今回レビューさせていただくインテル® SSD535のレビューテーマが「ノートPC 20機種復活劇」ということで、Windows ノート機とMacBook Proを候補に挙げていたのですが、ご指定がMacBook Proをということなので、MacBook Proにしぼってレビューいたします。
まず、もしかしたら他のレビューと一番違うかもしれない点を挙げておきます。我が家では今回レビューに使うMacBook Pro (15-inch, Mid 2012) 2.3GHzモデルは我が家ではメインマシンであり、セカンドマシンや現役引退機ではないということです。そのため、搭載しているHDDは1.5TBの物で、その内1.2TB程を使っているという状況です。扱っている写真や音楽ファイルの量を考えると480GBでは納まりきれません。そのため、クローン化でドライブ換装という手段は取っていません。今使っているHDDと空のSSDを換装して、そこからデータを除く環境を再構築することにしました。
実際の作業に移る前に、手順を想定します。
- ドライブの入れ替え
- インターネットリカバリによる最新OSのクリーンインストール
- アプリ環境の再構築
- iPhone等がSyncで必要とするファイル(連絡先やミュージック)を復旧
今回は手順2までを詳細にレビューします。
Mac OSはWindowsの様には起動に必要とするファイルの位置を決められていないので、経験上、パテーションを作成して、そこにシステムファイルをコピーすればドライブの移行は済みます。今までそうやって3代のMacBook、5世代のOSを「秘伝のタレ」の様に上書きアップデートで引き継いできました。今使っているMacBook Proは購入後、最初に電源を入れる前からそれ以前のMacBookのHDDと換装し、使い始めました。何事もなく普通に起動できたことに感心したものです。
さすがにそこまでして引き継いで使ってくると新しいOSでは不具合のでるユーティリティプログラム等も出てくるのでレジュームからの復帰が遅くなったりと不具合も出始め、何時かはクリーンインストールからやり直さなくてはと思っていました。そんな矢先のこのレビュー当選なので容量不足の問題もあるし、ここはクリーンインストールでしょ。ということにしました。
まずは、レビューに使うMacのご紹介から
MacBook Pro (15-inch, Mid 2012) 標準解像度ディスプレイ
- プロセッサ:2.3GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、6MB三次キャッシュ
- メモリ:16GB 1600MHz DDR3メモリ
- HDD:1.5TB(5400rpm)
- OS:10.11.2 El Capitan
最新OSにも対応し、まだまだ十分現役で快適に使えます。
MacBook ProはHDDの換装が容易
今回HDDをSSDに入れ替えるのはMacBook Pro (15-inch, Mid 2012) 2.3GHz 標準解像度ディスプレイモデルです。このモデルは、底パネルを外すと、容易にHDDやメモリ、バッテリにアクセスできるという高解像度モデルにはない利点があります。
底パネルは10本のネジで止められています。
ネジはディスプレイヒンジ側の3本が長く、後は短いものになります。すべてプラスネジです。
パネル中央に2本の爪が出ていますが、ここも本体側の留め具に刺さって止まっていますので、底パネル全体をゆがまないように持ち上げることで外します。
長年使ってきて、底パネルの内側にはうっすらと埃がたまっていたりします。ついでに清掃しておくことをお勧めします。
パネルを外すと、HDDもメモリもバッテリーも見えている状態になります。ここで、HDDは矢印のところの2本のネジを外すことで取り出すことができるようになります。
下の写真の状態でHDDは取り出せます。
このモデルのMacBook ProではHDDは4本のネジを使って本体内に浮かせた状態で保持されています。
このネジ4本をSSDに移植する必要があります。星型のネジを使用しています。
私は、(くわえる面にギザギザのないペンチ)やっとこを使ってネジを回して外してしまいます。写真はやっとこの向きが間違っています。
ネジを移植し終えれば、SSDを本体にセットするのは簡単です。
スペーサーをつける意味はありませんが、つけた状態でも搭載することはできます。今回は、放熱の妨げになりそうだし、無意味なのでスペーサーは付けませんでした。下の写真は単に載せてみたイメージです。
換装後に電源を入れる時に一度だけNVRAMをリセットします。これは電源投入直後、起動音が聞こえたらすぐに、「command + option + P + R」キーを同時に押し、そのまま押し続けることでリセットできます。詳しくはリンク先のAppleのサイトの説明をごらんください。
Mac OS Xのインストール
今回換装したMacBook Proはインターネット経由のリカバリにも対応しているはずなのですが、なぜかうまくいきませんでした。リカバリモードでの起動は起動時に「command + R」キーを押したままにします。
これができると、Wi-Fi環境にMacを繋ぐだけでOSをインストールできるので、非常に簡単です。しかし、待っていても始まる気配がないので、今まで使っていたHDDをUSB接続し一度リカバリ環境を起動することにしました。ケースとして使ったのはLogitecのLHR-PBKU3LXというUSB3.0対応のケースです。その前のMacBookで使っていた750GBのHDDを玉突きで追い出して換装しました。
USBポートにこのHDDを接続してからMACを起動します。起動時に「command + R」キーを押したままにします。メニューで言語を選べますので、日本語を選択して、その後、ディスクユーティリティを起動して
SSDにパテーションを作成します。
Wi-Fiでインターネットが使える環境が必要ですが、後はOSの再インストールを選択すればインストールが始まります。
この後、移行アシスタントを使えば、以前の環境がそのまま復元されますが、今回はディスク容量が足りないのと、以前の環境はOSの上書きバージョンアップをかなり繰り返し、HDDの容量替えなどもそのまま繰り返してきたものなので、そのままは引き継がず環境の再構築をしようかと計画しているため移行アシスタントを使わないで全く新しくアプリなどを揃え直すことにしました。
intelさんのユーティリティは使えないけど Trim
このSSDに対してintelさんが出しているユーティリティ類はWindows用のプログラムなので、そのままではMacでは使えません。ファームウェアのアップデートがあった時にどうなるのか若干の不安はありますが、それはその時に考えるしかないですね。
Mac OS Xは今回の El Capitanから TrimのON/OFFがOS標準でできるようになった様で、ターミナルで[sudo trimforce enable]というコマンドを実行すれば、Trimが有効になります。
換装直後はTRIMサポートは有効になっていませんでした。
ターミナルで trimforceを実行し、幾つかの確認を終えると再起動します。
実行・再起動後はTRIMサポートが「はい」になります。
App Storeアプリは簡単に再インストールできる
当然といえば当然ですが、App StoreアプリはIDとパスワードを以前のものを使うだけで簡単に以前使っていたアプリを再インストールできます。その際、iCloud環境にデータファイルなどのバックアップがあれば、アプリがそのバックアップから以前の設定を復活させたりもします。
アプリメーカーや作者のサイトから直接ダウンロードしていたアプリはちょっと手間なものもありますが、多くのアプリは以前のHDDをUSB接続して、そのドライブのアプリフォルダから今のアプリフォルダにコピーすればインストールは出来ます。購入時と同じライセンス認証は必要です。
ベンチマーク 速っ!
HDDをSSDに換装したことがなかったので、どのくらい違いがあるのかわかっていなかったのですが、ずいぶん速くなりました。
換装前のHDDのベンチーマークがこんな感じです。70MB/sといったところでしょうか。
ちなみにWi-Fi経由でアクセスしているNASを測定すると、まぁ健闘しているかな。レスポンスの良いNASなので不満ありません。
そして今回のSSDの結果ですが、メーターが振り切っているのを見るのは気持ちがいいですね。書き込みがHDD比4倍、読み込みが7倍といったところでしょうか。速度差を誰もが体感できる圧倒的なスピードです。
HDDノートPCユーザーは体感してしまうと戻れなくなる
SSDは、低消費電力や衝撃に強いなどの利点もあってかつ速いのでノートPC向きのデバイスだと思います。ディスクアクセス速度の改善は、PCの処理速度に非常に大きく影響するので、3〜4年前のHDD搭載でちょっとくたびれてきたPCをリフレッシュするのに丁度良いでしょう。
OSの起動だけでも数倍速くなります。SSD交換後は電源OFFの状態から約16秒で完全に起動します。
これならスリープで待機させておく必要さえないかもしれません。また、熱くならないので、膝上に置いて使っても熱を感じないし、バッテリーの持ちも改善するので、PCの稼働時間が伸びます。良いことずくめだと思います。標準でSSDを搭載しているMacユーザーには当たり前の世界ですが。。。
Mac OS Xは今回の El Capitanから TrimのON/OFFがOS標準でできるようになった様で、ターミナルで[sudo trimforce enable]というコマンドを実行すれば、Trimが有効になります。こういったサポートがApple純正以外のSSDを使う気にさせてくれると思います。
使用感?全く不満なしです。
便利すぎてもっと容量を欲張りたくなる
今回のレビューで使うSSDは480GBというこのシリーズでは大容量のものです。
それでも、MacBook Pro (15-inch, Mid 2012) 2.3GHzモデルは当時でも、500GB HDDが標準で、構成オプションとして 750GB HDD,1TB HDD,128GB SSD,256GB SSD,512 SSDが選択できていたので、今回の換装でものすごく大容量になるというわけではありません。
とはいえ、ベンチマークでREADがHDDに比べ7倍近く早いとなるとレスポンスの改善という点で著しい変化があるので、悩ましい。今回は、1.5TB HDDから480GB SSDへの換装なのでなおさらだけれども、もっと容量が欲しくなります。
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