古くなったノートパソコン、大事に使っていますか?
動作が遅くてストレスを感じているなら、少しのパワーアップで快適動作になるかもしれません。
今なら定番であったメモリの増量やCPUのグレードアップをしなくても、より効果が確実で簡単な
方法があります。
それはストレージをハードディスクからソリッドステートドライブ(Solid State Drive 以下SSD)
に交換することです。
インテルさんは早くからコンシューマ向けSSDの製品開発・展開に努めていました。
それはハードディスク(以下HDD)のデータ転送速度の遅さがPC全体の処理速度の大きな足枷と
なっていたからです。
今回は Intel® SSD 535 Series SSDSC2BW480H6R5(以下、SSD 535)を用いて私が使用する
ノートパソコンのHDDと換装を行い、換装前後でどのように処理速度に違いがでるのか検証したいと思います。
インテル製品のパッケージはデザインが素晴らしく、一目で判別できる統一感がいいですね
他社製品との比較 SATAケーブルがあり3.5インチ変換ブラケットが無い分小さく厚みがあります
本体は静電気防止パックされています この内箱下段に付属品が入っています
SATAケーブル、7mm→9.5mmスペーサー、固定用ネジ、取扱説明書、ガイドCD-ROM
今回私が使用するノートパソコンは、 Acer製 AS5750-F54F/LKFという製品です。2012年モデル
で主な構成はCPUにCore i5 2450Mを搭載、メモリは4GBで容量750GBのハードディスクです。
OSは64bit版 Windows 7 Home Premiumです。
主な使用目的は、ネットサーフィンや最近ではすっかり趣味となってきたzigsowさんでの
レビュー、それに必要なときにOfficeでの資料制作などと軽めの作業が中心です。
この程度の使い方であれば、最新ノートパソコンに買い替える必要はないでしょう。
メモリも4GBあれば必要十分で、職場の同世代 i5 デスクトップも2GBですが不足を感じません。
ノートパソコンに搭載されているHDDは日立(HGST)のHTS547575A9E384という製品で、
インターフェイスはSerial ATA300(SATA3Gb/s)となっています。
ノートパソコンのチップセットには Mobile Intel® HM65 Express を採用しており、この
6 Seriesから現在主流のSerial ATA600(SATA6Gb/s)が搭載されています。
現在のメインストリーム向けSSDも同じ規格であるSerial ATA600なので、不足無く性能を
発揮できます。
なんと見事な工業デザインであろうか
製品本体の美しさだけでなく、パッケージデザインから企業ロゴまで全てが洗練されている。
お見事としか言いようが無いです。
それにしても、誰も欲しがらないあのステッカー欲しかったでつ・・・OCZの100倍カッコイイ
SSD導入準備編 [用意するSSDの容量を選ぶ]
まずは現在使用しているHDDの使用状況の確認です。
スタートメニューからコンピュータをクリック、ハードディスクドライブのローカルディスク
(C:)を右クリック ここで使用領域を確認します。
製品では 1GB=1000×1000×1000 Byte で表示しています。
Windowsでは 1GB=1024×1024×1024 Byte で表示しています。
上の画像の場合、63019294720÷1000÷1000÷1000=63.02GB が製品換算での使用領域です。
SSDは特性上、空き領域がギリギリまで少なくなると極端に速度が低下したり、製品寿命を
縮めたりします。
容量を選ぶ目安は、使用している容量プラスαの倍の容量のものがよいでしょう。
現在では製品によって違いますが、240GBや480GBクラスのものが容量単価が安くオススメです。
ハードディスクからSSDへの換装 その1
それでは最初にHDDのデータをそのままでSSDに移し変える手順をご説明します。
ハードディスクからSSDに換装するには、OSの再インストールで行えば時間はかかりますが
余計な出費などもなく移行できるかと思います。
実際にはメーカー製パソコンでOSのインストールメディアが無い等、他にも現在の使用状態
そのままで移行したい方が多いのではないかと思います。
ここでは、現在までの使用状況をそのままHDDからSSDへ移行する手順をご紹介します。
まずはSATA USB変換ケーブルを使用して行う手順です。
この方法でのメリットはノートパソコン1台しかなくても換装が出来るところです。
今回用意したSATA USB変換ケーブル 2本のUSBケーブルから電力を供給出来るそうです
ノートパソコンを起動して付属のCD-ROMを使用します。
保証規定とインストールガイドのフォルダがあるので、インストールガイドの中の日本語版の
PDFを開きます。
PDFのリンク先からデータ・マイグレーション・ソフトウェアをダウンロードします。
ダウンロードしたデータ・マイグレーション・ソフトウェアを起動します。
SSDSC2BW480H6R5を認識出来ていないようです
ツールを使用可能にするためにSSDの初期化を行います。
スタート→コントロールパネル→システムとセキュリティ→管理ツール→コンピューターの管理→
記憶域→ディスクの管理で初期化を行います
ここに出てこない場合、別の原因が考えられます 今回はディスク1として識別していました
これで進行出来るかと思いましたが、447GBの大容量USBメモリが誕生しただけでした
どこかでやり方がまずかったようでSSDとして認識させることが出来ません。
SSDをSATA USB変換ケーブルから外しても、SATA USB変換ケーブル自体をUSBデバイスとして
認識してしまいます。Windows 7からWindows 10にして再度行っても無理でした。
SSDをPC内部にしてSATA USB変換ケーブルにHDDを接続。
そこからAHCI・IDEそれぞれで起動を試みるも、起動途中でHDDが停止してしまう。
手順書にあるように、外部電力供給型のSATA USB変換ケーブルを用意すれば上手くいくかも
しれませんが、りゅうやんすっかり自信喪失しました・・また同じ結果になるのが怖いです。
変換ケーブル以外にもHDDのまるごとコピー機能付き HDDスタンド、クローンスタンドなどと
呼ばれる製品もあるようですが、容量大→容量小へのクローンが不可のものがあったり、どの製品
レビューにもうまくいかない方がそれなりにいるようでやはり踏み切れません。
そこでもう一つ別の方法にてデータの移行を試みたいと思います。
HDDからSSDへの道程 [壁に当たったら迂回せよ]
さて、今度は別に用意したデスクトップPCにノートパソコンから取り出したHDDとSSDを接続、
データを移行する手順をご紹介します。
左下赤い製品がこのPCで使用中のSSD、その右移行先となるSSD 535、上に乗せているのが
ノートパソコンから外したHDDとなります。
このように接続が終わってからは、先程の導入準備編と同じ手順となります。
デスクトップPCを起動します。
起動しただけでサクっと認識しました・・ この数日を思うとなんか悔しいです・・・
これをノートパソコン単体での導入準備編で見たかったのですが、考えようによっては
ノートパソコン単体での導入には今回のような失敗のリスクがあるという見本となるか、
そうであれば幸いです。
では、導入準備編と同じようにデータ・マイグレーション・ソフトウェアをダウンロードします。
無事使用許諾契約書が出ました 同意するにチェックを入れて次へで進みます
処理の完了後にコンピュータをシャットダウンする にチェックを入れ放置しました
シャットダウン後は不要な書き込みを避けるため、クローンの済んだHDDとSSDは外します。
SSD535に無事クローンが出来たのか、動作確認のためノートパソコンにインストールします。
手順を簡単にご紹介します。
このノートパソコンでは、青い矢印の2箇所のネジを外すせばカバーを開けることが出来ます
カバーのネジは、このマウンターの固定も兼務している合理的な仕組みです
元のHDDは9.5mm厚ですが、スペーサーを使用する必要はありません
スライドさせてコネクタに挿し、カバーを閉めてネジ止めすれば完了です
単純な構造のため、あまり参考にならないかもしれません。作業は慌てず慎重に行ってください。
とても判り易く便利である
導入手順は非の打ち所が無い、素晴らしい出来だと思います。但し、intel 製品を認識した場面
でしか使えないクローンツールは、かなりの制約を感じるものではないかと思います。
詳細は書きませんが、移行の準備のための移行が出来ないなど、シリアルナンバーで自由に使える
他社製クローンツールほうが利便性は高いです。
SSD導入効果検証編
無事に正常動作を確認出来ました。換装前後での性能比較を行った結果です。
CrystalDiskInfo HTS547575A9E384
CrystalDiskInfo SSDSC2BW480H6R5
ベンチマークでの速度比較
ATTO Disk Benchmark 2.46 HGST HDDとの比較 右がSSD 535です
AS SSD Benchmark Intel SSD 535
当然シャットダウンも速くなります
ノートパソコンの起動が劇的に速くなるだけでなく、一見関係なさそうな操作など、かなりの場面で効果が出ます。換装前のHDDより容量は少なくなりましたが、それでも充分すぎる容量です。
効果を要約すると
●SSDには駆動装置が無く衝撃などによる故障、動作不良を起こす恐れがほぼ無い
●上記と同じ理由だけでなく、全般に処理速度が向上するのでバッテリーでの使用時間も飛躍する
●デメリットとして導入コスト まだHDDより容量単価が高い NANDフラッシュの寿命が未知数
今回はWindows 7 での検証でしたが、Windows 10ではさらに起動が加速します。
速すぎて、たまにデスクトップ画面を表示できないときがある程です。
お蔭様でノートPCが復活しましたw
これで東京オリンピックまで壊さないよう大事に使いたいと思います。
SSDとしての速度性能は高いほうではない
CrystalDiskMarkの結果をみれば、他のSSDと比較して体感出来る差は無く、充分な性能を
有しているのが解ります。
書き込み全般とランダム性能が弱く、AS SSD Benchmark のスコアはここ数年
久しく見ていなかったレベルです。
この製品がゲーマーなどの速度を求める層ではなく、今回のようなノートパソコンなど
幅広い場面で使うことを想定した一般ユーザー向けのものであることが理解できました。
Intel SSD Toolbox - v3.3.3を使ってみようぞ
何年前かは忘れましたが、容量40GBのIntel OEM SSDを使用していた頃、このツールの機能を
フルに利用出来ずに残念な思いをした覚えがあります。
Intel製SSD製品はメディア等様々なところで目にする機会も多く、当たり前のような存在に
感じていましたが、実際にこのツールの機能をフルに利用出来るのは今回初めてです。
私にとってIntel製SSD製品は高嶺の花であったのです。
System Tunerタブ SSD導入時の定番Windows設定をここで行えるようです
intel ssd toolbox は他社製ツールの雛形となっているといえる素晴らしい出来ですが、
クローンツールと同じくもう少し自由に使えるといいですね。
以上、インテル® SSD 535 - マシンガンレビュー III ノートPC 20機種 復活劇 りゅうやんPC編を 最後まで御覧いただきまして誠にありがとうございます。
Duron AthlonXP 以降 Northwood NetBurst CoreDuo…ずっとintelさんにお世話になってます。
intel さん zigsow さん他、関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。感謝です!!
© Intel Corporation. 無断での引用、転載を禁じます。Intel Corporation, 2200 Mission College Blvd., Santa Clara, CA 95052-8119, USA.
hidechanさん
2016/01/12
やはりハードディスクからSSDに変えると劇的に速くなりますね!
ノートPCでもいまさらHDDには出来ません。
メモリを変えたりするより目に見えて性能がアップするので、私のノートPCもすべてSSDに換装してあります。
今回手持ちのノートが古すぎて応募しませんでしたけど、ホーリーテールさんがお母様のノートパソコンを換装している記事をみて、その手があったか!
と応募をしなかったのを後悔しました><
りゅうやんさん
2016/01/12
換装が楽なノートパソコンならいいのですが、大掛かりな分解だと
2度と戻せなくなりそうで大変ですね。
でも1度快速を体験すると、本当にHDDには戻れません。
未体験のかたには、ぜひともチャレンジしていただきたいです。