レビューメディア「ジグソー」

黒くて静かなAntecの定番モデル

 

Antec製の定番静音ケース。今の目で見ると少々古さを感じる面もあるが、この価格帯のケースとしては静音性に優れるのが特徴。


 また、癖の無いデザインなので万人受けしやすいのもポイント。Zigsowの見本写真は限定版の赤ライン入りモデルなのだが、通常版は真っ黒。

「デザインの癖のなさ」という点では自作PC向けケースの中でも屈指のアイテムなのだが、特にこのBlackモデルは、フロントパネルを含め全て黒で統一しているのが特徴。

 

参考:アストロマンティック☆さんのSoloWhite。↓この通りシルバーとホワイトの組み合わせ。


 
一方高発熱構成での使用にはしっかりとエアフローを考慮する必要があり、ベイ類の構造はデザインとは裏腹に癖がある点、内部作業スペースがATXにしては限られる点に注意しておきたい。


 なんかSoloIIのプレミアムレビューとすっげえ紛らわしいタイミングでアップしたのだが、これは元々2009年、つまり4年前に友人が自作PCを組む時に購入したケース。

 


当時の写真。重くて持ち帰るのに苦労した。

 

 他のパーツ共々4年間ノントラブルで動いていたのだが、引越しを機にデスクトップPC類を処分するとの事で、内部の構成パーツまるまる引き取った。実は場所の関係でPCの組み立て自体は私の家で行っていたので、4年ぶりに帰ってきた気分だ。

実は友人のPCを組んだ後、同じくSoloのWhiteモデルを自分用に入手し使用していたので、一部そちらでの使用感が混じっている事を先にお断りしておく。

 

 

 

 


 
…という訳でまずは外装。先述の通り2トーンカラーとなるWhiteや通常モデルと異なり、完全に黒で統一された本体は見事に癖が無い。またぱっと見吸気口の類も無いのでまさに黒い箱。
フロントパネル以外は光沢のピアノブラックなので、ヨゴレが目立ちやすいのが欠点だが。
 
 5インチオープンベイは4段。同社のP183等にも採用されたツールレス機構を持ち、専用のガイドをネジ止めしてからベイに搭載する。但しこのツールレスの弊害として、奥行きの少ないベイアクセサリは固定が甘くなるという難点がある。

 


 ちなみにFDD等の3.5インチオープンベイデバイスを使用する場合は付属の変換マウンタを使用する。

その下にはシャドーベイ。こちらも構造が独特で、2種類の固定方法を選択できる。
一つはP183と同様のトレータイプ。シリコングロメットをはさんだ専用の長ネジでHDDを底面側から固定するトレーを4個備える。

 


 
そして特徴的なのが「サスペンションマウント」。仰々しい名前がついているが、要はゴムバンドでHDDをつるすという豪快かつ判りやすいHDDの振動対策だ。
確かに振動対策という点ではかなりの効果があり、当時低音と共振に悩まされていたHGST製のHDDが見事静かになった。ちなみにコチラの固定方法の場合HDD搭載数は3個までとなる。

 


 
…が、4年ぶりにあけてみると見事にゴムバンドが伸びきって、HDDは下のトレーにのっかるような状態になっていた。
元々衝撃に弱いHDDをゴムバンドでつるすだけというのは心もとないし、後に自分でWhiteを使用した時は通常のトレー固定で十分静かだったので、普通はそちらで十分かもしれない。


 どちらの固定方法も実質フロント側から行う事になるのだが、サイドパネルをあけて配線類を外す→フロントパネルを開ける→フィルタを開ける→トレーを引き出すと少々手順が多い。

 

 

フロントインターフェイスはオーディオにUSB2.0*2、そしてIEEE1394だ。IEEE1394、最近は全然使わないなあ… 

 

 


 内部スペースはほぼATXマザーピッタリサイズとなり、また電源ユニット部とマザー部の間に剛性確保の為かバーが入っているので、作業性は同クラスのケースよりも劣る。まあITXケースとか特殊配置ケースに比べれば全然ラクなのだが。

 


 
なのでVGAもあまり長尺のものは搭載が厳しくなる。友人PCは長さ23cm+補助電源配線のHD4850カードを搭載していたが、配線がシャドーベイ内部まで行くので実質これが限界サイズか。

 


 また本格的な裏配線スペース等も無い(一応シャドーベイ裏にスペースがあるのでそこに押し込むことはできるが)ので、私みたいな乱暴な人間だとあっという間にスパゲッティモンスターの出来上がりだ。今思えばこういう密閉型ケースこそ内部エアフローをしっかり考える必要があるので、もっと綺麗に配線すりゃよかった…。

尚、CPUクーラー用のメンテナンスホールもないのでバックパネルを使用するクーラーの場合マザーを外す必要がある。

 

 

 

標準付属のファンは背面の12cmが1つのみ。3スピードに切り替えられるスイッチを持ったタイプだが、P183と異なりそのスイッチはケース内にぶら下がるだけ。
 
 
 幸い丁度いい場所にスキマがあるので、そこからスイッチを外に出してやれば、とりあえず背面からスイッチを切り替えることは可能。

 

標準状態だとコレと電源ユニットの排気のみで全ての排熱をまかなう事になる。しかしタダでさえ開口部の少ない静音ケース。ケース内が負圧になるのである程度の吸気はされるが、冷却性能に不安が残るし、熱が篭るからといって排気ファンの回転数を上げたら静音性が薄れて本末転倒だ。
 
 ここはおとなしくシャドーベイ前のフロントファン搭載部に吸気ファンをつけるのがいい。9cmファンを2個搭載可能になっている。

 

フィルタとフロントパネル側面のエアインテークを介して吸気されるので、風量は落ちると思っていいだろう。
 


 現品の場合Scytheの9cm穴10cmファンを搭載。これだとサイズが大きいのでファンは一つだけしか搭載できない。なんでこうしたのかは…当時の自分に聞いてみないとわからない。
 
 また、CPUクーラーの高さには余裕があるので、一般的なものなら入るだろう。なんかさっきの写真ではリテールクーラーが入っているが、静音ケースを生かすべく大型のクーラーにするのもアリ。但しトップフロークーラーはサイドパネルが密閉式なので高さに注意。サイドフロー向きか。

 

 

 


 最終的な構成はCore2Duo E8600、HD4850、HDD2台と結構発熱はありそうな構成。しかもCPUクーラーはリテール、HD4580は外排気ではなく内部に排気をばら撒くタイプ。電源は同Antec製の電源で8cmファンのストレートタイプ。なんか今見るとすっげえ冷却面が頼りない状態なのだが、結局4年間もってしまった。


 
しかもこのホコリもっさあー状態で。定期的にフィルタの掃除はしたほうがよさそうだ。

ただ逆に内部のホコリは少なかったので、この窒息ケースにおけるフロントフィルタの効果は絶大ということだろう。
 


 何より作った当時から驚いたのがその静音性。それまで1980円の安物ケースや、開放型のスカスカケースばかりを使用していたので、自分のPCをまるまる上回る性能を持ちながら、全然静かな状態で出来上がったこのPC…というかケースにはかなりの衝撃を受けた。

以降自分のPCの1台を徹底的に静音性能重視に切り替えるきっかけになったのだが、自分の安物ケースベースに手間とお金をかけてもなかなか満足する段階までいけなかった。その後やっぱりSoloWhiteで適当に組んだPCは静かだったので、やはりケースの元々の構造というのは重要なんだと身にしみた限り。


 他にも使わないドライブレールを固定するギミックや、振動をしっかり吸収する脚など、価格帯を考えるとなかなかしっかりした作りとギミックだ。また一部外装が樹脂パーツになるP183よりも高級感という面では上に感じる。

その静音重視の密閉構造故ハイエンドパーツをぶち込んでバリバリに常時高負荷をかける用途には向かないし、ケース内部のスペースの狭さや本体の重さを考えると頻繁な構成変更やテストにも向かない。

しかし定格使用で安定したパーツを組み込み、実用品として構成を固定して使っていくのならこの静音性は大きな武器になるだろう。元の設計は古い製品だが、むしろ最近の低発熱なプラットフォームを使えば、当時よりもより静かで高性能なPCを組めるだろう。


 型落ちとなった今、アウトレット品の類(但しHDD固定専用ネジの欠品に注意)ならかなり廉価に入手できる一方、USB3.0等のインターフェイスをベイアクセサリで補えば今でも静音PCを組むのに十分使えるケースだ。
余談だが、フロントパネルUSB3.0化するキットも代理店から販売されているので、それを使えば現行モデルに食いつく事もできる。欲しいけど今のところこのSoloは常用予定がないので購入するかは考え中。


 いや、SoloよりヘボいケースをメインPCに使ってるんだけど、完全密閉タイプなんで光物があまり意味がないっていうのが寂しいんで!

 

 

 

追記

黒を友人のケースとして使ってから気づけば6年、白をメインPC用ケースの交換用として使う事に。

シンプルでスッキリとしたデザインはどっかいったけどな!!

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2009年02月02日

  • 購入場所

    T-ZONE

コメント (13)

  • cybercatさん

    2013/02/23

    >いや、SoloよりヘボいケースをメインPCに使ってるんだけど、完全密閉タイプなんで光物があまり意味がないっていうのが寂しいんで!
    たしかに5インチベイしか光らせるところがないなぁ。
    うちの窒息ケース

    ですらフロントファンは光らせる事ができるのにw
  • Nao-Rさん

    2013/02/23

    PCケースSOLO II のレビューに、そのままコピー~♪
    と思いましたよ・・・ が、「まとめ」 で・・・思わず吹いた!^^;
  • 下小川さん

    2013/02/24

    あれだけ光物すきなのに、実は側面クリアパネルのケースは上にリンクした1980円ケースしかなかったりするんですよね。
    Soloの場合フロントのエアインテークも側面なので、もう排気ファンくらいしか外からみえるのはありません。
    フル5インチベイに光るベイアクセサリ全部盛りとかしてみたいな!


    なんかずいぶんなタイミングでSoloがきたので、ちょっとそれっぽく作ってみました。
    コレ書きながら改めてSoloIIの仕様見てたら、長尺VGAの搭載やCPUメンテナンスホールなど、結構変化してるんですね。
    まとめに使ったホコリもっさあーは恐らく4年分丸々分なんで恐ろしいです!室内での掃除はヤバイので一旦屋外で分解したくらいでw

    SoloIIのレビューがんばってください!
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