当初、128GB/256GBモデルが発売、「気になって」はいましたが、そのお値段からなかなか手が出せませんでした。
ここにきて64GBモデルが追加され、その「価格・容量・書込速度が128GBモデルの約半分」というわかり易いスペックから、「2個買ってRAID0すれば、128GBよりちょっと安くて読込速度2倍じゃね?」という短絡思考で2個購入しました。(もちろんRAID構成によるランダムアクセスの低下は織り込み済みです)
ちょっと悩んでる間に国内販売店は軒並み売り切れでしたので、Crucial直販で購入することにしました。
に購入手順を掲載いたします。よろしければご覧下さい。
私は注文してから、翌日出荷(厳密には時差があるので、現地では当日出荷)、4日後には届きました。
※2010年11月追記
追加で同製品を2個購入。4台構成でのRAID0にてテストしました。
【製品URL】
http://www.crucial.com/store/partspecs.aspx?IMODULE=CTFDDAC064MAG-1G1
【基本仕様】
記憶容量:64GB
NAND:34nm Micron製MLC
コントローラ:Marvell製
対応規格:2.5'' 6Gb/s SATA
連続読込:最大355MB/s
連続書込:最大75MB/s(公式のスペックシートでは70MB/s)
Random 4KB読込:50,000 IOPS
Random 4KB書込:15,000 IOPS
平均アクセスタイム:1ms以下
MTBF:1,200,000時間
消費電力:書込時3.1W/読込時1.7W/アイドル時0.092W
動作時衝撃耐性:1,500 G/1.0ms
使用温度範囲:0~70℃
【パッケージ】
特筆することはない、リテールBOXです。
付属品はマニュアルのみです。
何故か3ヶ国語対応のもの(Rev.A)と、それを含んだ8ヶ国語対応(現行版?)の2つが入っていました。
よく読んでみると(内容は理解できませんが)被ってるフランス語、スペイン語の説明でも文章がやや違いました。考えても仕方ない(関係ない)事なので、悩むのは止めました。
【製品本体】
SINGAPORE製。Firmwareは"0002"でした。
本体側面に「殻割したら保証切れちゃうよ!」とシールが貼ってあります。
ASUSTek Rampage III ExtremeのICH10R、オンボードMarvell 9128 PCIe SATA 6Gb/sにて、3Gb/s及び6Gb/s接続時の単機、RAID0の性能を比べてみました。
加えてLSI MegaRAID SAS9260-8iでのRAID0の結果も報告します。
【CrystalDiskInfo】
SATA 6Gb/s、NCQ、Trimをサポートしている事が確認できます。
ただしCrystalDiskInfoは単純にSSDがサポートしている情報を表示しているだけのようで、実際に働いているかは関係ないようです。
【HD Tune】
単機接続ではICH10R、Marvell 6Gb/s共に綺麗な波形が出ています。
ICH10Rの波形は全くぶれていません。3Gb/sの帯域がボトルネックとなり、計測結果が頭打ちになっているからこのような綺麗な波形になったのかもしれませんね。
一方、RAID構成時は波打って当然なのですが、ICH10Rが綺麗に上下に波打っているのに対して、Marvellではまるで単機のような波形ですね。
MegaRAIDでは波の間隔が大きくなっています。また所々で激しくぶれています。キャッシュの影響でしょうか?
注目すべき点は"Access Time"でしょうか?
ICH10は単機、RAID時共、Marvell 6Gb/sは単機接続時"0.1ms"ですが、MarvellのRAID時及びMegaRAIDでは"0.2ms"になりました。
【ATTO Disk Benchmark】
【CrystalDiskMark】
CrystalDiskMark 1000MBのテスト結果を一部グラフにしてみました。
結果からわかる通り、単機利用ならMarvell 6Gb/sが本領を発揮してくれます。ほぼスペックシート通りの性能です。
問題はRAID0構成時ですね。ICH10Rが素直に単機接続の2倍近い性能を出すのに対して、Marvellは奮わない結果となりました。ATTO Disk BenchmarkではICH10Rに劣る結果に、CrystalDiskMarkでの連続読込にいたっては単機より下がっています。
R3EのオンボードMarvell 9128はPCIe x1接続らしいので、ボトルネックになっているのはわかりますが、単機接続より低下するとなると別の原因も考えられますね。
MegaRAIDは512MBのキャッシュを持っていますので、100MBでのスコアは相変わらず素晴らしいです。
(結果的にキャッシュ速度を計っているだけなので意味が無いと思っていましたが、使用ドライブ、RAIDの設定によってかなり結果が変わります。)
しかし、キャッシュ容量を超えたテストでは、4K QD32の結果がいまいちですね。
全体的にICH10Rの優秀さが目立ちます。
RAID0構成ではほぼ単機の2倍の数値を出していますし、4K QD32(NCQ)も素晴らしい結果です。
ハードウェアRAIDよりもICH10RでソフトウェアRAIDの方が良いような気すらしてきました。
いずれにせよ64GBx2のRAID0構成で、128GBモデル単機を上回る結果を出せたことに満足しました。
4台構成のRAID0でも書込みはリニアに伸びました。読込みについてはボトルネックが発生しているのか、単純に4倍近い数値までは伸びませんでしたが、私的には十分な費用対効果があったと判断しています。
【Stripe Sizeについて】
アレイ構築の際に気付きましたが、ICH10RはStripe Sizeがデフォルト128Kでした。
一方、Marvellは64Kで、設定可能な値も64K/32Kしかありませんでした。
RAIDではStripe Sizeでかなり結果が変わってくるので、この影響が大きいのかもしれません。
一般的に
・stripe sizeを大きくすればrandom accessが伸び、sequential accessが落ちる。
・stripe sizeを小さくすればsequential accessが伸び、random accessが落ちる。
はずなのですが、単純にrandom accessと言っても読込と書込で傾向が違ったり、一項目だけ極端に伸びたり、落ちたり、stripe sizeの大小だけでは一貫性がなく、その傾向が全く掴めません。
MegaRAIDにいたっては、そのキャッシュの特性もあるのか、書込時/読込時のキャッシュ利用ポリシーを変更することで、seq/512K/4K/4K QD32の値が激しく変動します。
仮にひとつのSSD/コントローラの組み合わせでベストの設定を見出せても、SSDの個性、コントローラの個性で結果ががらりと変わってしまいますので"普遍的に良い設定"は見つけるのは不可能に近いですね。
性能(ベンチマーク結果)を突き詰めるならば、連続読込重視、ランダム書込重視など用途に応じて、構成毎に設定を細かく決める必要がありますね
一方で、ここまで性能が優れているのであれば、細かな差異は気にせずデフォルト設定のままでも良いような気がしてきました。
【+評価】
・性能に比べてお値打ち価格、128GBモデルの半値以下で読込性能は同じ
・RAID0にすれば、上位モデルと同等以上のコストパフォーマンス
・6Gb/s対応の効果は十分にある
【-評価】
・発売からまだ日が浅いので、耐久性の面で未知数
・その人気故に品薄、入手難
6Gb/s対応の意味が十分ある高速な読込性能は圧倒的。
「正常に性能が発揮できる環境でRAID運用」すれば、上位モデルを一個購入するよりも安いコストで、より高い性能を手に入れる事が出来ます。
2010年7月時点でSSDを選ぶのなら、第一候補として考えてまず間違いないと思います。
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購入金額
14,000円
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購入日
2010年07月頃
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購入場所