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待望のAMD版6コアCPU登場! #05/05 更新

AMDの6コアCPU”AMD PhenomⅡX6 1090T BlackEdition”です。

先日ソフマップのWeb通販で予約していたところ、発売日の29日の午前11時頃に着弾しました。地方在住のため、最新パーツを初日に拝めるとは思いませんでした。早速開封してベンチ回してみたいと思います。


テストに使用した環境は下記のとおりです。

<Thuban/AM3>
・CPU:Phenom II X6 1090T Black Edition
・CPUクーラー:Thermaltake Contac29
・マザー:ASUS M4A78T-E(BIOS 3204)
・VGA:GIGABYTE GV-R587D5-1GD-B
・メモリ:Patriot PSD34G1600KH(2GBx2)
・HDD:日立GST HDT725025VLA380
・ケース:NZXT. TEMPEST (E-ATX)
・電源:CircusPower AX1000-GLN VER2.91 (1000W)
・OS:Windows Vista Home Premium SP2

1090T
1090T

CPU-Z 1.54でのCPU名称は1095Tになっていますね(^-^;
次のバージョンで修正されると思います。

●付属品
付属品は「説明書、シール、ヒートシンク」です。

ヒートシンクは大きさこそ小型のままですがヒートパイプを採用したやや大掛かりな物に変更されています。


●OCについて

1090T@3.8GHz
1090T@3.8GHz

マザーボードのBIOSの対応が不完全なのかCPU倍率を変更しても反映されません。
そこでAMD OverDrive Utility(AOD)を使用してTurbo CORE時に6つのCPUともに19倍で動作するように設定して何とか3.8GHz動作を実現しました。Vcoreは初期値では動作不安定になるので1.400Vに設定しています。

早期のBIOS更新に期待しつつ、今回は3.8GHzで検証を行いました。
(補足:2010/05/03に公開されたM4A78T-E(BIOS 3303)にて改善されました。)

ちなみにAODは最新版(3.2.1)が必要になりますのでダウンロードしてインストールしましょう。


●ベンチマークテスト
定番のベンチマークソフトを使用してスコアを計測してみました。
組み合わせるGPUはRADEON HD 5870ですのでVista用のDX11導入済みです。

CPUは定格動作とOC 3.8Ghzと比較用のPhenom II 555 BE 4コア化+OC 3.8GHz化の3パターンでテストしてみました。

<Phenom II X6 1090T BE:定格/3.8GHz/555@3.8>
・SuperPI MOD 1M:20.248秒 / 18.486秒 / 18.234秒

・Heven 2.0 FPS: 48.7 / 48.4 / 46.0
・Heven 2.0 Sco: 1226 / 1219 / 1156
・Heven 2.0 Min: 14.1 / 15.3 / 6.6
・Heven 2.0 Max:150.3 / 148.8 / 140.1

・3DMarkVA P:16760 / 17582 / 16047
・3DMarkVA G:16960 / 17234 / 17411
・3DMarkVA C:16187 / 18716 / 12993

・3DMark06:19753 / 20716 / 20492
・3DMark05:24150 / 25031 / 26424
・3DMark03:71770 / 73060 / 75230
・ラストレムナントベンチ:129.35 / 124.20 / 121.91
・モンスターハンターベンチ:20257 / 20059 / 19084
・FF Bench3(HI):7913 / 7726 / 9072

・CINEBENCH R10 1CPU:3112 / 3030 / 3133
・CINEBENCH R10 xCPU:14395 / 16323 / 11135
・CINEBENCH R10 OpenGL:7300 / 6412 / 7266

・CINEBENCH R11.5 OpenGL:36.65 / 32.78 / 34.24
・CINEBENCH R11.5 CPU:5.27 / 5.97 / 3.64

ベンチマークソフトの設定はデフォルトでHevenベンチ2.0は解像度を1280x1024で計測しています。

Hevenベンチのスコアはかなり良い感じですね。定格動作でもi7-920@4.2GHz超えてます。3.8GHzへOCした状態では一部スコアが定格動作に劣る場面も見られますが、負荷率の高いベンチではスコアは上昇しています。

FFベンチマークについては1090TのスコアはCnQがオフに出来ない関係で低負荷アプリと判断されてしまいスコアが低くなっているようですので参考までに。


●動画のエンコード対決 ~ Intel編
動画のエンコード時間を計測してみました。比較用にCore i7-920、Core i7-860、Core i3-530のデータも載せました。(補足:DivX6.85は8スレッド、AVCは4スレッドまでの対応のようです。)

動画変換君を利用して自前で用意した約25分のDivX動画ファイル(704x396,動画1200kb,音声192kb,ファイルサイズ約250MB)をPSP向けに変換したときにかかる時間を計測しています。(動画変換君は当サイトで紹介している FFmpeg rev.18607 を導入したものを使用しています。)

Dr.DivXは動画変換君で使用したものと同じ動画ファイルを「2pass 最高画質、解像度704x396、ビットレート映像1200kb/音声192kb」の設定で変換にかかった時間です。

各CPUのOCしたときのクロックはまちまちですが、そのCPUで比較的設定が簡単で常用可能な数値となっています。どれくらいOCして常用可能なのかもコストパフォーマンスに含めていると考えてください。

<Phenom II X6 1090T BE 3.2GHz(3.8GHz)>
・動画変換君:144秒(135秒)
・Dr. DivX:495秒(365秒)

<Core i7-920 2.66GHz(4.20GHz)>
・動画変換君:166秒(107秒)
・Dr. DivX:510秒(324秒)

<Core i7-860 2.66GHz(3.80GHz)>
・動画変換君:148秒(116秒)
・Dr. DivX:448秒(354秒)

<Core i3-530 2.93GHz(4.20GHz)>
・動画変換君:200秒(124秒)
・Dr. DivX:656秒(447秒)

動画変換君(AVC)は定格動作ではクロックの高さからCore i3/7シリーズより高速ですが、各CPUをOCした場合には劣る結果となっています。

DivX 6.85に関しては8スレッドに対応しているためCorei7-860に若干遅れをとっていますが十分な速度と思います。3.8GHzへOCすることでエンコード時間も高速化されています。それでも同クロックにOCしたCorei7-860 3.8GHz(C4/T8)に劣る結果となっています。


●動画のエンコード対決 ~ AMD編
AMD編ということで比較用にPhenom II X2 555 BEを定格、OC 3.8GHz、4core+3.2GHz、4core+3.8GHzの4パターンのデータを計測しました。

使用した動画とソフトの設定はIntel編と同じです。OC時のクロックも3.8GHzで統一していますのでコア数での性能を比較しやすいと思います。

<Phenom II X6 1090T BE 3.2GHz(3.8GHz)>
・動画変換君:144秒(135秒)
・Dr. DivX:495秒(365秒)

<Phenom II X2 555 BE 3.2GHz(3.8GHz)>
・動画変換君:184秒(156秒)
・Dr. DivX:800秒(681秒)

<Phenom II X2 555 BE 4core 3.2GHz(3.8GHz)>
・動画変換君:153秒(135秒)
・Dr. DivX:568秒(493秒)

2コアのPhenom II 555とは大差をつけていますね。動画変換君(AVC)に関しては2スレッドと4スレッドですから差は大きくありませんが、DivX 6.85に関しては2スレッドと6スレッドでの実行と差があるため約1.6~1.8倍高速に処理できています。

Phenom II 555 4Coreとの比較では動画変換君(AVC)に関しては4スレッドまでの対応ですから、4コアと6コアで差がありませんでした。DivX 6.85に関しては最大で8スレッドに対応しているため3.2GHz時には73秒、3.8GHz時には128秒も処理時間を短縮できました。2コア増えた分処理が分散されて高速化されていることが分かります。


●消費電力
ワットチェッカーを使用して消費電力を計測してみました。
数値は左から「アイドル時、SuperPI、FFベンチ、3DMark系、Prime95」の動作時の最大消費電力となります。

・6core@3.2GHz( Auto ):103~152~210~294~207W
・6core@3.8GHz(1.400V):111~153~210~305~231W

定格動作ではRADEON HD 5870との組み合わせでも300W未満に収まっています。TDP125Wということで消費電力も許容範囲内です。

使用している電源は古いモデルとなっていますので変換効率は良くないと思います。80Plus認定電源を使用すれば、もう少し低い値になると思います。


●CPUの発熱について
TDP125W枠ということで発熱は予想より低いように感じます。6コアであることを特に意識する必要はないようです。


●ACCについて
PhenomII 555 BEから差し替えた関係でM4A78T-Eの4コア化機能のACC(アドバンスド・クロック・キャリブレーション)をオンのまま使用していたところ”Turbo CORE”が効かない事に気づきました。

同様にACCをオンにした状態では”3Dmark03の前半で謎のシャットダウン現象”も発生!785G/790GXなどのACCを利用している方は必ずoffに設定を変更することをお勧めします。

(補足:2010/05/03に公開されたM4A78T-E(BIOS 3303)にてACCが6コアまで対応かつ個別にコアをオン・オフ可能になりました。)


●Turbo COREについて
ASUS M4A78T-E(BIOS 3204)ではBIOS内に”Turbo CORE”についての項目はありませんでした。そのためオンとオフは切り替えできません。試してませんがAODでTurbo COREのCPU倍率を落とすことで擬似的にオフにすることはできると思います。

(補足:2010/05/03に公開されたM4A78T-E(BIOS 3303)にてTurbo CORE項目が追加さえれてBIOS上からも設定可能になりました。)


●感想
3Dmark03の謎のシャットダウン現象やCPU倍率変更&Turbo CORE動作が安定しなくて検証が遅れてしまいました。

3Dベンチマークテストに関してはコア設計に変更が無いということで劇的な変化はありません。マルチスレッドに対応したテストでCPUテストのスコアのみ上昇しています。

今回は3Dベンチマークの他にマルチコアCPUの性能が現れやすい動画エンコードテストを加えてみました。テストはIntel編とAMD編に分けててみました。AMD編では同社のPhenom II X2 555 BEを2コアまたは4コア化した状態に加えて「2コア、4コア、6コア」で定格とOCの合計6パターンで計測していますので、コア数による性能向上が分かるかと思います。

1090Tの動画の変換速度に関しては予想どうりの性能でした。Core i7-860に負けてしまっているのは少し悲しいですが、同社の4コア製品より確実に高速に処理できるので悪くないと思います。

ASUS M4A78T-E(BIOS 3204)ではCPU倍率が正常に反映されませんでした。CPU側の問題ではなくてBIOSの問題と思います。やはり890GX/FXなどの最新チップセット搭載マザーボードを購入しろという事でしょうか(>_<)
(補足:2010/05/03に公開されたM4A78T-E(BIOS 3303)にて改善されました。)

”実売価格3.5万円の6コアCPU”ということで期待していた方も多いのではないでしょうか。Intel Core i7-980Xには絶対性能では勝つことはできないと思いますが、約3倍の価格差がありますので性能だけでなくコストパフォーマンスという点からもPhenom II X6シリーズは魅力的な製品と言えると思います。


AODで3.8GHzまでは検証できましたが、さらに高クロックを狙うにはBIOSアップデートを待つかマザーボードを新調するか・・・それが問題です(;´Д⊂)


友人から「FSB変更してOCしよう!」と言われたのですが、せっかくのBlack Editionですから倍率変更で上を目指したいので見合わせています。BIOS更新またはマザーボード入手してからもう一度OCを楽しみたいと思います。



●Phenom II 555 4Core@3.8Ghzとの比較
お待たせしましたm(_ _)m
Phenom II 555 4Core@3.8Ghzと比較できるようにベンチマークと動画の変換時間を計測して追記しました。


●1090TのOC耐性とその後のOCテストについて
OC耐性については1.38Vで3.8Ghzで安定と555 BEの1.5Vよりかなり低い電圧で動作可能でした。4GHzは1.45Vで安定しましたが4.2GHzに関しては現在試してる段階です。


<2010/04/30>
・3.8GHz動作の検証結果を追記しました。
・”Turbo COREについて”を追記しました。
・ラストレムナントベンチのスコアを追記しました。
・Coer i7-920@4.2GHz動作での動画エンコード時間を追記しました。

<2010/05/05>
・Phenom II X2 555 BE 4core@3.8GHzのベンチマークと動画変換テストのデータを追記しました。

<2010/05/07>
・誤字修正、文書一部手直ししました。
  • 購入金額

    34,980円

  • 購入日

    2010年04月29日

  • 購入場所

    ソフマップ

コメント (63)

  • flammulinaさん

    2010/04/29

    AMDは安いですねー、レビュー期待してます!
    COOL!
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