IBMのサブノートとして96年5月に発表された560シリーズの、2回目のマイナーチェンジバージョンです。昔のThinkPadは、おおむねオリジナル(無印)から、E→X→Zという風に進化していました。Eは、クロックやメモリの量を引き上げる、Xはチップセットから何まで新しくするビッグマイナーチェンジ、Zはそのシリーズの集大成という感じです。Zは次のモデルとの兼ね合いから出ない事が多いですが。
560シリーズは、兄弟とも言える535シリーズと共に進化しています。12.1インチの広い液晶を持ちながらも31mm厚を実現した、大きくて薄い560。10.4インチの液晶でB5ジャストサイズという、小ぶりなボディが持ち味の535。今で言うレッツノートのNとJみたいなものでしょうか。560はこの後、570を経てXシリーズへと進化していきますが、残念ながら535は235、240、s30の後は後継機らしいものは作られていません。ところで、個人的には、560には600を経てのTシリーズというルートもあるような気がします。
この560Xも、オリジナルの560から液晶以外の全てのスペックが引き上げられています。以下に並べてみましょう。
CPU:Pentium 133MHz→MMX Pentium 233MHz
メモリ:最大40MB→最大96MB(公称値)
グラフィック・アクセラレータ:Trident Cyber 9382→NeoMagic MagicGraph 128XD
チップセット:インテル430MX→インテル430TX
HDD:1.08GB→4.0GB
ポート類:USBポートx1が追加、PC CardスロットがCardBusに対応
560Eまで採用されていたものの、扱いにくく不評だったMWaveを切り捨て、新たなチップセット430TXを搭載し扱いやすくなりました。そして、低性能だったTrident Cyberに代え、NeoMagicを搭載し、グラフィック面でも大きな進化を果たしました。そして、約2倍になったクロックと、新たに搭載されたUSBポートと、CardBusは560の可能性を広げました。560Xの発表は97年11月なので、1年半を待たずの進化となります。
ちなみに、シリーズ最終を飾る560Zでは、チップセットに440BXを、CPUにPentiumⅡを搭載し、そのクロックは最大300MHzに達しています。さらに、メモリも公称値で128MBまで搭載できるようになっています。他に560Zの特徴として、600シリーズのキーボードを搭載しているという事があります。12.1インチのパソコンに13.3インチのパソコンのキーボードが載るというのは不思議な話ですが、560は液晶の両端に大きなスペースがあるので、600と横幅が完全に同じなのです。これは、液晶付近の小型化が無理だったというわけではなく、19mmのキーピッチを確保するためだったのだと思います。この辺りが、560からTシリーズへと進化したと考える理由です。
僕の560Xについてですが、父の職場の方から、周辺機器幾つかと共に譲り受けました。その方は701Cをお持ちで、家宝にするつもりだとか何とか・・・
701Cを現役で使っておられた方という事で、当然この560Xも酷使されていたようで、天板は傷だらけ、キーボードはテカテカ、液晶はかなり暗いという状態です。しかし、性能面でも、CPUは最高性能の233MHz、メモリも公称での最大量96MB、HDDは6GBに交換されています。
今のところ、Win98SEを入れて、エクセルで部活(高専ロボコン)の資材管理に使っています。535Eも所有していますが、それと比べて560Xは5ヶ月後の製品とは思えないほど速いです。すでにいろんな箇所がくたびれていそうですが、少しでも永く使われて欲しいです。
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購入金額
0円
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購入日
2011年12月27日
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購入場所
父の職場の方
hatahataさん
2012/01/31
560Zを持っていて10年くらい使ってました。液晶にラインが入って別のに買い直しました。
買い換えて、560Zのキーボードの打鍵感覚が凄く良かったということがわかりました。
だいぶまえに弟に払い下げ、いまでも使われているようです。
名湯さん
2012/01/31
当時のIBMのレベルの高さが伺えますね。
名湯さん
2013/02/23
Schrödingers Katzeさん
2013/02/24
物理的なキーボードや、筐体は初代で完成されているのですが、液晶解像度も、今では狭いですけど、当時は普通でしたしね。
535E/560Eはマイナーチェンジでリリースするには、足を引っ張る要素になる設計が多すぎた気がします。
560もあの「まともなピッチのキーボード」はとても魅力だったのですが、535の大きさの割に素直な配列で使いやすいキーボードから、あっちを自分は選びました。
535の場合は、トラックポイントによって、マウスやタッチパッドなどを含むフットプリントも小さくなっているのもいいところだと思います。
トラックポイントは賛否あるところですが、ホームポジションから手を動かさずに作業が出来るあの配置は、よく考えられた設計だと思うのです。
表面が引っかからなくなってくると途端に使いにくくなってしまいますけど。
名湯さん
2013/02/24
自分は、キーピッチの小さいキーボードはどうも合わないので、どちらかというと560系の方が好みですね。薄いですし。今使っているモバイルノートも、X120eという18.5mmの等幅キーピッチのやつです。
トラックポイントのキャップは、10個で数百円ぐらいだったのでヤフオクで買い溜めしてました。