Sound Blasterとしては初のPCI expressインターフェイス対応製品となる「X-Fi Titanium」。その登場時最上位モデルに位置づけられていたのがこの「Creative PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Champion Series」。08年の発売だから既に5年前。サウンドカードはPCパーツとしてはモデルライフが長くこれでもモデル的には2世代前、チップを見ると1世代前となる。
OS側の対応の問題もありDirectSound 3DやEAX、OpenALのハードウェアアクセラレーションを持った最後の世代となった。
PC自体の性能が上がり、以前のような性能面での恩恵は受けにくくなっているし、音質面では完全に外付けとなるUSBタイプの方が有利。Creative自体もサウンドカードだけではなく、徐々に外付け機器や携帯型音楽プレーヤーの製品展開を広めている。
ONKYOに至っては内蔵型サウンドカード製品を終息させるという情報もあり、これも時代の流れってやつかもしれない。
幸いONKYOの現行品終息は新リビジョン版への切り替えだった模様。
と、もう話が逸れない事の方が少なくなってきた気がするが現品を。
ゲーミングブランドの名を与えられ、“サウンドブラスターらしさに溢れるサウンドブラスター”と勝手に思っている「X-Fi Titanium Fatal1ty Champion Series」。
…シリーズとか名前がついていて紛らわしいが単体モデルの名前だ。先述の通り2008年発売で今更感のあるパーツだが、中古が安くでていたので買ってみた。
中古品での購入だったのだが、パッケージもしっかり付属。「Works with Windows7」のシールや、2011年製造を思わせる刻印が内箱にあったので比較的後期に製造された個体だろう。
パッケージにはASRockマザーでもおなじみなFatal1tyさんのドヤ顔が。ASRockマザーのパッケージではよく「某阿部さんに似ている」と言われるし実際私もそう思うのだが、こちらのCreative版パッケージではそうは見えない。ASRockの画像処理とASRock自体のイメージが原因だったのだろうか。
パッケージ内部は二重構造で、先にガッチリと固定された状態で出てくるのはI/Oドライブ。下段に説明書とかと一緒にはいっているのが本体でどっちがメインだか判らない。
中古なので欠品もあるかもしれないが、本体・ドライブ・接続ケーブル2本にドライバCD等が付属。
一つ下位となる「X-Fi Titanium Professional Audio」と基盤自体は同等で、I/Oドライブの付属(接続コネクタ自体はProfessional Audioにも実装されている)、シールド部のロゴデザイン等が異なる程度。
ミニプラグIn*4/Out、そしてOptical In/Outだ。一部のサウンドカードにあるようなヘッドフォンプラグやRCA端子、専用分岐コネクタ等はないシンプルなもので、既存環境に組み込みやすい。さりげなくブラケットがチタン風の暗い色になっているのもポイント。
基盤本体はご覧の通りシールドによって保護されており中身は見えない。ロゴはFatal1ty専用の赤いもの。ノイズ云々の効果があるのだろうが、個人的にはケーブル等をひっかけてコンデンサを曲げたりしないですむのでありがたい。いや、SE-90PCIのコンデンサ何度も曲げちゃってんだよね!
カード長は12.5cmと小ぶりに収まっており、旧型のサウンドブラスターLiveよりも小さいくらいだ。
カード後方のI/Oドライブ接続コネクタ部。実はこの中の一部は通常のケース用フロントオーディオコネクタとピンアサインが共通なので、I/Oドライブを使わなくとも通常のケースフロントオーディオに接続できる。「サウンドカードを挿したらケースのフロントオーディオコネクタが使えなくなった」というのが無いのはうれしいところ。
またシールド側面のX-Fiロゴは白く点灯するステキ機能。一見すると天地逆に見えるが、一般的なATXケースに装着すれば正しい方向になるという訳だ。
さて、同等の本体を持ったモデルがリリースされている以上、「Sound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Champion Series」の長ったらしい名前を持ったこのモデルの存在意義ともいえるI/Oドライブを見てみよう。
要はケースの5インチベイor3.5インチベイに装着するベイアクセサリ。
5インチベイ変換マウンタは専用だけあってデザインは綺麗に一体化する。さらに単なるマウンタというわけではなく、専用のRCA入力端子が装着されていて、3.5インチサイズの本体背面から配線が回る。
先ほどカード後方にあったコネクタから2本のケーブルで接続する。
さりげなく3.5インチ側ユニットのデザインがサウンドカード本体のシールドとそろえているのもステキ。装着したらまず見えない箇所なのだが。
表面はプラスチック製だがピアノブラック処理なので安っぽさは感じない。光沢が少々目立つが大抵の黒系ケースなら違和感なく収まるだろう。
2つのダイヤルはボリュームコントロールになっており、大きいほうが出力、小さい方が入力だ。収納式なのでフロントドアのあるケースでも大丈夫。
古いオーディオ機器のように回転範囲と音量が決まっているわけではなく、回した量だけ音量の上げ下げの信号を送る構造なので本体側との齟齬も発生しない。またキーボードのホットキーのように動作中のソフト側の音量を調整するわけではなく、Windowsのサウンドミキサーのマスターを直接操作するのでソフトによって動作が変わるといった心配もない。
そしてツマミの間にはフロントオーディオ端子。これはケースに内蔵されているものと機能的には全く同じ。但しツマミに隣接するので太い端子をさすとツマミ操作がしにくくなる。またフロント用ノイズ対策はそんなに気合いれてやってる訳ではないようで、ケース用フロント端子と同様に無音時はノイズが乗ってしまう。気になる場合はヘッドフォンも直接背面から接続したほうがいいだろう。
ちなみにサウンドブラスターはフロントにヘッドフォンを挿すと自動でヘッドフォン用プロファイルに切り替わりスピーカー出力をミュートにする設定になっている(変更も可能)なので、ヘッドフォンをつけてゲームを大音量でやっていたつもりがスピーカー側にも音を垂れ流していて近所迷惑という恐れも少ない。
そしてこちらの赤い3連スイッチはそれぞれ「ゲームモード」「CMSS-3D」「CRYSTALIZER」の有効無効を操作し、更に機能が有効な時は赤く点灯する。但しゲームモード切り替えボタンは点灯こそするが押しても反応がない。これは入手個体の問題なのかそういう仕様なのか判らないが、実は反応されると困る(理由は後述)なので好都合。
さて実際に装着してみよう。
マザーボードはMSI Z77A-GD55。最上段のスロットに装着したが、CPUクーラーのENERMAX ETS-T40-VDのファン固定クリップが下方向に大きく張り出す形状だったので干渉。急遽クリップを形状を曲げて干渉しないように折り曲げ。ファンの取り付け・取り外しがしにくくなっちまったが仕方ない。
それでもヒートシンク位置がギリギリだったのでクーラー側に絶縁テープを貼り付け。まあこれはサウンドブラスターというよりCPUクーラー形状の問題なのだが。
なんとか装着してOSを起動。ディスク自体も新しいのかディスクからのインストールでWindows7 64bit環境へのインストールが問題なく完了。但しCreativeドライバはなかなか安定しないイメージがある(旧型下位のPCI版「X-Fi Xtreme Audioもよく固まった)ので早々に最新版をダウンロードしてアップデート。
ちなみにこの最新版ドライバ、Windows8への対応もされているとのこと。
このカードを装着するとワットモニター読みで7W程消費電力が増加する。他のサウンドカード(後述のONKYOやaim)が2W程度の差異しか出なかったのでちょっとビックリ。またカード自体も少々発熱する。高機能チップの代償か。
さて、実際に動作させるが特に問題は無さそうだ。制御は「オーディオコントロールパネル」から行うがお得意のCMSS-3DやCRYSTALIZERもしっかり機能。
しかしCreativeの伝統というかお家芸。ぶっちゃけ使いにくい。「エンターテインメントモード」「ゲームモード」「オーディオクリエイションモード」と3つのモードが切り替えられるのだが、モードによって同じ名前のタブでも設定できる内容が変化したり、はなから設定項目が変わったり。
そして最大の問題がモード切替時に音声を出力するソフト…音楽プレーヤーやゲームが動いていると高確率でソフトがフリーズし、最悪の場合再ログインまで音が出なくなる。ソフトとの相性とかそういうレベルではなく、付属している音楽再生ソフト「Creative MediaSource 5」でも容赦なくフリーズさせる破壊王。
「モードを切り替える前に、すべてのオーディオアプリケーションとゲームを終了することをお勧めします」なんてやんわりと書いてあるがお勧めどころじゃない、絶対に停止しないとヤバイ。
そう、I/Oドライブのとこでゲームモード切替ボタンの事を「反応されると困る」と書いたのは、もし反応したら容赦なくソフトをフリーズさせる自爆ボタンになるところだったのだ。
しかしそのモード切替の鬼門さえ避ければ今のところソフトは安定している。但し私の家にはサラウンドヘッドセットやスピーカーが無いので2ch出力のみでの使用だ。なので今使っているサウンドカードも…
2chアナログ出力特化の2枚。しかしその2ch出力でも上記2枚を入れたこの3枚、見事に音が判れていて面白い。
どれが好みかといえば実は一番定価が安いSC8000なのだが、優劣というより個性だろう。当然だが3枚とも背面出力ならオンボードサウンドのノイズからは無縁になるのでそれだけでも価値はある。
純粋なアナログ2ch出力だけを見れば、SC8000&SC-90PCIの方が安い訳でコストパフォーマンスに優れるのだが、コイツラの問題はレガシーなPCIスロットという事。最近はPCIスロットを持たないマザーも多いし、あっても使い難い位置だったりするのだ。
更にSound Blaster X-Fi Titaniumにはエフェクトや擬似サラウンドといった追加要素がある。私はこういうエフェクトをかけた音が大好きなのでこの辺をいじるだけでも結構遊べる。
特にお気に入りはCRYSTALIZER。圧縮音源で失われた音域をフォローするというエフェクト効果で、同社の音楽プレーヤーにもある機能。
携帯音楽プレーヤーでは常時オンにするくらい気に入ってるが、強度は弱くしないと高音がなりすぎて耳障りという欠点があった。しかしこのSound Blaster X-Fi TitaniumのCRYSTALIZERは全力全開にして同じイヤフォンをつないでもその耳障り感が無い。もちろん好みである程度強度は下げたほうがいいのだが。
たとえサラウンド非対応のゲームでも、特にネットゲームは音楽や効果音を圧縮した音源で扱っているものが多いのでゲーム中の音がいい感じで変わる。これは楽しい。楽しくて他のエフェクトも試しつつ3時間TERAやっちまいました(やりすぎ)。
さて、最後にI/Oドライブを使ってみよう。
むしろ私の場合真っ先に使いそうなものなのだが、実はコレ「I/Oドライブ認識不良のジャンク品」と書いて販売されていたものでなんとそのお値段4980円。
このI/Oドライブ、機能的にそんなに凝った造りとは思えないので案外単純な接触不良とかで自力修理できるんじゃなかろうか。まあ、カード側のI/Oドライブ周りの回路がイカれてたらお手上げだし、その場合ヘタしたらI/Oドライブ無しの通常動作さえ危うい訳だから賭けっちゃ賭けだ。
とりあえず症状を見る為にケースに取り付けずケーブルだけ繋いで確認してみた訳だが…さっきからゲームモードのボタン云々を書いている通りなんかごく普通に使えるんですが。
という訳ではれて本体に装着。
フロント出力・ボリュームコントロールは動作OK。スイッチによる「CMSS-3D」「CRYSTALIZER」の切り替えもOK。ゲームモードの切り替えはできないが先述の通りもし機能したら自爆ボタンになるので恐らくドライバ側でわざと停止してるんじゃなかろうか。LEDもガッチリ連動して点灯する。残るは入力系のAUXかマイクの不都合だが、それは使う予定が無いのでスルー。
とりあえず1日使ったが今のところは「4980円でSound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Champion Series」を買えた状態なのでドヤ顔になっている。
が!実は動こうが動くまいが、安定しようがしまいが、購入目的は別にあった。
結果的に安定動作してI/Oドライブまで使えちゃった掘り出し物だった訳だが、直接的な購入理由は「背面ブラケットが暗い色」で「側面のロゴが光って」、「赤と黒が基調のベイアクセサリがついてくる」という3点。
先日交換したこのケース、赤と黒が基調なのでフロントのベイアクセサリはピッタリ似合う。
位置的に側面のX-Fiロゴはちょうどアクリルから見えるし、同じく側面にロゴがあるXFXのHD7770との組み合わせがカッコイイ。
そして背面、アクセサリ類やカードをくっつけていたら最上段の一つを除いて黒かグレーのブラケットで統一されたので最上段にも黒っぽい何かをくっつけたかった。
見事XFXのカードと同じブラケットカラー。
フロント・サイド・リアのビジュアルがカンペキ、そのタイミングで出てきた4980円のジャンク品。そりゃもう買っちゃうよ。例えこの後動かなくなっても飾りとしてつけちゃうよ。
RCA変換ケーブルが壊れたからRCA直接出力&ケーブル付きだったSC-90PCIの中古を買うような何か間違ったきっかけでパーツを買うことが多い奴なので気にしないでください。
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購入金額
4,980円
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購入日
2013年05月24日
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購入場所
Sofmap
harmankardonさん
2013/05/25
私は,9800円で見つけたのですが,踏ん切りが付きませんでした.
カーリーさん
2013/05/25
しばさん
2013/05/25
下小川さん
2013/05/26
今は後継モデルの新品価格が1万円代前半に落ちてきているので、新品の中位を買うか、中古の上位を買うか悩みどころです。
そういえばフロントIOは単品販売とかしてないんですよね。結構手元のダイヤルでボリューム調整できるのは便利です。一部ファンコンのアクセサリのように一度出力をPC内部にひっぱるわけではないので、ボリューム調節自体にはノイズの心配ありませんし。
とにかく黒ブラケット固めのリアがやりたかったんですハイ!
実は下から2段目はRAIDカードなんですが、フルプロファイルブラケットが無くて別のUSBカードのブラケットを流用→穴をふさぐために黒いテープを貼っているという偽黒ブラケットなんですがw