内にない敵部隊はおおよその位置は表示されるものの、?マークで何処に誰が居るのかは不明な状態です。
ただし、敵方であっても画像のように見張り小屋というような施設は場所も名前も判明しています。
部隊には、目の形のアイコン、アルファベット、主将の顔アイコン、兵士数、その下に士気のバーが表示されます。
目の形のアイコンは、相手から視認されているかどうかを示し、アルファベットは攻撃防御能力のランクでSABCDというように表しています。
進軍開始するの図。
味方部隊を選択すると扇形の範囲が前方に展開され、それが騎馬、槍部隊では索敵範囲となります。
鉄砲部隊は射程が扇形ではない射線として表示されます。
部隊の向きは重要で、側面や背面から攻撃を受けると十全に能力を発揮できませんし、前方以外の視界は狭く、視認していない敵部隊から一方的に攻撃を受けると奇襲による不利を受けてしまうのです。
移動は、直進のみを指定します。進路を変更する時には指定先に到達後改めて、進出方向を指定する方式です。
例外としては、敵部隊を指定する事で追尾し続ける設定が出来ます。
移動先までの距離に制限はありません、直線であれば、端から端まで設定できます。
あくまでも移動先の指定となりますので、実際の移動距離、速度は部隊の能力に応じます。
索敵範囲に敵部隊が入ってきたの図。
戦場には高低差や、遮蔽物(木や山など)があり、それに応じて視界は増減します。
画像でいえば、こちらだけが視認している状態となっていますので、それを上手く利用すれば奇襲などを仕掛けることが出来る訳ですね。
一時停止はあるものの、リアルタイムで進行するので、気を抜くと一気に包囲されていたり、重要な施設を守り損なってしまうのが、ちょっとだけ大変です。
その分、しっかりと立ち回れば、不利な兵力差や能力差をひっくり返すことも、出来なくは、ない、かもしれません。
しかしながら、この戦闘は長くて(プレイヤーとしては)重たいので、頻繁に戦闘をするとなると大変ですし、時間も掛かります。
そこで、簡易戦闘で結果だけを出す事も出来るのですけれども。
これは互角位だと運ゲーになり、体感では不利な結果が出やすいです。
有利だと、逆に自分が操作するよりも楽勝になったりすることがあるので、孫子の兵法「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求める」を体験出来たりします。
前段に書いたように、戦場となる郡の特性や周囲からの施設の影響などで、投入できる兵力などをコントロールしたり、されたりすることで「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求める」を実現出来ていると、正念場以外ではサクサクと進められたりしますので、楽しみもあったりしますね。
関東平野では兵士上限が大きすぎて、物理的に大軍を動員できる側が勝つところは北条氏の強さが際立って辛い楽しいです
パワーアップキットが出てから本番というのが、若干のネック
大名家の特徴を「志」として特殊能力化し、戦場の地形が進軍や視界だけではなく、兵力展開の多寡に関わる事で、歴史上有名な奇襲をイベント無しで実行できるというのは、大変面白い取り組みだと考えています。
イベントではなく桶狭間の戦いのような奇襲を実現出来た時には、ガッツポーズしちゃうくらいに嬉しい反面、CPUもそんなに馬鹿ではない為、引っかかってくれなかったりします。
逆に何も考えずに進軍していたら、誘い込まれる側になってしまっている事もあって、それはそれで、何だか楽しいです。
今回のレビューでは触れませんでしたが、「志」による戦闘での戦法、戦術、スキルや部隊能力の底上げなどがあり、関ヶ原合戦の石田三成や徳川家康の気分を味わえたりもするので、とても楽しい作品になっていると思いますね。
正直な所、無印では、ちょっと、面白いとは言えない部分やストレスに感じる部分が多いと思えましたので、YouTubeでの配信切っ掛けで購入しましたが、パワーアップキット発売後の配信動画から面白そうだな、と感じた次第。
実際、購入後無印状態でプレイしようとしましたが、同じゲームとは思えない位にパワーアップキット版のやり方が通用しなさ過ぎて、一度キリとなってしまいました。
すでに最新作だった「信長の野望新生」が発売されて久しく、さらにその先が発表されるかもしれない中で、この作品を購入する人はあんまり居そうにはないですけれども。
もし、今から「信長の野望大志」を購入するのであれば、withパワーアップキットは必須ですね。
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購入金額
7,590円
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購入日
2020年12月05日
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購入場所
steam







































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